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3854 アイル

東証P
2,776円
前日比
+2
+0.07%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.9 7.98 1.30
時価総額 695億円
決算発表予定日

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アイル Research Memo(8):2017年7月期連結業績は増収で計画超の増益


■業績動向

1. 下期の構成比が高い収益構造
収益構造の傾向としては、システム開発関連企業のため、開発案件ごとの採算性などで売上総利益率が変動し、大型案件の売上計上などによって四半期業績が変動しやすいという特徴がある。

またアイル<3854>は7月期決算で、3月期決算企業の期末にあたる第3四半期(2月-4月)に売上計上する案件が多いため、全体としては上期(8月-1月)よりも下期(2月-7月)に収益が偏重する傾向がある。過去5期(2013年7月期-2017年7月期)の平均構成比で見ると、売上高は上期45.1%、下期54.9%、営業利益は上期31.6%、下期68.4%だった。

このような傾向に対して、受注の平準化及び継続的な保守サービス等の受注により、売上計上時期の是正に取り組むとともに、技術者の技術水準を一定水準以上に保つべく、技術者の通年採用を積極的に行うことで、開発効率の変動を解消することに努めるとしている。

2. 2017年7月期の連結業績概要
2017年9月8日に発表した2017年7月期の連結業績は、売上高が前期比9.2%増の8,621百万円、営業利益が同14.6%増の432百万円、経常利益が同16.2%増の455百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.1%増の299百万円だった。売上面では、大型案件の増加で納期が長期化していること、一部期ずれ案件が発生したことに加えて、無理な受注による品質面でのトラブルや不採算案件の発生を防ぐため、また働き方改革の推進で残業ゼロへの取り組みを強化しているため、全体の売上高は1ケタ増収にとどまったが、基幹業務システムとWebシステムの両面から幅広いソリューション提案を可能とする「CROSS-OVERシナジー」戦略、協業企業の発掘・提携によって販売チャネルの拡大を図るパートナー戦略、業種別に特化したシステム開発や業種ごとの導入事例を生かして各業種特有の課題解決を行う業種特化戦略が奏功し、主力製品の売上が好調に推移した。

事業別の売上高は、システムソリューション事業が前期比8.8%増の7,496百万円、クラウド事業が同11.8%増の1,124百万円(うちCROSS事業が同28.3%増の611百万円、Webソリューション事業が同3.0%減の513百万円)だった。システムソリューション事業では、前期伸長した受注残高が2017年7月期の売上高伸長に貢献した。クラウド事業では、CROSS事業の利益率の高いストック型商材への経営資源集中を推進した。その結果、主要ストック型商材である複数ネットショップ在庫一元管理ソフト「CROSS MALL」及びECサイト・実店舗ポイント・顧客一元管理ソフト「CROSS POINT」を扱うCROSS事業が大幅伸長した。またクラウド事業におけるストック型商材の売上構成比は75.5%で、前期の69.6%から5.9ポイント上昇した。

費用面では積極的な研究開発投資や人材投資の継続、働き方改革の推進に伴う職場環境の改善などで、人件費や経費が増加したが、品質・利益重視の戦略やストック型商材比率の上昇で売上総利益率が改善し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも計画を上回る増益だった。売上総利益は前期比10.9%増加し、売上総利益率は38.6%で同0.6ポイント上昇した。増収効果に加えて、ストック型商材の伸長が寄与した。販管費は同10.4%増加し、販管費率は33.6%で同0.4ポイント上昇した。特別利益では前期に計上した移転補償金80百万円がはく落した。なお連結子会社ウェブベースの2017年7月期業績(グループ間取引を含む)は、売上高が前期比3.8%減の523百万円、営業利益が同1.9%増の84百万円、経常利益が同5.0%増の87百万円、当期純利益が同1.7%増の50百万円だった。売上高は減少したが、各利益は伸長した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

《NB》

 提供:フィスコ

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