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2017年10月23日18時48分

【特集】馬渕治好氏【歴史的“強気相場”、この波はどこまで】(1) <相場観特集>

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)

―日経平均15連騰、台風一過の東京市場で上昇は続くか―

 東京株式市場では稀にみる強気相場が繰り広げられている。週明け23日も大きく買い優勢で始まり、その後も高値圏で売り物をこなし、日経平均株価は遂に歴代単独1位となる15連騰を達成した。米国株上昇や為替の円安、22日の衆院選では自民・公明合わせて総議席数の3分の2を超える圧勝を果たすなど好条件が重なったが、目先的には一方通行の上昇に伴う過熱感が拭えないのも事実だ。気が付けば10月も第4週に入った。先読みに定評のある市場関係者2人に晩秋のマーケットをずばり占ってもらった。

●「強い地合いだが、米株連動で下値試す可能性」

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)

 日経平均は足もとリスクオン相場に乗って強力な上昇波を形成している。ただし連騰記録は早晩止まるわけで、その後の調整局面も念頭に置いておく必要があろう。衆院選の与党大勝は御祝儀的な買いを呼び込んだ形だが、今回の結末は事前の市場コンセンサスとしてほぼ織り込まれていた。為替の円安についても日銀が緩和政策を継続する姿勢にあることが背景にあるとはいえ、これまでと“何かが変わった”ということではない。

 先物を絡め日経平均が突出して買われており、これは前週に指数はプラスでも値上がり銘柄数を値下がり銘柄数が上回る日が続いたことなどにも表れている。海外投資家主体でもその内訳は短期筋による先物買いもしくは買い戻しであり、地に足のついた中長期資金の実需買いとは言えない。したがって、短期的にはその反動による売り圧力も考慮される。

 もちろん、企業の実態は悪くない。今週から始まる4-9月期決算発表で好内容のものが相次げばマーケットには追い風となるが、主力輸出株の動向を見る限り、好決算については前もって株価に織り込んでしまった部分が多いことも認識しておくべきだろう。

 カギを握るのは米国株市場の動きだ。指標的には割高感が強まっている。トランプ米大統領の税制改革に対する期待は大きいものの、財政赤字が膨らむことに共和党は難色を示す可能性があり、法人税35%を20%にする案は減税幅が縮小する懸念も小さくない。米株安となれば、日本株もその影響を受けることは必至で、今はキャッシュポジションを高くしているほうが報われる公算が大きいだろう。年内で見た場合、日経平均は2万円大台を割り込み、1万9000円台なかばまで深押しする場面もあると考えている。

 そのなか物色対象として押し目買いの対象となるのは、インバウンド関連として資生堂 <4911> やポーラ・オルビスホールディングス <4927> などの化粧品関連株。また、電機セクターでは、大手重電のなかで最も設備投資関連としての側面が強い三菱電機 <6503> などが注目される。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(まぶち・はるよし)
1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程終了。米国CFA(証券アナリスト)。マスコミ出演は多数。最新の書籍は「勝率9割の投資セオリーは存在するか」(東洋経済新報社)。日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣のひとり。

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