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3667 enish

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enish Research Memo(5):2017年12月期第2四半期累計業績は既存タイトルの売却により減収基調続く


■業績動向

1. 2017年12月期第2四半期累計業績の概要
7月27日付で発表されたenish<3667>の2017年12月期第2四半期累計業績は、売上高が前年同期比22.8%減の1,937百万円、営業損失が432百万円(前年同期は158百万円の損失)、経常損失が415百万円(同166百万円の損失)、当期純損失が479百万円(同238百万円の損失)となった。

売上高については事業の集中と選択の推進の一環として、ブラウザゲームの「ドラゴンタクティクス」を2016年12月に、「プラチナ☆ガール」を2017年4月にそれぞれ運営委託先であった企業に売却したことや、その他タイトルをクローズしたことなどが影響し2ケタ減収となった。ネイティブアプリの「12オーディンズ」については、大型IPとのコラボレーションを実施したこと等もあって累計200万ダウンロードを突破するなど、堅調に推移した。この結果、ブラウザゲームとネイティブアプリの売上構成比は6対4とネイティブアプリの構成比が上昇し、下期には「欅のキセキ」投入もあって逆転するものと予想される。

損益面では売上減収による利益減に加えて、新規IPタイトル開発に向けた労務費の増加や広告宣伝費、非ゲーム事業への投資費用等の増加が減益要因となった。四半期ベースの対売上比率で見ると、労務費率が前年同期の18.8%強から当第2四半期累計では20%を超える水準まで上昇した。絶対額は前年同期比14百万円の減少となったが、売上減少により対売上比率では上昇することとなった。売上原価の中に含まれる支払手数料に関しては、大半がSNSプラットフォーマーに支払うシステム利用料となるため、ブラウザゲームの縮小に伴って売上比率も前年同期の35%から33%程度に低下している。販管費では広告宣伝費が「12オーディンズ」の広告施策を第1四半期に打ったこともあって前年同期比で25百万円増加したほか、人件費も同10百万円増加した。対売上比率でその他の項目(売上原価と販管費のその他項目合算)が労務費とほぼ同じ比率で上昇しており、絶対額でも前年同期比64百万円増となったが、主に非ゲーム事業の投資費用が増加要因となっている。

なお、当第2四半期累計では特別利益として「プラチナ☆ガール」のタイトル譲渡に伴う事業譲渡益95百万円を計上した一方で、下期に投入を予定していた女性向けタイトルを凍結したことに伴い、当初想定していた収益との差異が発生したことから有形固定資産に係る減損損失157百万円を特別損失として計上している。

2. 2017年12月期の見通し
2017年12月期下期の取り組みとして、ブラウザゲームについては主力2タイトルにリソースを集中することで、売上高の減少傾向は続くものの安定した収益基盤の構築を図っていく方針となっている。また、新規タイトルについては「欅のキセキ」が2017年秋に配信される予定で収益貢献が期待されるほか、引き続き女性をターゲットとしたネイティブアプリの新規タイトル開発も進めていく予定になっている。

通期業績予想に関して今回、会社側では開示していない。「欅のキセキ」の投入によって収益が大きく変わってくる可能性が高く、現時点での予想することが困難と判断したためだ。このため、ある程度通期の業績が見えてきた段階で、見込み値を発表するものと予想される。

3. 財務状況と経営指標
2017年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比612百万円減少の1,565百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金174百万円減少したほか、売掛金が115百万円、その他流動資産が171百万円減少した。一方、固定資産では有形固定資産が131百万円、無形固定資産が37百万円それぞれ減少した。

負債合計は前期末比158百万円減少の333百万円となった。主な増減要因を見ると、有利子負債が100百万円減少したほか、未払金が42百万円減少した。また、純資産については四半期純損失の計上により前期末比453百万円減少の1,232百万円となった。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は77.0%、有利子負債比率は3.1%と健全な水準となっている。現金及び預金の残高が2015年12月期以降、損失計上を続けてきたこともあり、704百万円まで減少しているが、「欅のキセキ」投入によって今後は回復に転じ、財務基盤も再び強化されていくものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MW》

 提供:フィスコ

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