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3556 リネットJ

東証G
366円
前日比
-4
-1.08%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
2.92
時価総額 46.0億円
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決算発表予定日

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リネットジャパン Research Memo(10):ネットリサイクル事業のほか、金融事業の立ち上げにも注力


■成長戦略

リネットジャパングループ<3556>の成長軸は、1)ネットリサイクル事業の成長加速、2)ネットリユース事業の再成長、3)新規事業の立ち上げの3つである。

1. ネットリサイクル事業の成長加速
許認可の取得、宅配便会社及び全国自治体との提携、規模の経済という3つのポイントを抑えた同社にとって残された課題は、いかに消費者(国民)の機運を高め、サービスの認知や利用促進を図るかにある。これまでは、全国自治体との提携を含めて、プラットフォームの完成度を高めることに注力していたことや、同社単独による広告宣伝活動(新聞広告やネット広告等)では予算面も含めて制約があったことなどから、本格的な啓蒙活動や業績の伸びを実現するには至っていない。ただし、前述のとおり、2017年4月1日より開始された東京オリンピック・パラリンピックに向けたプロジェクトが同社にとって最大のチャンスになる可能性がある。本件により、国民への制度(小型家電リサイクル法による体制整備)の周知や「都市鉱山」としての理解が進む新しいフェーズに入っていくものと期待される。同社は、2020年9月期の到達イメージとして、年間100万台から200万台のPCの回収(前期実績は推定11万台)を目標としており、実現すればサービス収入で稼ぐ高収益モデルであるがゆえに、収益性が一気に向上する可能性がある。また、将来的には、集客チャネルの多様化(リユース事業との送客シナジーを含む)や回収品目の拡大による成長加速を目指している。特に、家電のIoT化を見据えたプラットフォーム(リサイクルとセキュリティの回収インフラ)への進化も視野に入れている。

2. ネットリユース事業の再成長
「ネットリユース事業」は、「ネットリサイクル事業」とのシナジー創出(特に、送客シナジー)のほか、高効率経営による残存者利益の享受により持続的な成長を目指す戦略である。また、将来的には、モノの所有価値から使用価値へとシフト(シェアリングエコノミーの進展)する流れの中で、リユースの枠組みにとどまらない「インターネットリユース&リサイクル」のソーシャルインフラサービス企業を目指す方向性である。

3. 新規事業の立ち上げ
新たに開始するカンボジアでのFinTechを活用した金融事業については、まだ具体的な事業計画の開示はなく、どのくらいの時間軸で事業を拡大していくのか、現時点で不透明な部分が多い。ただし、潜在的な市場が大きい上に、与信管理の仕組みにも合理性があることから、軌道に乗ってくれば「ネットリユース事業」、「ネットリサイクル事業」と並ぶ3本目の柱となる可能性は高い。

弊社では、同社の成長性について、「ネットリサイクル事業」の本格稼働に向けた啓蒙活動の進展や、「ネットリユース事業」とのシナジー創出が当面のカギを握るものとみている。特に、「都市鉱山」としての潜在市場が大きい上、参入障壁が高く、競合のないビジネスモデルである「ネットリサイクル事業」が、これからの同社の成長を大きくけん引するものと評価している。今後の課題は、いかに消費者(国民)の機運を高め、サービスの認知や利用促進を図っていくのかにある。その点では、東京オリンピック・パラリンピックに向けたプロジェクトの動向が今後の試金石になるものと考えられ、その効果やスピード、収益性向上に向けた道筋にも注目している。一方、新たに開始する金融事業については、財務内容や収益構造が変化する可能性があるが、同社は中長期的な視点に立って事業を拡大していく方針とみられるため、今後の動向をフォローしていきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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