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2017年01月19日07時54分

RIZAPーG Research Memo(3):ストック型収入の増大や広告に頼らない集客への構造転換が順調に進展


■RIZAP事業の成長戦略

(1) RIZAPのビジネスモデルの変革

a)ストック型収入の増大
RIZAPグループ<2928>は2016年3月期以来、RIZAP事業の収益モデルのフロー型からストック型への転換を進めている。一言で言うならば“ワンタイムからライフタイムへ”ということだ。すなわち、2ヶ月間で目指すダイエットを実現して休会へという流れから、目的達成後も継続してアクティブ会員の状態を維持する流れへ、というものだ。同社はこのための受け皿的な仕組みとして「ライフサポート・プログラム」を導入した。

ライフサポート・プログラムは、RIZAPのスタンダードコース終了者を対象に、月間2回/19,600円(税別)で、トレーナーの指導を受けながら体形・健康の維持を図るというものだ。同社はさらに、「コンディショニング・プログラム」や特別会員プログラムなど、様々なメニューを用意して、顧客の希望に合わせたコースを複数用意している。同社は、スタンダードコース終了後にライフサポート・プログラムをはじめとするこうした継続コースを契約する人の割合を「リピート率(再契約率)」として、KPI(重要業績指標)の1つに位置付けている。また、リピート率と並ぶKPIとして「残存率」という指標を導入している。これは入会から一定期間(例えば1年間)経過した時点でのアクティブ状態を維持している会員の割合だ。

ライフサポート・プログラムへのリピート率は、2016年の現時点で1年前に比べて1.3倍にまで高まっており、着実な進捗を見せている。しかし同社はこれに満足することなく、ライフサポート・プログラムのブラッシュアップのためのテストを福岡の3店舗で進めている。

今回のテストの内容は新プログラムというよりは運営方法の新モデルと言える。会員に対しこれまでよりも管理度合いを高めて、言うなればジムに来ていない時間をしっかりと管理するという視点での運営だ。これの目指すところは、生活習慣の変革だ。RIZAPのスタンダードコースによるボディメイクと、新たなライフサポート・プログラムによる生活習慣の変革を組み合わせることで、一人ひとりの会員と長期にわたって関係が続くことを目指している。福岡でのテストの手応えは極めて良好で、リピート率が従来型のライフサポート・プログラムに比較して一段高くなっているようだ。同社は新モデルのブラッシュアップを重ねるとともに、必要なIT投資なども行い、2018年3月期以降、全店に新しいライフサポート・プログラムを導入していく方針だ。

弊社では、ボディメイクから生活習慣の改善へとつなげる今回の施策に、大きな期待を抱いている。生活習慣の改善はすべての世代にとって重要なテーマであり、訴求力は高いと考えられる。また、かねて同社が進めてきているヘルスケア領域との連携においても、生活習慣改善のプログラムへの具体的なブリッジ(架け橋)となって、より実態的な連携・提携に発展していく可能性があるとみている。

こうしたビジネスモデルの転換に合わせて、同社の顧客への商品・サービスの販売方法や顧客単価についての考え方も変化してきている。従来は、2ヶ月間のスタンダードプログラムとサプリなどを最初に一括して売り切る、“売り切り型”モデルが中心だった。しかし今では、ライフサポート・プログラムの導入で長期にわたる関係性を重視するモデルとなったことで、ライフタイムバリューという概念で顧客単価を考えることをより重視している。

ライフタイムバリューとは、アクティブ会員でいる期間の売上高総額だ。売り切り型の顧客単価との最大の違いは時間軸だ。入会時の一瞬を切り取れば、売り切り型の顧客単価が高いのは自明だ。しかし、1年、2年とより長い時間軸になればなるほど、ライフタイムバリューの売上高が大きくなる。

b)“広告に頼らない集客”の推進
“広告に頼らない集客”、すなわち、集客における広告依存度の低下は、同社が取り組むもう1つの課題だ。同社は、TVをはじめとする各種メディアにインパクトのある広告・宣伝を行って集客し、それを収益成長へとつなげてきた。これについての構造転換も同社が注力しているポイントだ。

同社が最も期待をかける集客方法は、既存の会員からの紹介による新規会員獲得だ。2015年春に一部マスコミによってRIZAPに対するネガティブ記事が発表され、問い合わせや入会者が落ち込んだ。その際に既存会員が自発的に知人を紹介する動きが拡大し、入会者が急速に回復した。同社はこの経験をもとに、紹介キャンペーンを本格化させた。2017年3月期第2四半期の月次の推移を見ても、期初の22.8%から期末の30.4%にまで着実に上昇してきている。

同社が進める“広告に頼らない集客”と、収入構成におけるストック型収入の増大には、共通する必要条件がある。それが顧客満足度だ。満足できないプログラムを継続する顧客はいないし、友人にも勧めることはない。同社はこの点を当初から重視し、顧客の声の徹底的な吸い上げや、従業員満足度(ES)の向上による接客の向上、ITの活用、店舗の改装など、あらゆる観点で継続的に努力をしている。その効果として、顧客満足度や継続利用意向を示す指標として広く利用されているNPSスコアが、2016年9月時点の数値は6ヶ月前に比べて7.2倍に大きく上昇した。

また、同社はグループ企業を通じて、オンラインサービス“RIZAP ONLINE”や各種のRIZAP関連本の出版、非会員向けの商品など、潜在顧客に対して、複線的・多層的な働きかけを行っている。これらはそれ自体が収益を生み出す商品・サービスであるが、それらをきっかけとしてRIZAP会員に誘導する新たな集客ルートとなることも期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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