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2788 アップル

東証S
394円
前日比
+1
+0.25%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.5 0.60 2.54
時価総額 54.6億円
決算発表予定日

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アップル Research Memo(5):2017年12月期通期予想は据え置く


■今後の見通し

アップルインターナショナル<2788>の2017年12月期通期の連結業績は、売上高が前期比14.9%増の17,014百万円、営業利益が同40.1%増の685百万円、経常利益が同40.8%増の728百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同48.3%増の576百万円と増収増益の見通しだ。

(1) タイの市況が好転
タイ国内の四輪車販売台数は、前国王が崩御した2016年10月以降3ヶ月連続して前年同月比で2ケタの落ち込みとなった。2017年に入ると、前年1月-2月の水準が税制改定により低水準だったこともあり、1月が前年同月比10.5%増、2月は同19.9%増と回復の兆しが出てきた。その後も伸び率は鈍化したものの、一度も前年割れがなく、8月は前年同月比6.8%増となった。タイ工業連盟は、好調な理由として新型車の投入、観光客の増加、農産物生産量の増加、輸出の増加、民間設備投資の増加などを挙げている。

前国王の葬儀は、2017年10月25日から29日までの5日間にわたって行われる予定だ。葬儀中は、飲食、服装などで自粛が予想される。2018年12月期には、通常モードに戻り、事業環境が改善することが見込まれる。

(2) シンガポールにHV・EVに特化した修理・整備の子会社を設立
2017年12月期は、タイの回復をシンガポールの不振が相殺する形となっているが、同国でも事業拡大策を講じた。2017年8月に、シンガポールにハイブリッド車(HV)と電気自動車(EV)の修理・整備に特化した子会社を設立した。同国を始めとするアジア諸国では、保守・整備に対する不安からHV・EVが長年忌避される傾向にあった。同社は、現地に専門の整備会社を設けることで、シンガポールにおける輸出車両へのメンテナンス保証サービスを提供し、同社の輸出販売事業とのシナジー効果を発揮することを企図している。新子会社「APPLE HEV INTERNATIONAL Pte.Ltd」への出資比率は、同社が60%、現地企業が40%となる。共同出資者であるHEV Shop Pte.Ltdは、これまで同国内でHV・EVの修理・整備を専門とする事業を営んでおり、同社としては将来を見据え、海外顧客へHV・EVのアフターサービスのインフラとして確立すべく実験的要素も含め先行して設立した。

(3) 想定為替レートは前期並み
2017年12月期の想定為替レートは、1米ドル当たり110円と前期並みとしている。2017年12月期第2四半期の円の動向は、前期末と比べて米ドル、シンガポールドル、タイバーツのいずれも安定的に推移しており、これまでのところ円安に振れており、前期よりもビジネスを進めやすい環境にある。

(4) 第2四半期の進捗度
2017年12月期の初予想では、第2四半期までに通期の売上高及び経常利益の各52%程度を稼ぐ予定でいた。第2四半期の実績が期初予想を未達の上、通期予想を据え置いたため、上期の進捗度は、売上高が41.4%、経常利益で32.9%にとどまる。第2四半期末の売掛金が増加しており、海外顧客からの支払いが滞っている状況では、販促もしづらくなっている。

(5) 特別利益の発生
2017年12月期の親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の8割弱に相当する金額が見込まれている。過去に貸倒引当金を積んだ東南アジアにおける債権の回収や中国子会社の所有していた債権が会社清算により特別利益として計上される見込みだ。2017年5月に連結子会社のA.I.HOLDINGS(HONG KONG)LIMITEDの解散を決議し、11月末に清算が完了する予定となっている。債権の回収に関しては裁判で係争中のものもあるが、同社の全面勝訴となれば、予想以上の特別利益が発生する可能性がある。また、その時の為替レートによるが、現在の水準であれば多額の為替換算差益が営業外収益として計上されることが見込まれる。足元のビジネスの状況は、シンガポール向けの売掛金が積み上がり、下期に上期不足分を挽回するのは困難を伴うであろうが、為替差益などの一時的な利益が見込まれることから、通期予想を変更していない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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