貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

2471 エスプール

東証P
304円
前日比
+1
+0.33%
PTS
304円
23:52 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.1 3.01 3.29 25.71
時価総額 240億円
比較される銘柄
ウィルG, 
トランスコス, 
パーソルHD

銘柄ニュース

戻る
 

エスプール Research Memo(3):16/11期は大幅増収増益で着地


■業績動向

(1) 2016年11月期の連結業績について

エスプール<2471>の2016年11月期の連結業績は、売上高で前期比27.1%増の9,236百万円、営業利益で同753.2%増の507百万円、経常利益で同902.2%増の496百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で408百万円(前期は68百万円の損失)と大幅増収増益となった。売上高は4期連続増収、営業利益は2期ぶりの増益に転じ、いずれも過去最高を更新した。また、2016年9月に上方修正した会社計画に対してもいずれも上回って着地した。

主力事業である人材派遣やスマートメーター設置業務、障がい者雇用支援サービスなどが売上高、利益ともに前期から伸長したことが増収増益要因となった。売上総利益は増収効果に加えて、スマートメーター設置業務の生産性改善効果が寄与し、前期比46.2%増益となり、売上総利益率も同3.8ポイントの上昇となった。また、販管費は事業拡大に伴う人員増強により人件費が同21.5%増となったほか、採用費や本社移転に伴う賃借料の増加により、同22.5%増となったが、増収効果により販管費率は同0.9ポイントの低下となった。この結果、営業利益率は前期比4.7ポイント上昇の5.5%となり、同社が中期戦略の目標として掲げてきた5%の水準を上回ることとなった。なお、営業利益の過去最高は2003年11月期の219百万円となっており、当期は大幅に更新したことになる。

(2)事業セグメント別の動向

a)ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業の売上高は前期比14.6%増の3,440百万円、営業利益は同256.7%増の583百万円となった。事業別の動向を見ると、ロジスティクスアウトソーシングの売上高は前期比39%減の1,046百万円と大きく減少した。低収益の物流センター運営代行サービスを縮小し、付加価値の高いインターネット通販発送代行サービスに軸足を移す事業構造転換を進めていることが減収要因となっている。売上高の内訳を見ると、運営代行サービスが前期比62%減の352百万円に、発送代行サービスは同13%減の694百万円となった。発送代行サービスについても収益性の向上を図るため、単位面積当たり単価の低い商材から、高単価で継続性の高い化粧品や健康食品等の商材に切り替えを進めていることが減収要因となった。また、利益についても売上減に伴い前期比で65百万円の減益となった。

障がい者雇用支援サービスは売上高が前期比56%増の886百万円と大幅増収となった。引き続き企業の障がい者雇用ニーズが旺盛なことが好調の要因となっている。当期には新たに2ヶ所の農園(千葉県船橋市、愛知県豊明市)を新設し、農園の販売区画数は前期比47%増の353区画となり、法人企業42社(うち、新規30社)に販売した。また、これら農園で就労する障がい者168名、及び農園管理者56名の人材紹介を行った。利益についても増収効果によって前期比138百万円の増益となり、ビジネスソリューション事業セグメントの最大の収益源となるまでになっている。

なお、当期に開設した豊明市の農園については、行政との連携による初の案件となっている。従来は、農園の土地や就労する障がい者の確保などすべてを自社で行っていたため、立ち上げまでに苦労するケースが多かったが、豊明市の案件に関しては行政側で土地の確保や障がい者の取りまとめなど行った上で、同社が事業展開していくビジネスモデルとなっている。このため、農園開設から販売までスムーズに進めることが可能となり、第1次募集開始後、すぐに完売するなど好評を得ている。行政側でも障がい者雇用を促進していきたいとの意向があるなかで、同社のサービスに対して他の地方自治体からの問い合わせも増加傾向にあり、今後も行政との連携案件が拡大していくことが予想される。

フィールドマーケティングサービス(スマートメーター設置業務)の売上高は前期比619百万円増の930百万円と大幅増収となった。スマートメーター設置業務の売上高が前期比168%となり通期の売上増に寄与したことが主因である。前期は立ち上げ費用などがかさんだことで赤字事業となっていたが、当期は電力小売り自由化等によるスポット受注なども寄与し大幅増収となったこと、並びに業務の効率化により生産性が大きく向上したこと、外部委託費率が減少したことなどにより黒字化し、営業利益は前期比345百万円の増益となった。なお、スポット受注による売上寄与は約1億円となっている。

その他業務のうち、セールスサポート業務の売上高は全国規模での大型調査案件の受注獲得により前期比65%増の400百万円に、また、プロフェショナル人材バンクサービスは同28%増の150百万円といずれも好調に推移したほか、当期よりサービスを開始した求人応募受付代行サービスも大手外食チェーンなど50社から受注し、売上高は90百万円と順調な滑り出しとなった。

b)人材ソリューション事業
人材ソリューション事業の売上高は前期比35.6%増の5,832百万円、営業利益は同46.6%増の529百万円と増収増益基調を継続した。売上高の内訳を見ると、コールセンター業務はグループ型派遣が好調に推移し、前期比55%増の4,285百万円となった。既存顧客内でのインストアシェアが拡大したほか、新規顧客の開拓が進んだことが増収要因となった。また、派遣スタッフの定着率向上及び顧客との関係強化を目的に、FD(フィールドデベロッパー)と呼ばれる現場常駐社員を前期の66名から124名へと大幅増員したことも売上増につながっている。

店頭販売支援業務については、前期比22%増の1,273百万円と2期ぶりに増収に転じた。携帯電話販売店向けの売上増に加え、家電製品など取扱い商材を増やしたことで家電量販店向けの顧客開拓が進み増収となった。

派遣スタッフの採用費や社会保険料負担の増加があったものの増収効果でカバーして、営業利益率は前期比0.7ポイント上昇の9.1%と3期連続で上昇した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均