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2437 シンワワイズ

東証S
478円
前日比
+20
+4.37%
PTS
478円
14:37 05/07
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.8 1.50 2.62
時価総額 48.5億円
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シンワアート Research Memo(1):上期決算は計画を下回るも太陽光発電施設の販売拡大により通期予想を据え置き


■要約

シンワアートオークション<2437>は、国内最大級の美術品オークション会社である。日本の近代美術を中心として、近代陶芸やワイン、ブランド雑貨、時計、宝飾品なども手掛けている。2,000万円以上の高額落札作品における市場シェアでは業界トップクラスを誇る。富裕層ネットワークを生かしたエネルギー関連事業や医療機関向け支援事業なども展開しており、最近では、太陽光発電施設の販売(エネルギー関連事業)が大きく伸びている。

同社は2014年5月期より新中期経営計画(5ヶ年)をスタートさせるとともに、第2の創業期と位置付け、プラットフォーム構想※によるオークション事業の拡大のほか、「アートから始まる富裕層向けの総合サービスカンパニー」へと事業ドメインを拡張することにより、安定収益源の確保と財務基盤の強化に取り組んでいる。長期間にわたるデフレ経済の環境下で、日本のオークション市場並びに同社の業績はしばらく停滞感に覆われてきた。しかしながら、オークション市場の回復には時間を要しているものの、エネルギー関連事業が順調に拡大してきたことに加えて、同社独自の医療ツーリズムやサプリメント販売など、戦略子会社による新規事業が立ち上がってきており、同社は新たな成長フェーズに入ってきた。また、2016年10月には中国の海航資本集団との連携(対日投資及び文化事業支援など)に向けた戦略提携を締結するなど、将来を見据えた活動にも積極的である。

※同社がマーケットメイク機能を果たすことでオークション市場の活性化及び回復を目指すもの

ただ、2017年5月期上期の業績は、売上高が前年同期比3.9%増の1,794百万円、営業損失が0.9百万円(前年同期は169百万円の営業利益)と増収ながら減益となり、経常損失(純損失)に落ち込んだ。前期における特殊要因のはく落※は想定内であるが、オークション関連事業の低迷が業績の足を引っ張った。また、エネルギー関連事業も太陽光発電施設の販売が想定を上回るペースで拡大しているものの、業績への寄与が下期にずれ込んだことで計画を下回る要因となった。

※自社保有の穂北太陽光発電施設(宮崎県西都市/993kW)の売却

2017年5月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比10.3%増の4,299百万円、営業利益を同17.1%増の417百万円の増収増益を見込んでいる。太陽光発電施設の販売が3月連系に向けて大幅に拡大することにより上期決算の遅れ分を取り戻す想定となっている。弊社でも開発案件(前渡金勘定)が積み上げっている状況等を勘案して、会社予想の達成は可能であるとみている。ただ、業績への寄与が3月(第4四半期)に集中する可能性が高いことには注意が必要である。

同社の成長戦略の柱は、オークション事業の拡大と、新規事業の育成による収益基盤の強化、アジア戦略、の3つである。太陽光発電施設の販売については、固定買取価格の引き下げや優遇税制措置の終了に伴う影響が懸念されるが、利回りに着目した個人富裕層からの投資ニーズは根強く、これまでのノウハウを生かした調達コストの削減や残存者利益を含むスケールメリットの追求により高利回りを確保できる事業モデルを確立し、更なる事業拡大を目指す方針である。弊社でも、デフレ経済からの脱却の遅れなどから、オークション事業の回復には時間を要するものと捉えているが、富裕層マーケティングにおける強みを生かした新規事業の伸びが同社の中期的な成長をけん引するものとみている。また、新たな収益ドライバーとして期待される医療ツーリズムのほか、エネルギー関連事業やアジア戦略においても新たな展開を視野に入れている模様であり、今後の動向が注目される。

■Key Points
・上期決算は計画を下回るが、通期業績予想を据え置き
・オークション関連事業は低調に推移するも、太陽光発電施設の販売が想定を上回るペースで拡大
・来期以降も、太陽光発電施設のほか、新たな収益ドライバーが業績の伸びをけん引する見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《SF》

 提供:フィスコ

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