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2315 CAICAD

東証S
53円
前日比
-2
-3.64%
PTS
54.5円
23:58 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
53.0 3.55 5.22
時価総額 72.4億円
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CAICAD Research Memo(8):「Zaif」とのシナジー創出等により成長加速を目指す


■CAICA DIGITAL<2315>の今後の方向性

1. 今後の方向性
2期目を迎えた中期経営計画については、新サービス提供開始の遅れや暗号資産の相場低迷の影響を受け、計画数値を下回って推移しているが、今後の方向性や「2030年に向けた将来ビジョン」(詳細は後述)に大きな見直しはなく、最終年度(2023年10月期)の計画数値も現時点で据え置いている。すなわち、新しい金融資産である暗号資産、普及拡大が間近に迫ったブロックチェーン(トークンエコノミーを含む)、コロナ禍によりさらに加速するデジタル化を背景として、他社に例を見ない事業基盤を生かし、金融とITをシームレスに統合した新たな「金融プラットフォーマー構想」の実現を目指しており、戦略の軸は、復活に向けて本格的に動き出した「Zaif」を中核とする暗号資産関連ビジネスの拡大にある。特に、カイカ証券との連携を含む新商品の開発や「Zaif」の顧客基盤を活用したマーケティングなど、シナジー創出のポテンシャルは大きい。以下に掲げるグループ戦略の実行により、最終年度(2023年10月期)の計画数値(売上高11,758百万円、営業利益1,810百万円)の達成に向けて、成長を加速させていく考えだ。

2. グループ戦略
(1) ITサービス事業
自社製品(CAICAブランド)の販売を強化し、ソリューション型商品の比率を上げていく戦略である。特に、ブロックチェーンコミュニケーションサービス「Gu-Gu」や、セキュリティ・コンサルティング・サービス、NFTプラットフォームの販売強化などに取り組む。また、SI事業者向け業務効率化プラットフォームのほか、ブロックチェーンを活用した新サービスを順次リリースしていく計画となっている。

(2) 金融サービス事業
各事業の連携により、「Zaif」を中核とする暗号資産関連ビジネスを加速させる戦略である。具体的には、1) 「Zaif」の次世代システムへの移行(機能・処理能力向上)や広告宣伝強化による顧客獲得、2) カイカ証券やNFTプラットフォームとの連携による新サービスの販売強化、3) カイカコインの活用、4) 新商品の投入など、同社ならではの取り組みを事業拡大につなげていく。

3. 2030年に向けた将来ビジョン
「デジタル金融の世界を切り拓く」をスローガンとして、「あらゆる事がデジタル化される未来。中央集権型から分散型(DeFi)へ、業界構造そのものが大きく変革していく金融。CAICAはその変革者になります。」を目指す姿に掲げ、2030年10月期に売上高500億円を目標としている。もっとも、金融とITをシームレスに統合したこれまでにないタイプの事業モデルの構築(金融プラットフォーマー構想)に取り組む方向性に変化はない。すなわち、金融に暗号資産という新概念が登場し、パラダイムシフトの黎明期にあるなかで、新しいプレイヤーが垣根を越えて参入できるチャンスが広がっていることから、金融とITに高度に精通した同社ならではの新しい価値創造を実現していく考えである。中長期的には海外展開や社会インフラ関連ソリューションへの進出も視野に入れているようだ。

4. 弊社による注目点
弊社でも、足元業績に回復の兆しが出てきたことや、外部要因(デジタル化の進展、暗号資産・ブロックチェーンの普及)及び内部要因(「Zaif」とのシナジー創出の進展等)から判断すると、本格的な成長に向けた転換期にあると捉えている。特に、暗号資産やブロックチェーン技術のポテンシャルに対して注目が集まるなかで、他社に先駆けてブロックチェーン技術を活用したFinTech分野に注力し、高い信頼性やセキュリティ機能などが求められる暗号資産交換所システムで実績を積み上げてきた同社には、暗号資産関連ビジネスを展開するうえで大きなアドバンテージがあると見ている。また、金融とITをシームレスに統合した新しいタイプの事業モデルの構築(金融プラットフォーマー構想)に取り組む方向性についても、第一種金融商品取引業であるカイカ証券や暗号資産交換所を自社グループ内に抱えるシステム開発会社という、他に例を見ないユニークな事業基盤を生かせるうえ、暗号資産関連ビジネスを展開するための差別化要因としても期待ができる。当面は、「Zaif」との連携を軌道に乗せ、暗号資産関連ビジネスの拡大に向けた基盤をいかに強化していくのかがポイントとなるだろう。また、長期的視点からは、金融プラットフォーマー構想(トークンエコノミーの構築)やステーブルコインの動きなど、ポテンシャルの大きな分野への展開にも注目したい。短期から中長期まで、デジタル化の潮流に合致した戦略を設定しており、今後の成長期待は大きい。

また、注目されるカイカコインの活用についても、2021年12月20日に公表された「カイカコイン(CICC)」のホワイトペーパーによると、「Zaif」の取引所コインとして様々なサービスへの展開が検討されており、そうなれば、取引所コインとしての価値が高まるとともに、「Zaif」自体の活性化に向けた起爆剤として、同社の業績にも大きく貢献することが想定される。さらに言えば、同社グループが提供する各種金融サービス(例えば、暗号資産レバレッジトラッカー・CFDサービスやレンディングサービス、NFTプラットフォームなど)への活用機会の拡充により、様々な方面での保有者の拡大、流通の促進が図られ、その結果、サービスの差別化とコインの価値向上が相互に働き合う相乗効果が発揮されるシナリオも描くことができるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《YM》

 提供:フィスコ

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