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【特集】勝ちたいなら分散より「集中」、深くて濃い分析でリスク回避

第21回 日本株&アメ株で勝つ人(億り人・バガー投資家・りきさんの場合その2)

登場する銘柄
郵船<9101>、酒井重<6358>、ナブテスコ<6268>、武富士<上場廃止>、日電産<6594>

取材/真弓重孝・富田祥平、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

【タイトル】りきさん(ハンドルネーム・40代・男性・兼業投資家):
大学院を経て海外に留学し、帰国後は大手メーカーに就職。その後は兼業で投資を行い、19年には億り人を達成。株式投資の主軸は割安成長株を信用取引も積極的に活用して長期で保有するスタイル。趣味は20年以上続けているジムでのトレーニング。写真は旅行先のカナダで撮影した湖。

前回記事「その落ち込みに勝機あり、ディープ・バーゲン狙いで資産20倍の技」を読む

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と、下落相場での逆張りを積極的に狙って1000万円から2億5000万円と資産を大きく膨らませたのが兼業投資家のりきさん(ハンドルネーム)だ。

前回は企業の悪材料により極限まで株価が下落した銘柄に注目する「ディープ・バーゲンハンター」というりきさんの一面を紹介した。

一方、りきさんを語るうえでもう1つ欠かせないのが集中投資という側面だ。保有する銘柄を原則4銘柄に絞り、そのなかでも「これは」と思った銘柄に資金を傾斜配分することでリターンをあげてきた。

もちろん、リスクをケアすることも忘れてはいない。悪材料銘柄への投資も、集中投資のリスクを抑えるために行っている対策の一部となる。

今回は割安成長株でリターンをあげているりきさんのもう1つの勝ちワザである集中投資の技術、そしてリスクケアを紹介していこう。

出足は好業績の日本郵船へと集中

直近の集中投資の成功例が海運最大手の日本郵船<9101>の取引だ。今年に入って同社株に資金を大きく振り分け、約1000万円ものリターン獲得に成功している。

同社株に注目したのは、四半期業績が前年同期比で大きく伸びていることが1つ。これに加えて、PER(株価収益率)が2倍台、配当利回りが8%を超える指標面の割安さを評価。また、3月末までの間、配当権利取りを狙った投資資金が流れてくると考えた。

■『株探プレミアム』で確認できる郵船の四半期業績の長期の成長性推移
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加えて、同社株は「値動きの良さ」が魅力でもあることから、大きく下落するタイミングが必ず来ると推測。逆張りがメインの投資スタイルであるりきさんは同社株の「好機」を待つことにしたという。

1月中旬頃に同社株の値動きに目を光らせていると、25~26日にFOMC(連邦公開市場委員会)を控え、全体相場が不安定となったことで同社株も連れ安。株価が下落したいまが「機運到来」と判断し、りきさんは一気に資金を投入して、同社株を買い集めたという。

その後は株価がある程度上昇したことに加え、より割安な銘柄となった銘柄に資産を振り分けようと同社株を3月初旬に売却。約1000万円ものリターンを獲得した。

■郵船の日足チャート(21年12月20~)
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注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


郵船からプライム維持を目指す酒井重工へと鞍替え

この郵船での成功から次に狙いを定めたのがロードローラーなど道路舗装機械専業大手の酒井重工業<6358>だ。魅力となったのは、①技術力に裏打ちされた国内シェアの高さ②プライム維持への取り組み

そもそも同社を知ったのは、21年11月頃に放送されていた「日経ニュースプラス9」(テレビ東京)で注目株として取り上げられていたことがきっかけ。

調べてみると、同社の歴史は古く、道路舗装用のロードローラーを製造したのは1929年。創業からだと100年を超えるロードローラー専業のトップメーカーだった。長年培った技術力を武器に、国内シェアは当時6割を超えていた。

さらに日本製の技術力を武器に早くから海外へも手を広げており、特にコロナ禍では米バイデン大統領が推し進めるインフラ投資政策という上昇気流に乗り北米での売上高が急増、22年3月期第2四半期に発表された数字は前年同期比で+61.5%と絶好調だった。

こうした業績面でのポイントに加え評価したのが②プライム維持への取り組みだ。

■同社のプライム維持基準適合に向けた取り組み
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注:同社より21年12月10日に発表された「上場維持基準適合に向けた計画書」から編集部作成

22年4月から東証は新市場区分を適用し、東証1部はプライムへ、そのほか東証2部、ジャスダック、マザーズはスタンダードとグロースへと再編された。当時は東証1部だった同社もプライム市場へと移行したが、時価総額の点で上場維持基準に抵触しており、自社株買いなどの株価対策を発表していた。

りきさんはこうした同社の取り組みにより、今後は企業価値と比べた割安さが評価されると判断。同社株の保有を決めたという。

保有を始めたのは2月下旬頃となる。前述した郵船のリターンを同社株へと振り分け、取得単価3000円以下で買い集めた。その後4月に同社株を一部売却し、100万円ほどのリターンをさらった。同社株の魅力は継続しており、今後も長期目線で保有していくそうだ。

■酒井重の日足チャート(21年12月20~)
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※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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