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2303 ドーン

東証S
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ドーン Research Memo(6):社会課題解決サービスへの創出やM&A構想を含む新たな中期経営計画を発表


■中長期の成長戦略

ドーン<2303>は、2022年7月に、2023年5月期を初年度とし、2025年5月期を最終年度とする3ヶ年の新中期経営計画を策定した。これまでは地理情報システム(GIS)事業で培った独自技術・ノウハウを最大限に活用しつつ、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全分野向けの各種クラウドサービス(SaaS)を提供し安定成長を達成してきた。今後、さらなる企業価値の向上と持続的な成長を進めるため、社会変化を見据えた新たな中期経営計画を策定し、あわせて企業理念・ビジョンを刷新した。

1. 新たな経営理念、ビジョン
「社会課題に挑戦し新しい価値を創造する」を使命に定めるとともに、この使命を果たす原動力となる大切な価値観として「“なぜ誰も思いつかなかったのか”をカタチに」を掲げ、 ユーザーや社会の新しい課題と真剣に向き合う社員の情熱を表現した。また、当該使命の遂行を通じて目指す姿(ビジョン)として“エッセンシャル カンパニー” を宣言した。未来の人々が安心して暮らせる社会の実現に向け、新世代のクラウドアプリケーションを多角的に提供することで、時代を変える新しい価値を創造し、“社会に必要不可欠な存在”となる決意を込めている。

2. 3年後売上高15.5億円プラスアルファ、将来的に売上高50億円規模を目指す
新中期経営計画の期間は、新たな成長軌道に繋げる創造的進化のための3年間と位置づけている。売上高では2025年5月期に1,550百万円(2022年5月期の1.27倍)、年平均成長率で8.9%成長する計画である。営業利益では、同551百万円(同1.38倍)、年平均成長率で12.5%と利益成長を加速させるプランである。なお、この数値計画にはM&Aや新サービスによる増分は考慮されていないため、既存事業のオーガニックな成長で達成可能な数値と考えられる。ROE(自己資本当期純利益率)に関しては、M&Aなどを行いつつも10%以上を維持したい考えだ。将来的には、売上高で50億円、従業員体制200名規模となり、プライム市場上場基準適合を目指している。

3. 中期経営計画の重点施策
中期経営計画の重点施策は4つに整理されている。
1) Gov-tech市場の深耕:既存事業(自治体・官公庁向けのクラウドサービス等)の成長余地は大きいため、クラウドサービスを中心に成長を図る。
2) 社会課題解決サービスの創出:ハード(センサーや映像機器等)とソフト(同社ソリューションやAI等)の融合により、防災・防犯ソリューションを進化させるため、産官学との連携を一層強化し、新たなサービスの研究・実証実験に取り組む。
3) 社内体制強化・クリエイティブ人財育成:多様な働き方・働きがいを効果的に発信し、IT技術者目線を意識した企業ブランディング向上を図る。社員数は、2022年5月期末の60名体制から2025年5月期には80名体制を目指す。
4) M&A・事業提携:Gov-tech事業の成長加速及び新たな収益基盤となる新規分野(防災techやNSSといった社会課題解決サービス)の獲得に向けたグループシナジーの創出に繋がるM&A・事業提携を積極的に検討する。特にM&Aに関しては、AI領域に知見を有する企業やITエンジニアを有するシステム・アプリ開発企業などが対象となる。

4. 映像通報技術を応用した「Live-X」の用途開発が活発化
これまで、同社のソリューションは主に防災・防犯分野に限られてきたが、映像通話システム「Live-X」に、新しい用途の可能性があることがわかってきた。「Live-X」は、同社が展開する映像通報システム(消防機関向け「Live119」)の技術を応用しており、映像共有によるリアルタイムなコミュニケーションが可能なツールである。画像伝送を求める側が通話相手に専用ウェブサイトを案内し、相手がこれを表示することでビデオ通話が開始される方式を採用しており、専用アプリを事前にダウンロードする必要がなく、簡単な操作で利用できる。リモートでの就労相談(宮崎市)やウェアラブルデバイス(GoPro)を活用した点検作業のライブ中継による業務連絡(大津市)、災害対策本部と災害現場の情報共有(DMaCS-Live)など様々なシーンで活用が始まっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《ST》

 提供:フィスコ

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