極洋 Research Memo（6）：大型設備投資一巡で、有形固定資産の増加は一服

■業績動向

2. 財務状況
極洋<1301>の2017年3月期の財務状況は以下のようになった。流動資産は72,351百万円（前期末比1,924百万円増）となったが、主な増減は、現金及び預金が1,458百万円減、受取手形及び売掛金が4,354百万円増、棚卸資産が171百万円減などであった。一方で、固定資産は25,040百万円（同858百万円増）とほぼ横ばいであったが、のれん償却等により無形固定資産は411百万円減、投資有価証券の増加等により投資その他の資産は1,105百万円増となった。この結果、総資産は97,391百万円（同2,783百万円増）となった。

流動負債は45,195百万円（同4,359百万円増）となったが、主に支払手形及び買掛金の減少1,553百万円、短期借入金の増加4,796百万円などによる。固定負債は、長期借入金が3,401百万円減少したこと等から26,804百万円（同3,902百万円減）となった。その結果、負債合計は72,000百万円（同457百万円増）となった。純資産合計は、主に利益剰余金の増加1,897百万円などにより、25,391百万円（同2,326百万円増）となった。この結果、自己資本比率は25.6%（前期末比1.7ポイント増)となった。

3. キャッシュ・フローの状況
2017年3月期のキャッシュ・フローは以下のようになった。営業活動によるキャッシュ・フローは601百万円の収入（前期は2,689百万円の収入）となった。主な収入は税金等調整前当期純利益3,902百万円、減価償却費1,841百万円、主な支出は売上債権の増加4,792百万円、仕入債務の減少1,241百万円などであった。

投資活動によるキャッシュ・フローは1,998百万円の支出（同5,114百万円の支出）となった。塩釜工場への投資が一段落したことから設備投資が通常のレベルとなり少額の支出となった。

財務活動によるキャッシュ・フローは105百万円の収入（同2,482百万円の収入）となった。主な増減要因としては長期・短期借入金の増加による収入1,376百万円、配当金の支払額による支出525百万円などである。

この結果、現金及び現金同等物は前期末に比べて1,458百万円減少し、期末の同残高は2,572百万円となった。

（執筆：フィスコ客員アナリスト　寺島　昇）

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