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7093 アディッシュ

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自民党総裁選は異例の大混戦、候補者と関連銘柄を緊急リサーチ <株探トップ特集>


―政治とカネの問題・派閥解消で出馬表明相次ぐ、環境・DXなど物色テーマは嵐の様相―

 米国の景気減速懸念が再燃し、4日の東京株式市場で日経平均株価は1638円安となるなど大荒れの様相となった。8月の株価急落の記憶が多くの投資家の脳裏に焼き付いた状況のなかで、9月27日に投開票が予定される自民党総裁選では、「金融所得課税」が争点として浮上しつつある。課税の強化を求める石破茂元幹事長に対し、河野太郎デジタル相や小泉進次郎元環境相などは、現時点では議論をすべきではないとの立場を明らかにしている。

 金融所得課税の強化を訴える候補者が支持を集めることとなった場合、海外投資家からの日本株売りが加速する恐れもあるが、個別株物色に関して言えば話は別となる。世論調査などを通じ、次期総裁となる可能性が高いとみなされた候補者の経歴やその主張を照らし合わせて、関連銘柄が物色されるといったシナリオが見込めるだけに、投資家にとっては超過収益を獲得する好機が到来していると考えることも可能だ。

 今回の自民党総裁選では候補者が乱立し、政治とカネの問題を受けた派閥解消の流れも相まって、誰が新総裁に選出されるのか、現時点で見通すのは困難な情勢となっている。出馬を正式に表明した候補者、また出馬が取り沙汰されている候補者の重点政策などを踏まえつつ、物色が集まる余地が見込めそうな銘柄群を押さえていきたい。

●小泉進次郎氏

 元環境相の小泉氏といえば、レジ袋有料化である。海洋プラスチック汚染対策のほか、循環型社会の構築に貢献する銘柄に注目が集まることとなりそうだ。イタリアメーカーの生分解性プラスチック「Mater-Bi(マタビー)」を日本正規代理店として取り扱うGSIクレオス <8101> [東証P]のほか、エコバッグなどを手掛けて24年8月期は連続最高益の見通しのトランザクション <7818> [東証P]などが候補に挙がることとなるだろう。資源循環事業のエンビプロ・ホールディングス <5698> [東証P]やTREホールディングス <9247> [東証P]、再生樹脂販売のリファインバースグループ <7375> [東証G]、木質系廃材リサイクルのフルハシEPO <9221> [東証S]もマークされそうだ。神奈川地盤の百貨店であるさいか屋 <8254> [東証S]も関連銘柄とされている。

●河野太郎氏

 現在はデジタル相。マイナンバーカードを連想する投資家は多く、行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関連する銘柄がピックアップされることとなるだろう。NTTデータグループ <9613> [東証P]やNEC <6701> [東証P]、富士通 <6702> [東証P]に加え、官公庁向けシステム開発を手掛けるSIGグループ <4386> [東証S]やSAAFホールディングス <1447> [東証G]、フォーカスシステムズ <4662> [東証P]などが候補となるだろう。マイナンバー関連で官公庁向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を手掛けるキャリアリンク <6070> [東証P]なども動意づく余地がありそうだ。

●石破茂氏

 総裁選の出馬表明を地元である鳥取県八頭町の神社で行い、地方創生の重要性をアピールした。「防災省」の創設も訴えている。SBIホールディングス <8473> [東証P]と資本・業務提携をして地方創生事業を展開するチェンジホールディングス <3962> [東証P]のほか、空き家情報プラットフォームのLIFULL <2120> [東証P]、レストラン事業を展開しつつ「食」による地方創生を軸とした不動産開発事業の成長を目指すバルニバービ <3418> [東証G]などに関心が向かう可能性がある。直近ではコメ不足懸念で思惑的な物色が集まった雨風太陽 <5616> [東証G]も関連銘柄に含まれるだろう。防災関連銘柄は消防車両のモリタホールディングス <6455> [東証P]やブルーシートや土のうを製品群に持つ萩原工業 <7856> [東証P]、防火水槽のベルテクスコーポレーション <5290> [東証S]など多岐にわたる。

●高市早苗氏

 岸田内閣で経済安保相を務めているとあって、株式市場ではサイバー攻撃対策に向けたサービスを展開する銘柄群として、FFRIセキュリティ <3692> [東証G]やサイバーセキュリティクラウド <4493> [東証G]、網屋 <4258> [東証G]などが注目されることとなるとの見方がある。科学技術政策も担当しており、宇宙関連の政策実行にも携わったことから、デブリ除去のアストロスケールホールディングス <186A> [東証G]、小型衛星のQPS研究所 <5595> [東証G]、月面開発ベンチャーのispace <9348> [東証G]の反応も注視される。高性能コンピューターのソリューション提供を手掛けるHPCシステムズ <6597> [東証G]、核融合レーザー技術の研究開発を進める浜松ホトニクス <6965> [東証P]、核融合炉研究向け装置を持つ助川電気工業 <7711> [東証S]もマークされることとなりそうだ。

●小林鷹之氏

 今回の総裁選で最も早く出馬を表明した。知名度を課題とするが、小林氏のホームぺージに記載された政策からは、初代の経済安保相だったこともあって、経済安保を重要視する姿勢が見受けられる。国策として進められた「政府クラウド」提供事業者のさくらインターネット <3778> [東証P]のほか、サプライチェーン解析ソリューションのFRONTEO <2158> [東証G]などが関連株となるとの見方がある。 メタンハイドレート レアアースなど海底資源の開発推進を自身の重点政策に掲げており、三井海洋開発 <6269> [東証P]や応用地質 <9755> [東証P]、鉱研工業 <6297> [東証S]なども押さえておきたい。

●上川陽子氏

 岸田内閣で外相を務める国際派だが、男女共同参画社会の実現に重点的に取り組んできたことでも知られている。関連する銘柄には、出産や育児に関するアプリを企画するカラダノート <4014> [東証G]や、女性医療領域で多種多様な医薬品を持つあすか製薬ホールディングス <4886> [東証P]、後発薬メーカーの富士製薬工業 <4554> [東証P]などがある。子育て支援大手のJPホールディングス <2749> [東証P]や人材サービスとともに保育・介護事業を展開するライク <2462> [東証P]、認可保育所のグローバルキッズCOMPANY <6189> [東証S]も物色される可能性がある。

●茂木敏充氏

 外相、経済再生相、経産相などを歴任し現在は自民党幹事長。 ライドシェアの推進やスタートアップ支援に積極的な姿勢を示してきた。子会社でカープール型ライドシェアサービスを運営するアディッシュ <7093> [東証G]や、タクシー向け管理システムを提供するFIG <4392> [東証P]、法人向け通信機能付きAIドライブレコーダーを提供するアプリックス <3727> [東証G]が関連銘柄となるほか、ベンチャーキャピタルのジャフコ グループ <8595> [東証P]やドリームインキュベータ <4310> [東証P]、流動性は低いがスタートアップ向け人材紹介のフォースタートアップス <7089> [東証G]も注視したい。

●加藤勝信氏

 元内閣官房長官。財務官僚を経て政治家に転じ、年金政策を担う厚労相を経験した。直近では日銀の金融政策の正常化について自然の流れとする認識を示しており、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]などメガバンクのほか、地盤とする岡山県のちゅうぎんフィナンシャルグループ <5832> [東証P]など地銀株がマークされることとなりそうだ。再生医療の推進に向けて積極的に取り組んできた経緯から、タカラバイオ <4974> [東証P]のほか、サンバイオ <4592> [東証G]などバイオベンチャーに物色の矛先が向かう可能性もあるだろう。

●林芳正氏

 防衛相、農相、文科相、外相を歴任し、現在は官房長官。日中友好議員連盟の会長を務めた経験を持つ。「知中派」とされる林氏が勝利を収めることとなれば、ファナック <6954> [東証P]やオムロン <6645> [東証P]などFA(ファクトリーオートメーション)関連や、ツガミ <6101> [東証P]など機械セクター、ユニ・チャーム <8113> [東証P]やピジョン <7956> [東証P]など中国内需関連などに思惑的な物色が広がるシナリオが見込める。日中間の人的交流が加速することによるインバウンド需要の押し上げ効果への期待が高まれば、HANATOUR JAPAN <6561> [東証G]やコメ兵ホールディングス <2780> [東証S]のほか、中国人投資家向け不動産販売のASIAN STAR <8946> [東証S]などが物色対象として浮上しそうだ。

●野田聖子氏

 総務相などを歴任。上川氏と同様に、女性活躍や少子化対策に関連する銘柄群がマークされることとなるだろう。小泉政権時に郵政民営化に反対して離党した過去があり、「郵便局フレンドリー」な政策を遂行するとの期待をもとに日本郵政 <6178> [東証P]が物色されるとみる向きも市場にはあるようだ。医療的ケア児の長男を支え続け、支援法の成立に携わってきたことから、人工呼吸器のフクダ電子 <6960> [東証S]や日本光電 <6849> [東証P]や、カテーテルのテルモ <4543> [東証P]などを注視しておきたい。

●斎藤健氏

 現在経産相。経産官僚出身だがTPP交渉時に農政通となり、農業の6次産業化の重要性などを過去に訴えている。スマート農業関連として、サカタのタネ <1377> [東証P]のほか、OATアグリオ <4979> [東証S]などに思惑的な物色が広がりそうだ。経産相となって地域の書店の活性化に向けた政策に積極的に取り組んでいるとあって、丸善CHIホールディングス <3159> [東証S]や三洋堂ホールディングス <3058> [東証S]、文教堂グループホールディングス <9978> [東証S]などがスポットライトを浴びる可能性もある。

●青山繁晴氏

 元共同通信記者。ホームページ上では8つの重点政策が記載されており、メタンハイドレートやレアアースなど「日本の海の自前資源の実用化」や、「日本の農産物を世界に広め、食料自給も確立」することなどが含まれている。前述の三井海洋などのほか、日本産青果物の輸出などを手掛ける西本Wismettacホールディングス <9260> [東証P]も関連銘柄に含まれることとなりそうだ。

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