タキロンシーアイ---1Q増収・2ケタ増益、建築資材・シビル事業およびフィルム事業の利益が順調に推移
タキロンシーアイ<4215>は5日、2025年3月期第1四半期(24年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比1.1%増の348.28億円、営業利益が同98.3%増の21.14億円、経常利益が同75.1%増の21.64億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同56.5%増の13.84億円となった。
建築資材・シビル事業セグメントの売上高は前年同期比4.3%増の164.47億円、営業利益は同97.5%増の14.00億円となった。住設建材事業は、新設住宅着工戸数の減少に加え、建設資材高騰による設備投資減少の影響を受け、住宅・非住宅物件への販売が低調に推移したが、採光建材において兵庫県で発生した降雹被害復旧対応の需要により、事業全体では増収となった。床・建装事業は、国内マンション改修物件への床材の販売が堅調に推移した。また、建装資材においても北米・中国向け販売が回復基調となり、事業全体では増収となった。シビル事業は、土木シート・シールドは堅調に推移したものの、ハウエル管の納入が一部繰越しになったことや産業資材製品の不調をカバーできず、事業全体では減収となった。
高機能材事業セグメントの売上高は同8.5%減の42.30億円、営業利益は同67.5%減の1.61億円となった。高機能材事業は、眼鏡フレーム用アセテート板の販売は、国内外のブランドメーカーからの引き合いが引き続き旺盛で堅調に推移したが、半導体メーカーの設備投資抑制が継続し、製造装置向け工業用プレート、エンプラ材は低調に推移し、事業全体では減収となった。
フィルム事業セグメントの売上高は同1.2%減の131.03億円、営業利益は4.61億円(前年同期は1.06億円の損失)となった。アグリ事業は、牧草用資材が堅調に推移したものの、大型ハウス物件が少なく、また主力の農業用フィルムや肥料をはじめとした農業資材全般が低調に推移したため、事業全体では減収となった。包材事業は、主力の北米市場での需要が戻りつつあり、シュリンクフィルムは増収となった。また、ジッパーテープも国内向け、欧州・アジアを中心とした海外向け共に堅調に推移し、事業全体では増収となった。
2025年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比5.4%増の1,450.00億円、営業利益が同22.0%増の76.00億円、経常利益が同16.9%増の76.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.7%増の56.00億円とする期初計画を据え置いている。
同日、同社の親会社である伊藤忠商事<8001>が100%を出資する合同会社APIによる同社普通株式に対する公開買付けが開始されることを踏まえて、2025年3月期の配当予想を修正し、2025年3月期の中間及び期末配当を行わないことを発表した。
《SI》
提供:フィスコ