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6557 AIAIグループ

東証G
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AIAI Research Memo(5):AIAI NURSERYは開設後3~4年目から収益化


■AIAIグループ<6557>の事業概要

3. 収益特性
認可保育園の収益特性としては一般的に、新規施設開設時は初期費用や採用費用などの立ち上げ費用が先行し、開設後数年間は高年齢クラス(3歳~5歳)が定員を満たさないため、低在籍数・低在籍率で赤字となる傾向にある。しかし開設後の年数経過とともに低年齢クラス(0歳~2歳)の児童が進級を重ねることにより、高年齢クラスの在籍数が増加し、在籍率も上昇して売上高、売上総利益も増加する。開設後3~4年目以降になると在籍数増加・在籍率上昇によって収益化(黒字化)すると言われている。

また四半期別に見ると、認可保育園は4月1日オープンが原則のため、オープン前後の1-3月期及び4-6月期に新規施設開設関連費用が増加して経費率が上昇するが、その後7-9月期及び10-12月期にかけては在籍数増加や在籍率上昇に伴って経費率が低下する。また、各自治体からの設備補助金収入については、収入額の増減や計上時期のズレなどで収益変動要因となることがある。

同社はこれまで、収益基盤構築に向けて積極開設を推進してきたため戦略的に費用が先行して営業赤字が継続していたが、今後は新規開設ペースが落ち着いてくるとともに既存施設の収益化が進展し、収益化した既存施設の比率上昇により全体として安定的な利益を確保する見込みとしている。

なおAIAI NURSERY全施設合計の充足率(稼働率)は、新規施設開設(原則として4月1日)に伴って定員数が増加するため一時的に低下するが、その後の受入児童数増加に伴って全体の充足率も上昇基調となる。直近の2022年10月~2023年9月の全体の月別園児数及び充足率の推移を見ると、2023年4月は新規5施設開設に伴って園児数が増加したものの、定員数増加に伴って充足率が低下した。しかし、その後は園児数増加に伴って充足率も上昇基調となっている。

AIAI PLUSの収益特性としては、AIAI NURSERYと同じ建物で運営できるケースもあり、AIAI NURSERYに比べて投資額を抑えられることに加え、AIAI NURSERYとの併設によるシナジー効果で集客力や採用力の強化、戦略的な人員配置などにつながるメリットなどもある。さらにAIAI NURSERYは4月1日オープンを原則とするが、AIAI PLUSはオープン時期を自由に設定できるという柔軟性もあることなどから、AIAI PLUSはAIAI NURSERYに比べて早期の収益化が期待できるという特徴がある。


発達障害児童数増加や政府の「異次元少子化対策」などにより事業環境は良好
4. リスク要因と対策・課題
保育・介護分野における一般的なリスク要因としては、利用者の減少、国や自治体による政策変更、関連法規制や許認可、施設における事故や感染症、保育士の確保難、競合激化などが挙げられる。

保育分野においては待機児童問題の解消が進み、今後は利用者減少によって競争激化や採算性低下も想定されている。しかし、保育園の待機児童問題が解消に向かう一方で発達障害児童数が増加傾向という事業環境の変化もあり、引き続き女性の就業率上昇に伴う保育園・多機能施設利用ニーズの高まり、政府によるこども家庭庁創設(2023年4月発足)や「異次元の少子化対策」などが後押し要因となり、事業環境は概ね良好に推移すると弊社では考えている。

なお政府の少子化対策及び幼児教育・保育の質的向上対策として、親の就労を問わず生後6ヶ月から2歳を対象に誰でも保育を利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」の開始、保育士配置基準における対人数の変更、出産を機に退職した親が再就職する際に子どもを保育所に預けやすくする保育所「入所予約枠」制度の開始、これまで特別区で運用していた地域限定保育士の全国運用の開始、保育士不足緩和に向けた保育補助者支援金の有資格者への拡大など、2024年度から保育政策が大きく転換する見込みとなっている。

同社は千葉県を中心とするドミナント戦略などを推進し、保育分野にとどまらず、需要が高まっている未就学児の療育の分野においても豊富なノウハウと実績を有するなど競合優位性を維持している。そして今後は、事業環境の変化に対応して、AIAI PLUSにおける保育所等訪問支援サービスの拡大など新たなビジネスモデル構築を推進する方針としている。2024年度からの保育政策変更も、競合優位性を発揮してビジネスチャンス拡大につながる可能性があるだろうと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SO》

 提供:フィスコ

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