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2384 SBSホールディングス

東証P
2,365円
前日比
-1
-0.04%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.4 1.10 2.96 23.89
時価総額 939億円
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SBSHD Research Memo(6):料金改定や新規顧客の開拓に注力することで通期業績計画の達成を目指す


■業績動向

4. 2023年12月期の業績見通し
SBSホールディングス<2384>の2023年12月期の連結業績は、売上高で前期比0.3%増の457,000百万円、営業利益で同4.4%増の22,800百万円、経常利益で同4.2%増の22,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.3%増の12,000百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で48.7%、営業利益で62.5%と順調に進捗しているように見えるが、不動産事業の寄与が大きい。物価上昇や金利上昇に伴う個人消費並びに企業の投資マインド低下、中国経済の成長鈍化の影響等により第3四半期に入っても海外物流の低迷が続いているもようで、通期計画の達成に向けては国内物流事業の動向が鍵を握ることになる。同社は下期も国内物流に関してグループ会社の状況に応じて料金改定を進めるほか、新規顧客の獲得強化並びにコスト削減に取り組むことで海外事業の落ち込みをカバーしたい考えだ。仮に2023年12月期業績が計画に届かなかったとしても、これら施策の効果は2024年12月期に顕在化し、業績も成長軌道に復帰する可能性が高いと弊社では見ている。

期初計画では、営業利益で前期比約10億円の増益を計画している。主な増益要因としては国内物流事業の増収効果、不動産事業の増益、一過性の費用剥落、のれん償却費の減少を見込んでいる。一方、減益要因としては海外物流事業の減収、本社費用の増加(運営費、賃借料、LT関連の投資費用等)、PMI費用、物流事業のうち新型コロナウイルス感染症関連の特別案件終了による影響等を見込んでいる。なお、為替前提レートは133円/米ドル(前期実績131.4円/米ドル)としている。

(1) 物流事業
物流事業の売上高は前期比微増の433,500百万円、営業利益は同0.5%増の15,500百万円を計画している。海上・航空運賃の下落によって海外物流事業で200億円程度の減収を想定し、国内3PL及びEC物流事業の拡大等でカバーする計画であったが、パソコンやスマートフォン等を中心にエレクトロニクス製品の需要低迷が長期化するなかで、SBS東芝ロジスティクスが取り扱う半導体、家電製品の物量が想定を下回って推移しており、下振れ懸念が残る。

こうした状況下で、同社では挽回策として、ドライバーの賃金や光熱費の上昇に対応した料金改定をグループ会社それぞれの状況に応じて進めているほか、新規顧客の開拓強化及びコスト削減に取り組むことで計画の達成を目指している。人材不足への対応として、ドライバーに関しては賃金アップ、庫内作業スタッフ向けに日払いシステムを自社開発するなどし、雇用競争力を高めていこうとしている。

新規顧客の開拓では、SBS東芝ロジスティクスで2023年より新たに営業開発本部を約20人で立ち上げ、本格的な取り組みを開始しており、既に東芝グループ以外のメーカーからの新規受注を獲得するなど成果も出始めている。このため、今後は同組織を50人規模まで増員し、新規顧客の開拓を一段と強化していくことにしている。こうした取り組みに関しては、SBS東芝ロジスティクスよりも2年早くグループ入りしたSBSリコーロジスティクスが踏襲してきた道であり、実際に新規顧客の獲得が進んだことで同社の売上規模は2019年以降、3年間で1.5倍弱に拡大した。SBS東芝ロジスティクスについても品質については折り紙付きであることから、新規開拓営業を強化することで国内売上を中期的に拡大していく余地は十分にあると弊社では見ている。

(2) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比6.5%増の14,300百万円、営業利益は同19.4%増の7,500百万円を見込む。営業利益の第2四半期までの進捗率は98.3%となっており、下期は不動産流動化案件が無いものの賃貸収入が計上されることを考えれば、若干の上振れ余地があると弊社では見ている。なお、同社は2024年12月期第1四半期に「新杉田物流センター」(神奈川県)を流動化し、売却益約60億円を計上する見込みであることを2023年8月に発表している。

(3) その他事業
その他事業の売上高は前期比5.0%増の9,200百万円、営業利益は同25.5%減の300百万円を見込む。第2四半期までの進捗率は売上高で48.9%、営業利益で66.3%と順調に推移しており、減益ではあるものの利益ベースでは計画を達成できる見通しだ。太陽光発電事業は横ばいとなるが、マーケティング事業や人材派遣事業、環境他事業で増収を見込む。利益面では人材投資等によるコスト増加が減益要因となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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