貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6326 クボタ

東証P
1,909.5円
前日比
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PTS
1,920.3円
23:58 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.9 0.95 2.62 6.90
時価総額 22,468億円
比較される銘柄
コマツ, 
日立建機, 
三菱重

銘柄ニュース

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配当を軸に銘柄を選んでいるのに、大化け株もゲットする技

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 MaCDOさんの場合-第1回

登場する銘柄
ヤマシンフィルタ<6240>、クボタ<6326>、ブリヂストン<5108>

編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)

■MaCDOさん(50代・男性・兼業投資家)のプロフィール:
1993年にJR東日本のIPO(新規株式公開)に申し込んだのをきっかけに株式投資を始め、2000年頃から本格的に取り組み始める。個別株投資では、配当重視で銘柄を選び、その一環で2000年代半ば以降、アメ株とタイ株もポートフォリオに加えていく。長期分散投資が軸で、日本株の足元の保有銘柄は50ほどになる。大学教員で会計分野に詳しい。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。

「配当狙い」と言うと、業績の安定する大型の成熟企業に注目する姿が真っ先に浮かぶ。だがそれはある種のステレオタイプの見方であることを教えてくれるのが、今回登場するMaCDOさん(ハンドルネーム、以下マックさん)だ。

本人が30年の投資歴の中で貫いてきたのは、配当から企業の成長可能性を図り、成長力が見込めそうな銘柄に、長期保有を前提に分散投資するスタイルだ。足元の資産は、累計元本から5倍ほどに膨らんだ1億5000万円に達している。

配当から企業の成長力を図る理由は後ほど触れるとして、成長重視で銘柄を選んだ結果、保有時点の時価総額は100億円に満たない超小型株もあれば、時価総額が1兆円を超える大型株とさまざま。その中には、時価総額の多寡に関わらず、株価が2倍や5倍、さらには10倍になった大化け株も登場している。

配当に注目した成長株への分散投資で大化け株を掴みながら資産を5倍に増やした秘訣を、3回に分けて紹介する。初回は、日本株の銘柄選びの着眼点について触れていく。

■MaCDOさんのポートフォリオ
【タイトル】

狙いは"配当バリュー株"、銘柄選別では定性面に着目

マックさんは、自身の投資スタイルを「バリュー重視」とする。バリュー投資というと、潜在的な収益力を基準にする「収益バリュー」と、足元の実質的な資産価値を基準にする「資産バリュー」が一般的だ。

マックさんの場合は、収益バリューに注目した割安成長株を狙う。ただ、割安ないし成長力の判断に、なによりも配当を重視する点が特徴だ。

配当に注目するのは、一度実施すると減配しにくいことから、経営陣の業績に対する自信の表れと捉えているからだ。

その配当額が、今後の業績の成長に伴って高まっていくと期待できるならば、現在の配当水準は割安、つまり"配当バリュー"の状態と評価する。

配当利回りは4%以上を理想としているが、あくまでも目安で、利回りよりも配当が長期的に増えていくかを重視する。

そんなマックさんの配当バリュー投資は、大きく2つのパターンがある。1つは、業績の成長可能性という定性面のみに注目する場合と、もう1つは、定性面に加えて定量面でふるいをかける場合だ。

今回見ていくのは、定性面のみで選別するパターンになる。ここで注目する要素は、

・世の中のニーズが減退しない製品、サービスを扱っている
・その分野で業界首位ないし競争優位のポジションを築いている

――の2つになる。業績成長の伴わない増配には、持続性を見い出し難いからだ。

大化けその1~ヤマシンフィルタ<6240>は一時、10倍株に
中国で鉱山開発が加速→建機需要が拡大→消耗品に好機の連想が奏功

保有銘柄の中で、一時テンバガー化したことがあるのが、建設機械用のフィルターを製造・販売するヤマシンフィルタ<6240>(以下ヤマシン)だ。

2016年頃に購入し、17~18年にかけて株価が買値の10倍以上に膨らんだ(下のチャート)。足元では株価の下落で含み益は縮小したものの、買値の3倍近い水準を維持している。

■ヤマシンフィルタの月足チャート(2014年10月~)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


同社株に注目したのは、当時の報道で中国の鉱山開発が活発化し、建機の需要が長期的に拡大することを知ったのが始まりだ。

このニュースから連想したのが、建機需要の拡大で潤う銘柄はどこか。建機メーカーはその筆頭だが、誰もが思い浮かぶ銘柄よりも「関連銘柄に妙味あり」というのが株式投資のある種の経験則だ。

1800年代の米国のゴールドラッシュでは、実際に金を採掘する人より、道具のスコップを売った人の方が儲けたと言われている。最近では生成AI(人工知能)で、サービスを手掛けるマイクロソフト<MSFT>より、サービスに必要なGPU(画像処理半導体)の開発を手掛けるエヌビディア<NVDA>の株価モメンタムが強かった。

マックさんが建機の関連銘柄を探す中で、注目したのがヤマシンだった。その理由は主に2つあった。

1つは、同社の主力製品が、消耗品の建機向け油圧フィルターであること。油圧フィルターは、建機を動かすと生じる作業油を除去および濾過(ろか)するのに使われる。建機を使用するのに不可欠な製品で、消耗すれば交換需要が発生する。この安定感が長期保有の安心材料となった。

もう1つが、ヤマシンの油圧フィルターは世界トップシェアを握っていることだ。同社の推計によれば、油圧フィルターのシェアは世界で50%、国内では70%としている。その競争力があれば今後も順調に需要を取り込み、結果として配当も安定すると考えている。

マックさんが同社株に投資した後、中国の特需は17年3月期、18年3月期の業績に具現化している。17年末から18年初頭にかけて株価が高騰したのは、この業績モメンタムの強さに反応した形だ。

本来の目的である配当収入も増えている。1株当たりの実質的な配当額は、16年3月期から19年3月期にかけて2円から6円と3倍に上がり、この水準は現在も持続している(下の棒グラフ)。

■ヤマシンフィルタの1株当たり実質配当額の推移(年間)
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出所:QUICK・ファクトセット

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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