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【特集】ソフトバンク絡みのイベントで全力集中買い、その成功の秘訣とは

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 PGNさんの場合-第3回

登場する銘柄
イー・アクセス(上場廃止)、SBG<9984>、ファースト・リパブリック・バンク、ウエスタン・アライアンス・バンコーポレーション<WAL>、パックウェスト・バンコープ<WAL>、日本レジデンシャル投資法人<上場廃止>、日本コマーシャル投資法人<上場廃止>

編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)

■PGN(ペン銀)さん(ハンドルネーム・40代・男性)のプロフィール:
兼業投資家。1990年代後半、高校生の時代から40万円を元手に株式投資を開始する。以降、大学生時代にはITバブル崩壊で一時は3億円にまで増やした運用資産を1000万円にまで凹ませるも、その後に2012年のイー・アクセスの投資で億り人目前まで到達へ。現在の累積リターンは10億円を超える。投資スタイルは、「一度普及したら後戻りしない需要」「世界に通じるブランド力」を持つグロース株を狙う。ビジネス誌などの特集記事をヒントに、光る企業を見つけていく。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「グロース重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。

第1回『40万円→3億円→1000万円の激動から10億円にしたサラリーマン投資家』を読む
第2回『昨年のダブスコ祭り、9月の暴落前に売り抜けて3億円を稼いだ必然とは』を読む

「興味を持ったことには突っ込みます」

X(旧ツイッター)でそう自己紹介するPGNさん(ハンドルネーム)は、3億円に膨らんだ資産を一時1000万円に凹ませながらも、再び億り人に復活し、さらに"十億り人"にまで昇格する。

復活劇の支えとなったのが、「行けるぞ」と思った時には、とことん突っ込んでいく姿勢だ。業績ファーストで有望銘柄を探し、潜在的な企業価値と足元の株価に乖離が出たところで勝負をかける。

このやり方を確立させるきっかけになったのが2012年に手掛けたイー・アクセス(上場廃止)への投資だった。今回は、その詳細を追っていく。

■PGNさんのX(旧ツイッター)のトップ画面
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レバかけ集中投資で強気攻め

イー・アクセスは、通信サービスを手掛け、2003年に当時の東証マザーズにIPO(新規株式公開)後、13年2月に株式交換の形で現在のソフトバンクグループ<9984>の完全子会社となった企業だ。この経営統合を遂げるまでの道のりで、イー・アクセス株は約5倍に跳ね上がる。

PGNさんはこの5倍化の動きに乗ることができた。しかも、レバレッジを効かせて集中投資したことで、約8000万円のリターンを稼ぐことに成功する。

常にフルインベストメントのPGNさんは、「ここぞ」という時にのみレバを効かせる。イー・アクセスのケースは、千載一遇のチャンスが訪れたと判断した。

■イー・アクセスの月足チャート(2009年12月~12年12月)
【タイトル】

出所:QUICK・ファクトセット


ファンダと需給で好材料

PGNさんがイー・アクセスに初めて買いを入れたのは2012年6月、株価が1万5000円台だった頃だ。もともと、注目したのは、同社のモバイルデータ通信事業が加速する可能性が見えたことだ。

イー・アクセスは2000年代後半から子会社を通して、携帯電話を使い、外出先でもパソコンでデータ通信ができるサービスや、通信速度の高速化にも力を入れていた。

PGNさんは、同社の提供するサービスはビジネスマンを中心に普及し、一度使ったらその便利さから利用され続けるだろうと見ていた。当時は、今で言うガラケー端末そのものでデータ通信はできたが、パソコンと比べると操作性や表示力の面で劣っていた。

そうした中、PGNさんはイー・アクセスが当時最先端だった4G(第4世代移動通信システム)の回線も保有していたことも注目する。この頃からアップル<AAPL>のスマートフォン、「iPhone」の登場でデータ通信需要が拡大していくと見られ、高速通信ができる4G回線を持つ同社は追い風を受けると判断した。

着目した時期は、配当利回りが5~6%台だったこともあり、購入後に株価がすぐに上がらなくても、インカムゲインを得ながら、イー・アクセスの本領が発揮される時期まで待てばいいとも考えた。

加えて、特に期待感を膨らませた材料として、同社の大株主の存在に注目していたことがある。その期待を強めたのが、この頃のイー・アクセスが行った独特の販促キャンペーンだった。

そのキャンペーンとは、「新規に1回線契約すると、2回線目と3回線目の利用料を実質無料にする」というようなものだった。こんなふうに契約者の拡大に躍起になって取り組むのは、おそらく大株主の存在を意識してのことだろうと、PGNさんは踏んだのだ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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