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【特集】いつ上がるか不明→常にフルポジ、無知にならない→集中投資

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 PGNさんの場合-最終回

登場する銘柄
今回はなし

編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)

■PGN(ペン銀)さん(ハンドルネーム・40代・男性)のプロフィール:
兼業投資家。1990年代後半、高校生の時代から40万円を元手に株式投資を開始する。以降、大学生時代にはITバブル崩壊で一時は3億円にまで増やした運用資産を1000万円にまで凹ませるも、その後に2012年のイー・アクセスの投資で億り人目前まで到達へ。現在の累積リターンは10億円を超える。投資スタイルは、「一度普及したら後戻りしない需要」「世界に通じるブランド力」を持つグロース株を狙う。ビジネス誌などの特集記事をヒントに、光る企業を見つけていく。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「グロース重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。

第1回『40万円→3億円→1000万円の激動から10億円にしたサラリーマン投資家』を読む
第2回『昨年のダブスコ祭り、9月の暴落前に売り抜けて3億円を稼いだ必然とは』を読む
第3回『ソフトバンク絡みのイベントで全力集中買い、その成功の秘訣とは』を読む

約27年でリターンを10億円に積み上げたPGNさん(ハンドルネーム)は、その好成績の背景には、常にフルインベストメントかつ集中投資で攻めたことがある。2008年のリーマン・ショック時、市場がリスクオフムード一色だった時期でさえも、それを貫いた。

集中投資のフルポジ戦略だと、昨今のようなボラティリティ(株価の変動)が高い相場環境では、自分の年収の何倍もの数千万円規模の凹みを食らうこともしばしばある。

こんな高リスクと背中合わせになりつつも、フルポジ&集中投資で向かい続けるのはなぜか。シリーズ最終回は、PGNさんのポートフォリオの考え方やその背景を見ていく。

銘柄入れ替えは優先度低いものから高いものへ

「打診買い? そうした発想はないんですよ」

そう話すPGNさんは、運用資金は常に、個別株に100%投資の状態とする。保有する主力銘柄は、最大でも5銘柄前後。時には、3回目記事で紹介したイー・アクセス(現 ソフトバンクグループ<9984>)のように、資産形成の時期は1点買いで攻めることもあった。

集中するのは、保有する銘柄が多すぎると、それぞれの銘柄にどこに強みや課題があるのかを把握できなくなり、言ってみれば自分を無知の状態にさせてしまうからだ。

そうならないために、PGNさんは集中投資にこだわっている。足元では、これまでの記事で紹介した日本リビング保証<7320>やダブル・スコープ<6619>などに配分している。

■PGNさんが愛読する「バフェット本」にある集中投資に関する箇所
【タイトル】

常にフルポジ状態のため、銘柄入れ替えは、今の保有銘柄より魅力的なものが出れば、入れ替える要領で行ってきた。

例えば、前回紹介したイー・アクセス株で得た売却益は、その時点で有望視していた良品計画<7453>の購入に振り向けた。入れ替える先は、監視を続けて有望と思ったものになるので、「試し買い」という選択肢は取らないのだ。

遊んでいる状態の現金は原則ないため、突発的に買いたい銘柄が登場した時は、信用取引を利用して買い出動していく。レバをかけている時に、コロナ暴落のようにショックが襲えば、時に自分の年収の何年分にもなる金額が溶けてしまう。

その状況にメンタルが影響されないことはない。だが「あなたが売った、そこが底」と良く言われるフレーズを思い出しながら、狼狽売りは避け、狙っている銘柄が安く買える絶好の機会と心を前向きにして乗り越えている。

好機を逃さないため常に市場に居続ける

PGNさんがフルポジを続けるのは、株価が大きく上昇するチャンスを逃したくないという思いがある。

「長期間で見た場合に、株式で大きく儲けることができた時期は、ごく限られた期間にほぼ収まっている」。これは、ある米国のカリスマ投資家の言葉を要約したものだ。そのPGNさんは、そのカリスマを参考に、自分のスタイルを築いた。

このカリスマの言葉は、換言すれば長期で保有していれば、その多くはパッとしない期間ということになる。肝心なのは、大きく儲けの出る限られた時期がいつなのかを、誰も的確には見極められないことだ。

それならば、フルポジで常に相場に居続けて、投資先の企業が成長軌道に乗る時期を逃さない体制を整えておく。その方が賢明だと、判断しているのだ。

■PGNさんの投資スタイル確立までに参考にした愛読書
【タイトル】
撮影:本人

投資資金は数字に過ぎない

これらの判断に加え、PGNさんがリスクのあるフルポジ&集中投資戦略を継続できているのは、「数字」と「現金」を分けて見ていることがある。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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