今週の【早わかり株式市況】8週続伸、売り物こなしバブル後高値を更新
■今週の相場ポイント
1.日経平均は8週連続上昇、バブル後高値更新
2.半導体関連株中心に買われ、底堅い相場展開
3.中国景気の減速懸念が台頭、アジア株全面安
4.水曜のプライム売買代金は最高、リバランスで
5.米債務法案が上下院で可決、デフォルト回避へ
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比607円(2.0%)高の3万1524円と、8週連続で上昇した。
今週も引き続き上値追い基調を維持した。週半ばにリスクオフムードが高まる場面があったものの、売り物をこなし週末にかけて上昇。日経平均はバブル後の高値圏を突き進んだ。
週明け29日(月)の東京株式市場は前週後半の流れを引き継ぎ、リスク選好の地合いが続いた。為替市場で円安が進むなか、輸出セクターを中心に上昇。日経平均は約33年ぶりのバブル崩壊後高値を更新した。30日(火)も底堅い相場展開で続伸。前日の米国株市場がメモリアルデーで休場だったため、やや手掛かり材料難のなか日経平均は朝方小安く始まった。ただ、指数寄与度の高い半導体関連株を中心に次第に買われ、プラス圏に浮上。前日に続きバブル後高値を更新した。一転、31日(水)は利食い急ぎの動きが加速した。米国の債務上限問題を巡る米議会での採決を前に警戒感が高まったほか、場中に発表された中国の経済指標を受けて景気減速懸念が台頭。アジア株が全面安商状に売られ、投資家心理を冷やした。この日の東証プライムの売買代金は、機関投資家などによるリバランスの影響で7兆円近くに急増。1日の売買代金として過去最高を更新した。月が替わって6月1日(木)は買い戻しが入り、日経平均は反発。前日の欧米株安を受けて東京市場も軟調地合いが予想されたものの、主力株中心に押し目買いが活発だった。場中に米下院で債務上限法案が可決されたことが伝わった。2日(金)も上昇。米債務法案が上院でも可決され、デフォルトが回避される見通しとなった。積極的な買いが流入し、日経平均は再びバブル後高値を更新してこの週の取引を終えた。
■来週のポイント
来週も堅調な展開が予想されるが、日経平均は年初から5800円も上昇しているだけに、これ以上の水準を目指すには日柄調整も必要となると思われる。逆に調整するならば買い場となるだろう。今週のマザーズ指数は4.4%の上昇と、中小型株にも買いが波及している様子が見られた。安値放置されている銘柄や好業績企業の押し目を狙うなどの戦略が有効になりそうだ。
重要イベントとしては、国内では7日に発表される4月景気動向指数、9日のメジャーSQが注目される。海外では、5日に発表される中国5月財新サービス業PMI、米国5月ISM非製造業PMI、7日発表の中国5月貿易収支、9日に発表される中国5月の消費者物価指数と生産者物価指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(5月29日~6月2日)
【↑】 5月29日(月)―― 3日続伸、欧米株高や円安で約33年ぶりの高値
日経平均 31233.54( +317.23) 売買高11億9414万株 売買代金 3兆5095億円
【↑】 5月30日(火)―― 4日続伸、値がさ株が買われ連日のバブル後高値
日経平均 31328.16( +94.62) 売買高11億1540万株 売買代金 3兆0194億円
【↓】 5月31日(水)―― 5日ぶり反落、中国の景気減速懸念で売り優勢
日経平均 30887.88( -440.28) 売買高25億8648万株 売買代金 6兆9552億円
【↑】 6月 1日(木)―― 反発、主力株を中心に押し目買いが優勢
日経平均 31148.01( +260.13) 売買高13億8403万株 売買代金 3兆5971億円
【↑】 6月 2日(金)―― 続伸、出遅れ大型株などが買われバブル後高値
日経平均 31524.22( +376.21) 売買高13億4221万株 売買代金 3兆5210億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、24業種が値上がり
(2)ハイテク・半導体が牽引しHOYA <7741> など精密機器が上昇率トップ
(3)輸出株はトヨタ <7203> など自動車、アドテスト <6857> など電機、ダイキン <6367> など機械も軒並み上昇
(4)内需株はまちまち。三井不 <8801> など不動産、ソフトバンクG <9984> など情報通信は大きく買われたが、
JR東日本 <9020> など陸運、大成建 <1801> など建設は売られた
(5)三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険、クレセゾン <8253> などその他金融といった金融株も全面高
(6)下落率トップはSUMCO <3436> など金属製品
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) 半導体
2(6) 人工知能 ── エヌビディア効果で注目度急上昇
3(4) 生成AI
4(2) 半導体製造装置
5(5) インバウンド
※カッコは前週の順位
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