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2375 ギグワークス

東証S
303円
前日比
-3
-0.98%
PTS
302.6円
14:12 11/27
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
70.8 2.11 1.65 712
時価総額 67.0億円
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決算発表予定日

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ギグワークス Research Memo(1):2022年10月期は8期連続で最高売上高を更新


■要約

ギグワークス<2375>は、10万人を超える登録ギグワーカー(登録スタッフ)の空いた時間やスキルに合わせて、IT関連の機器サポートやコンタクトセンターなどの多様な業務をマッチングするビジネスモデルで成長している企業である。毎月1,000社以上の企業からのオンデマンド性が高い業務(単発短期業務)に即時対応できるのが同社の強みとなっている。2019年8月に「スリープログループ株式会社」から「ギグワークス株式会社」に商号変更し、次代に向けてギアチェンジをした。同社の最大の経営資源はヒトであり、女性の活躍や健康経営において先進的で内外からの評価も高い。東京証券取引所(以下、東証)2部に昇格した2015年からはM&Aを積極化し、事業規模を急速に拡大しており、2022年7月には日本直販(株)及び(株)悠遊生活を子会社化した(同年10月に合併。以下、日本直販)。2022年4月の東証市場区分見直しに伴いスタンダード市場へ移行し、将来的にはさらに上を目指している。

1. ビジネスモデル
同社のビジネスモデルは、“IT関連の仕事を中心としたマッチングプラットフォーム”に特長がある。同社は“パソコン家庭教師”から出発した経緯もありIT関連(設置、トラブル対応、システム開発など)を得意とするが、現在はIT関連以外(販売、コールセンター、調査など)も増え、依頼を受ける仕事は多岐にわたる。IT関連での事例としては、パソコン(以下、PC)やタブレットのキッティング、アンテナ基地局設置、バス停工事(IoT対応)などがある。大手通信会社や大手SI会社、外資系PC会社など大企業からの依頼が多く、継続的なパイプを持つ。特に全国規模での短期集中の依頼は同社でなければ受け手がいない場合が多く、同社の存在価値を高めている。2021年には、ギグワーカー(働き手)とクライアント企業(発注者)の間で仕事の受発注が直接できるプラットフォーム「GiG Works Basic」を本格稼働させ、利用者が拡大している。創業以来、累計で5,243社、723万件のマッチングを行い、2022年10月期は年間7,170名が稼働した。

2. 業績動向
2022年10月期の連結業績は、売上高が前期比8.3%増の22,932百万円、営業利益が同51.1%減の442百万円となった。日本直販の子会社化及び他事業も堅調に推移した結果、売上高は8期連続で過去最高を更新した。利益面では、シェアリングエコノミー事業の損失幅は縮小したものの、オンデマンドエコノミー事業の大型案件終了やIT系フィールドサービスの不調、日本直販を含む通販事業の取り込みなどにより、収益性が低下し、減益となった。

2023年10月期の連結業績は、売上高が前期比23.0%増の28,200百万円、営業利益が同13.1%増の500百万円と、過去最高売上高の更新及び堅実な増益を予想している。オンデマンドエコノミー事業では、世界的な半導体不足が解消に向かい、フィールドサポートや販売支援などの対面型業務などでやや回復傾向にあると同社では見通している。システムソリューション事業では、経済活動が活発化し、サービス業での人手不足が発生していることから、人材はもちろんテクノロジーとの融合により需要の取り込みを狙う。なお、日本直販の業績が通期で寄与することに加え、収益改善の成果が期待される。シェアリングエコノミー事業では、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で根付いた新しい働き方のニーズの取り込みに引き続き取り組み、「all access」などの新サービスの成長及びセグメント損益の黒字化を目指す。弊社では、2023年10月期の売上高予想及び営業利益予想はやや保守的な面があり、業績予想は「これ以上は下振れしない最低ライン」であると捉えている。

3. 成長戦略・トピック
同社は2022年10月1日付けで日本直販と悠遊生活を合併し、新生「日本直販」として再スタートを切った。2社合併の狙いはコスト面と売上面の2つにある。コスト面では、両社で重複している機能を一本化することでコスト削減を実現する。コスト削減効果は年間で約1.4億円を見込んでおり、半年以上かけて改善を図る。売上面では、両社の売れ筋が異なることから、クロスセルが可能となる。また、同社の既存事業と通販事業とのシナジーも様々な面で考えられる。2022年9月に開始した日本直販の「訪問お手伝いサービス」は、同社が得意とする対面業務を生かしたシナジーの好例と言える。同社のフィールドサポート部隊が購入者の自宅を訪問し、商品の設置、組立、使用サポートを行うもので、開始2ヶ月で100件以上の利用があった。 “ラストワンマイルのサポート”を高品質で実践できる企業は通販・EC業界でも少なく、新生「日本直販」の差別化になると弊社では見ている。

4. 株主還元策
同社は、重点分野への積極的な投資等により確固たる競争力を早期に築くことを重要な課題と認識しつつ、同時に株主に対する利益還元についても重要な経営の課題として認識している。2022年10月期は減益となったものの、公約どおり年8円(前期と同額)の配当を実施し、配当性向は67.6%となった。2023年10月期の配当は年9円(前期比1円増配)、配当性向67.7%を予想している。また、日本直販を子会社化したことを機に、2023年10月期より株主優待制度をリニューアルしており、日本直販のWebサイトで1年間利用可能な30%割引クーポンを贈呈する。

■Key Points
・2022年10月期は日本直販の子会社化等が貢献し、8期連続で最高売上高を更新
・2023年10月期は過去最高売上高の更新及び堅実な増益を予想
・新生「日本直販」が再スタート。コスト面・売上面で相乗効果を狙う
・2023年10月期は配当金年9円(前期比1円増配)、配当性向67.7%を予想。新株主優待制度では日本直販の30%割引クーポンを贈呈

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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