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【市況】S&P500 月例レポート ― 景気過熱と金利高止まりの長期化を警戒 (4) ―


●インデックス・レビュー
◇S&P 500指数

 S&P500指数は8月に1.77%下落して4507.66で月を終えました(配当込みのトータルリターンはマイナス1.59%)。7月は4588.96で終え、3.11%の上昇(同プラス3.21%)、6月は4450.38で終え、6.47%の上昇(同プラス6.61%)でした。過去3ヵ月では7.84%の上昇(同プラス8.28%)、年初来では17.40%の上昇(同プラス18.73%)、過去1年では13.97%の上昇(同プラス15.94%)でした。2022年は19.44%の下落(同マイナス18.11%)、2021年は26.89%の上昇(同プラス28.71%)、2020年は16.26%の上昇(同プラス18.40%)、2019年は28.88%の上昇(同プラス31.49%)、2018年は6.24%の下落(同マイナス4.38%)でした。

 2022年1月3日の高値からは6.02%の下落(同マイナス3.39%)、コロナ危機前の2020年2月19日の高値からは33.12%の上昇(同プラス41.00%)でした。8月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は7月の0.68%から再び1.01%に上昇(6月は0.88%、5月は0.96%、4月は0.92%、3月は1.51%)、年初来では1.09%となりました。2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした。8月の出来高は、6月に前月比4%増加、7月に同10%減少した後、1%増加し(営業日数調整後)、前年同月比では12%の増加でした。2023年8月までの過去1年では前年比16%増加しました。2022年は同6%の増加でした。

 8月は1%以上変動した日数は23営業日中5日(上昇が2日、下落が3日)でした。7月は20営業日中に前日比で1%以上変動した日はありませんでした。6月は1%以上変動した日数は22営業日中4日(4日全て上昇)でした。年初来では、1%以上変動した日数は167営業日中46日(上昇が27日、下落が19日)、2%以上変動した日数は2日(上昇が1日、下落が1日)でした。2022年は、1%以上変動した日数は122日(上昇が59日、下落が63日)、2%以上変動した日数は46日(上昇が23日、下落が23日)でした。2021年は、1%以上変動した日数は55日(上昇が34日、下落が21日)、2%以上変動した日数は7日(上昇が2日、下落が5日)でした。

 8月は23営業日中12日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上の変動と3%以上の変動はありませんでした(7月は21営業日中2日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上と3%以上の変動はありませんでした)。年初来では1%以上の変動が80日、2%以上の変動が12日、3%以上の変動はありませんでした(直近で3%以上の変動があったのは2022年11月30日)。2022年は1%以上の変動が218日、2%以上の変動が89日、3%以上の変動が20日、4%以上の変動が4日ありました。2021年は1%以上の変動が93日、3%以上の変動が3日ありました。

 8月は11セクター中10セクターが下落しました。7月と6月は11セクターが揃って上昇しました(5月は3セクター)。8月のパフォーマンスが最高だったのは1.27%上昇して唯一プラスのセクターとなったエネルギーで、年初来では0.77%上昇とプラスに転じ、2021年末比では60.26%の上昇でした(指数内で最高)。8月の騰落率2位となったのは下落率を0.40%に抑えたコミュニケーション・サービスで、年初来では44.14%上昇(指数内で最高)、2021年末比では14.12%の下落でした。金融は8月に2.86%下落し、年初来では0.17%上昇、2021年末比では12.21%の下落となっています。ヘルスケアの下落幅も限定的で、8月は0.80%下落、年初来では2.28%下落、2021年末比では5.75%下落となりました。

 一般消費財セクターは8月に1.30%下落し(年初来では33.75%上昇、2021年末比では16.51%下落)、生活必需品は3.82%下落(年初来では1.94%下落、2021年末比では5.05%下落)しました。情報技術は8月に1.45%下落し、年初来では43.69%上昇、2021年末比では2.15%の上昇となりました。騰落率最下位となったのは公益事業で、8月は6.72%下落、年初来では11.37%下落、2021年末比では12.64%の下落でした。不動産は8月に3.14%下落、年初来では下落に転じて0.17%安となり、2021年末比では28.57%の下落となりました。

 8月は値上がり銘柄数が減少し、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を大幅に上回りました。8月の値上がり銘柄数は153銘柄(平均上昇率は3.92%)で、7月は362銘柄(同6.24%)、6月は454銘柄(同8.90%)でした。10%以上上昇した銘柄数は13銘柄(同13.81%)で、7月は77銘柄(同14.55%)、6月は155 銘柄(同16.00%)でした。25%以上上昇した銘柄は1銘柄(同25.88%)で、7月は4銘柄(同32.83%)、6月は10銘柄(同34.82%)でした。

 一方、8月の値下がり銘柄数は350銘柄(平均下落率は6.45%)で、7月は141銘柄(同4.02%)、6月は49銘柄(同3.83%)でした。8月は10%以上下落した銘柄数が58銘柄(同15.50%)で、7月は12銘柄(同11.39%)、6月は3銘柄(同12.97%)でした。25%以上下落した銘柄数は4銘柄で、7月と6月はゼロでした。

 過去3ヵ月間では、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の差が広がりました。値上がり銘柄数は364銘柄(平均上昇率は12.87%)で、7月末の340銘柄(同13.45%)から増加しました(6月末は304銘柄で同11.10%)。値下がり銘柄数は139銘柄(平均下落率は6.42%)と、7月末の163銘柄(同6.88%)、6月末の199銘柄(同7.74%)から減少しました。10%以上上昇した銘柄数は210銘柄(平均上昇率18.68%)と、7月末の190銘柄(同19.99%)から増加し、10%以上下落した銘柄数は29銘柄(平均下落率は17.04%)と、7月末の38銘柄(同15.53%)から減少しました。過去3ヵ月間で25%以上上昇した銘柄数は39銘柄(7月末時点は36銘柄)で、4銘柄(同3銘柄)が25%以上下落しました。

 年初来では、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の差は縮小しましたが、依然として値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回っています。値上がり銘柄数は283銘柄(平均上昇率は23.22%)と、7月末の329銘柄(同22.23%)から減少し、値下がり銘柄数は218銘柄(平均下落率は12.33%)と、7月末の174銘柄(同9.89%)から増加しました。10%以上上昇した銘柄数は203銘柄(平均上昇率は30.29%)と、7月末の222銘柄(同30.28%)から減少し、10%以上下落した銘柄数は117銘柄(平均下落率は19.11%)と、7月末の72銘柄(同17.39%)から増加しました。年初来で25%以上上昇した銘柄数は90銘柄(7月末は98銘柄)で、23銘柄(同9銘柄)が25%以上下落しました。

 2022年通年では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を大幅に上回り、値上がり銘柄数は139銘柄(平均上昇率は22.21%)、値下がり銘柄数は363銘柄(平均下落率は24.58%)でした。10%以上上昇した銘柄数は93銘柄(平均上昇率は30.94%)、10%以上下落した銘柄数は283銘柄(平均下落率は30.02%)でした。2022年通年で41銘柄が25%以上上昇し、162銘柄が25%以上下落しました。

※「景気過熱と金利高止まりの長期化を警戒 (5)」へ続く

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