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【市況】S&P500 月例レポート ― 景気過熱と金利高止まりの長期化を警戒 (5) ―


◇世界の株式市場:S&Pグローバル総合指数

 S&Pグローバル総合指数は、5月の1.45%下落、6月の5.64%上昇、7月の3.72%上昇の後に、8月は3.08%下落しました。グローバル市場は、5月は米国の0.25%上昇を除くと3.78%下落、6月は米国を除くと4.11%上昇、7月は米国の3.51%上昇を除くと4.03%の上昇となった後に、8月は米国の2.13%下落を除くと4.46%の下落となりました。グローバル市場は過去3ヵ月間では6.20%上昇、米国の8.11%上昇を除くと3.48%上昇、年初来では12.51%上昇、米国の16.81%上昇を除くと6.67%上昇しました(2022年通年では20.04%下落[11月末時点では16.82%下落]で、米国の20.73%下落[同15.66%下落]を除くと19.13%の下落[同18.48%下落]でした)。

 2023年8月までの過去1年間では、S&Pグローバル総合指数は11.00%上昇、米国の12.89%上昇を除くと8.30%上昇しています。より長期で見ると、グローバル市場は過去2年間では9.00%下落しましたが、米国の3.88%下落を除くと、15.79%の下落でした。過去3年間では16.65%上昇しましたが、米国の26.46%上昇を除くと、4.34%の上昇でした。2020年11月3日の米大統領選以降では、グローバル株式市場は19.53%上昇しましたが、米国の30.31%上昇を除くと6.13%の上昇でした。

 S&Pグローバル総合指数の時価総額は2023年8月に2兆3520億ドル減少し(7月は2兆6780億ドル増)、年初来では7兆8600億ドルの増加となって、総額は73兆6190億ドルとなりました。米国以外の市場の時価総額は8月に1兆3860億ドル減少し(同1兆1590億ドル増)、総額は29兆6090億ドルとなり、年初来では1兆7460億ドル増加した一方、米国市場の時価総額は8月に9660億ドル減少し(同1兆5180億ドル増)、総額は44兆90億ドルとなり、年初来では6兆1140億ドル増加しました。2022年に、グローバル市場の時価総額は13兆3950億ドル減少し、米国以外の市場の時価総額は4兆2960億ドル減、米国市場の時価総額は9兆990億ドル減でした。

 セクター間のリターンのばらつきは拡大し、8月は11セクター中10セクターが下落しました。7月と6月は全11セクターが上昇、5月は2セクターが上昇していました。8月のパフォーマンスが最高のセクター(エネルギー、0.61%上昇)と最低のセクター(公益事業、5.92%下落)の騰落率の差は6.53%と、7月の5.64%から拡大しました(6月は7.45%、5月は18.50%)。年初来でのパフォーマンスが最高のセクター(情報技術、36.35%上昇)と最低のセクター(公益事業、6.20%下落)の騰落率の差は42.55%となっています。2022年のパフォーマンスが最高のセクター(エネルギー、28.08%上昇)と最低のセクター(コミュニケーション・サービス、36.30%下落)の騰落率の差は64.38%でした。

 新興国市場は5月の2.33%下落、6月の3.68%上昇、7月の5.56%上昇の後に、8月に全体で5.34%下落しました。新興国市場は過去3ヵ月間では3.61%上昇、年初来では2.89%上昇しています(2022年は20.46%の下落を記録)。過去1年間では0.78%下落、過去2年間では22.03%下落、過去3年間では7.18%の下落となっています。

 8月は24市場中3市場が上昇し、7月の22市場、6月の18市場、5月の6市場を下回りました。8月はトルコのパフォーマンスが最も良く(トルコは7月もパフォーマンスが最高、6月はパフォーマンスが最低)、10.34%上昇し、年初来では0.87%上昇、過去1年間では68.83%上昇しました。2番目はエジプトで8月は9.73%上昇し、年初来では5.64%上昇、過去1年間では68.83%上昇しました。3番目はハンガリーで8月は5.32%上昇し、年初来では31.92%上昇、過去1年間では49.74%の上昇でした。

 コロンビアのパフォーマンスが最低となり、8月は12.83%下落し、年初来では2.79%下落、過去1年間では5.02%下落しました。これに続いたのがパキスタンで8月は11.98%下落し、年初来では19.65%下落、過去1年間では26.03%下落しました。3番目は南アフリカで8月は11.09%下落し、年初来では9.20%下落、過去1年間では4.79%下落しました。

 先進国市場は、5月の1.35%下落、6月の5.87%上昇、7月の3.51%上昇の後に、8月に全体で2.82%下落しました。先進国市場は米国を除くと、5月の4.26%下落、6月の4.26%上昇、7月の3.52%上昇の後に、8月に4.16%下落しました。先進国市場は過去3ヵ月間では8.72%上昇、米国を除くと2.62%上昇しています。年初来では13.70%上昇し、米国を除くと8.00%の上昇です(2022年のリターンは20.55%の下落で、米国を除くと19.26%下落)。過去1年間では12.49%上昇、米国を除くと11.68%上昇、過去2年間では7.30%下落、米国を除くと13.50%下落、過去3年間では19.95%上昇、米国を除くと8.70%上昇しています。

 8月は、5月の3市場、6月と7月の全25市場に対して、2市場が上昇しました。パフォーマンスが最も良かったのはデンマークで8月は3.22%上昇し、年初来では16.48%上昇、過去1年間では33.86%の上昇でした。2番目はルクセンブルグで8月は0.15%上昇、年初来では8.31%上昇、過去1年間では5.87%上昇しました。3番目はフィンランドで8月は1.91%下落、年初来では6.97%下落、過去1年間では0.45%上昇しました。

 パフォーマンスが最低だったのはオランダで8月は10.03%下落し、年初来では10.59%上昇、過去1年間では19.51%上昇しました。2番目は香港で8月は9.61%下落し、年初来では15.58%下落、過去1年間では12.07%下落しました。これに続いたのがシンガポールで8月は8.68%下落し、年初来では1.66%下落、過去1年間では0.97%上昇しました。

 注目すべき点として、日本は8月に2.02%下落し、年初来では11.49%上昇、過去1年間では12.50%上昇しました。カナダは8月に4.33%下落、年初来では5.07%の上昇、過去1年間では2.18%の上昇となりました。ドイツは8月に4.68%下落、年初来では11.97%の上昇、過去1年間では25.99%の上昇となりました。


[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト


※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。

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