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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):荏原、三菱UFJ、アドテスト

荏原 <日足> 「株探」多機能チャートより
■荏原 <6361>  2,543.5円  +173.5 円 (+7.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
 荏原<6361>が上昇トレンドを明示、25日移動平均線をサポートラインに上放れる動きにある。株式5分割でマーケットの視線を集めたが、前日が権利落ち日できょうは分割後の株価で2日目となる。業績は増収増益基調が続いており、機関投資家の継続的な実需買いが観測されている。足もとでは権利取り狙いの買いに代わり、先端半導体分野での同社の活躍を期待した個人投資家の買いも誘導しているもようだ。同社はポンプ最大手で環境関連装置での実績は広く知られるが、最近は半導体分野での活躍がクローズアップされている。半導体ウエハーを研磨するCMP装置で世界屈指の商品シェアを有し、最先端半導体分野でも存在感を放っており、日の丸半導体会社ラピダスの関連有力株としても将来性が期待されている。

■三菱UFJ <8306>  1,729円  +64.5 円 (+3.9%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>など銀行株が堅調推移。日本時間28日午前、11月の米大統領選に向けた候補者のテレビ討論会が開かれているが、時間外取引で米長期金利に上昇圧力が掛かっている。国内では日銀による追加利上げ観測がくすぶる状況にあって、金利の先高観を背景に、事業環境の更なる改善を見込んだ買いが入り、銀行セクターの上昇に寄与したようだ。

■平和堂 <8276>  2,416円  +77 円 (+3.3%)  本日終値
 平和堂<8276>は年初来高値を更新した。27日の取引終了後、取得総数200万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.9%)、取得総額60億円を上限とする自社株買いの実施を発表。これが株価を刺激したようだ。取得期間は8月21日~2025年8月20日。あわせて25年2月期第1四半期(2月21日~5月20日)の連結決算も発表した。営業収益は前年同期比4.3%増の1052億7800万円、最終利益は同27.6%増の20億600万円だった。

■アドバンテスト <6857>  6,425円  +187 円 (+3.0%)  本日終値
 アドバンテスト<6857>が5日続伸。岩井コスモ証券は27日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を7000円から7200円に引き上げた。中長期経営方針説明会が開催され、25年3月期~27年3月期の3年間について業績予想が開示された。3カ年累計での開示だが、今後の成長について会社が自信をもっていることが確認できたことはポジティブと評価。今後、SoC(システムオンチップ)テスターの底打ちが確認できれば上昇相場入りする必要条件は整う、とみている。

■ソフトバンクグループ <9984>  10,390円  +255 円 (+2.5%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が3日続伸、目先筋の利益確定売り圧力をこなし頑強な値動き。1万円大台固めの動きをみせている。ここ米国株市場ではハイテク株が買い戻される流れとなっており、ナスダック総合株価指数は前日まで3日続伸と上値指向にある。米ハイテク株に積極投資を行い、ナスダック市場の動向と株価の連動性が高い同社株には追い風となっている。また、前日に同社は医療データを人工知能(AI)で解析するサービスを立ち上げることを正式発表、孫正義会長兼社長は記者会見で医療とAIの新たな融合を掲げ、需要開拓に意欲的な姿勢をみせており、これも足もとの株価刺激材料となっている。

■三菱電機 <6503>  2,567.5円  +59.5 円 (+2.4%)  本日終値
 三菱電機<6503>が3日ぶりに反発。正午ごろ、台湾市場向けにスマートメーターシステムを海外初納入したと発表しており、好材料視された。スマートメーターシステムの主な機能を担うヘッドエンドシステムと、スマートメーターに内蔵される通信機器及びデータ集約装置を、システムインテグレーターのグローリー・テクノロジー・サービス社、台湾大手通信会社のチュンファ・テレコム社経由で、台湾電力公司向けに納入した。なお、同社の製品を搭載したスマートメーターシステムの海外市場への納入は今回が初めてで、既に一部は運転を開始しているという。

■オプティム <3694>  701円  +9 円 (+1.3%)  本日終値
 オプティム<3694>が反発。27日の取引終了後、AIを用いた報告書自動作成カメラアプリ「OPTiM Taglet(オプティムタグレット)」を発表しており、好材料視された。アプリは、ユーザーが「OPTiM Taglet」を利用し、同アプリ内で写真撮影を行い写真の状況が分かるタグ付けをすることで、AIにより報告書を自動的に作成することを可能にしたアプリ。これにより、写真での記録が必要な現地調査報告や作業状況報告が手軽に行えるようになり、業務コストの圧縮と効率化を実現するとしている。

■淺沼組 <1852>  3,780円  +45 円 (+1.2%)  本日終値
 淺沼組<1852>は続伸。27日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を6万株(発行済み株数の0.37%)、または2億5000万円としており、取得期間は7月1日から29日まで。同社では役員向け譲渡制限付株式報酬制度及び従業員向け譲渡制限付株式報酬制度を導入しており、これに関連して交付される株式として活用するためとしている。

■KADOKAWA <9468>  2,579.5円  -218 円 (-7.8%)  本日終値  東証プライム 下落率2位
 KADOKAWA<9468>が大幅安。3月29日につけた2633円を下回り、約3カ月ぶりに年初来安値を更新した。カドカワがサイバー攻撃を受けた問題を巡り、ハッカー集団が犯行声明を出したことが27日伝わった。各メディアの報道によると、ハッカー集団は声明で身代金を要求し、これに応じなかった場合に盗んだデータを来月1日に公開するという。この犯行声明の真偽はわかっていない。先行き不透明感の一段の強まりが嫌気された。

■小林製薬 <4967>  5,223円  -395 円 (-7.0%)  本日終値  東証プライム 下落率3位
 小林製薬<4967>が後場に急落。この日、武見敬三厚生労働相の記者会見の内容について国内メディアが報じている。日本経済新聞電子版は「武見敬三厚生労働相は28日の記者会見で、小林製薬の『紅麹(こうじ)』原料を含む機能性表示食品による健康被害が疑われる死者が新たに76人判明したと明らかにした」と報じている。報道を嫌気した売りが膨らんだ。

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