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【市況】S&P500 月例レポート ― 年の相場決める1月、企業利益が試金石に (3) ―


●各国中央銀行の動き(および関連ニュース)

 ○予想通りにカナダ中銀は政策金利を0.50%引き上げ(8会合連続)、4.25%(2008年以来の高水準)としました。また、今後利上げを一旦停止する可能性があることを示唆しました。

 ○米連邦公開市場委員会(FOMC)も予想通り0.50%の利上げを実施し(これまでの利上げ幅は4回連続で0.75%)、政策金利は4.25%~4.50%となりました。

 ○公表された米連邦準備制度理事会(FRB)のドットチャートによると、2023年末の政策金利予想の中央値は5.1%となり、19名中17名が5%を越えると予想しています。9月時点の予想では誰一人として2023年末に5%を越えると予想していませんでした。また、今回公表のドットチャートでは2024年末の予想値は4.1%、2025年末は3.1%となっています。

 ○FRBの金利予想では2023年の利下げについては全く示唆されていません。

 ○FRBは2023年の失業率を4.6%と予想しており、前回9月時点の予想値4.4%から上方修正されました(現時点の失業率は3.7%)。

 ○FRBは声明文の中で、追加利上げの必要性はあるとみており、政策金利が5%を越える可能性を示唆しました。その理由として労働市場が引き続き力強く、利上げが経済に充分な影響を及ぼすには時間的なラグがあることを指摘しています。

 ○イングランド銀行(BOE)は政策金利を0.50%引き上げ、3.50%としました。

 ○スイス国立銀行は政策金利を0.50%引き上げ、1.00%としました。

 ○ノルウェー中銀は政策金利を0.25%引き上げ、2.75%としました。

 ○メキシコ中央銀行は政策金利を0.50%引き上げ、過去最高となる10.50%としました。

 ○日銀は市場の予想に反して長期金利の許容変動幅を拡大し、10年物国債の変動幅を従来のプラス・マイナス0.25%から同0.50%に拡大することを決めました(この決定を受けて、円高が進みました)。

●企業業績

 ○496銘柄が2022年第3四半期の決算発表を終えました。このうちの339銘柄(68.3%)で営業利益が予想を上回り、495銘柄中350銘柄(70.7%)で売上高が予想を上回り、売上高は過去最高を更新する見通しです。

  ⇒2022年第3四半期中に株式数の減少によってEPSが大きく押し上げられた発表済みの銘柄の割合は2022年第2四半期の19.8%に対して21.2%となりました。この割合は2021年第3四半期では7.4%でした。(2019年第3四半期は22.9%)。

  ⇒2022年第3四半期の営業利益率は第2四半期の10.86%から上昇して11.28%となる見通しです(1993年以降の平均は8.26%、過去最高は2021年第2四半期の13.54%)。

  ⇒決算期がずれている企業16社が2022年第4四半期決算を発表しました。16銘柄中12銘柄で利益が予想を上回り、また7銘柄で売上高が予想を上回りました。

  ⇒2022年第4四半期は前期比6.3%の増益、前年同期比5.6%の減益が見込まれています。

  ⇒2022年通年の利益は前年比3.9%減となる見通しで、2022年予想PERは19.2倍となっています。

  ⇒2023年の利益は同13.2%増が見込まれており、2023年予想PERは17.0倍となっています。

●個別銘柄

 ○ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス<UAL>は、ボーイング<BA>に787ワイドボディ機(長距離用)100機を発注しました。同社は2021年には、単通路ジェット機270機を発注しています。

 ○ヘルスケア企業のモデルナ<MRNA>は、実験段階のメラノーマワクチン(メルク<MRK>製の治療薬との併用)により、皮膚がんの再発や死亡リスクが44%低下したと発表しました。

 ○イーロン・マスク氏は、自身が保有するテスラ<TSLA>株を36億ドル分売却しました。

  ⇒その後、マスク氏は、今後約2年間はテスラ株を追加売却する予定はないことを明らかにしました。同氏は過去14ヵ月間に約400億ドル分のテスラ株を売却していますが、それによる売却代金の一部は税金と債務の支払いやツイッター買収の資金として使われました。

 ○S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、太陽光発電を手掛けるファースト・ソーラー<FSLR>をS&P500指数に採用し、セキュリティ製品持株会社のフォーチュンブランズホーム&セキュリティ<FBHS>を同指数から除外しました。フォーチューン社のキャビネット事業部門であるマスターブランド<MBC>は株式分配を通じてフォーチューンから独立し、S&P小型株600指数に追加されました。フォーチューン社はフォーチュン・ブランズ・イノベーションズ<FBIN>に社名を変更し、S&P中型株400指数に追加されました。また、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは素材メーカーのスチール・ダイナミクス<STLD>をS&P500指数に採用し、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>に買収されたヘルスケア銘柄のアビオメッドを同指数から除外しました。

  ⇒S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、ゼネラル・エレクトリック<GE>からスピンオフする(割当比率は保有するGE株3株につき新株1株)GEヘルスケア・テクノロジーズ<GEHC>を2023年1月4日の取引開始前にS&P500指数に追加し、不動産銘柄のボルネード・リアルティ・トラスト<VNO>を同指数からS&P中型株400指数に移行すると発表しました。

●注目点

 ○ゴールドマン・サックス・グループ<GS>のデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は、経済が「困難な時代」に直面していると述べ、JPモルガン・チェース<JPM>のジェイミー・ダイモンCEOは「軽度から重度のリセッション(景気後退)」に陥る可能性を示し、モルガン・スタンレー<MS>のウェルスマネジメント部門は企業業績について「不都合な現実を突然知ることになる」と指摘しました。

 ○米証券取引委員会(SEC)は、ブローカー注文と高速取引業者(および透明性と競争の問題)に関する規則の変更を提案しました(2023年3月31日までパブリックコメントを募集、その後、投票により決定されます)。

 ○米エネルギー省は、核融合反応から正味のエネルギー利得(炭素ゼロ)を得る新しいプロセスを創出したと発表しました。新たなプロセスの研究は1950年代から行われており、世界のエネルギー創出を劇的に変える可能性を秘めています。

 ○倒産した暗号資産銘柄FTXの元CEOであるサム・バンクマンフリード氏は米国から刑事告訴された後、バハマで逮捕されました。

 ○バンクマンフリード氏は告訴されている米国への身柄引き渡しに同意し、米国に移送された後は、2億5000万ドルの保釈金を支払ってカリフォルニア州(親の自宅)で軟禁されています。

 ○大型の冬の嵐によって、サウスウエスト・エアラインズ<LUV>(1週間で4.6%安、過去2週間では9.1%安)が約70%の便を欠航するなど、空港のサービスが制限され、クリスマス休暇中の旅行に影響を与えました。

 ○報道によると、ホリデー前の商戦における小売売上高(11月1日~12月24日、自動車を除く)は2021年比7.6%増(2021年は2020年比8.5%増)でした。

※「年の相場決める1月、企業利益が試金石に (4)」へ続く

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