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【特集】横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (27)上昇トレンド銘柄に素早く飛び乗るために、移動平均線はこう使え!

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆上昇トレンド銘柄から25日カイリ率で絞り込む

 まずは、株探のトップページの最上部にあるグローバルナビから「銘柄探検」のタブを選んでください。そうすると、「ファンダメンタルズで探す」「テクニカルで探す」のタイトルが並ぶページに移ります。上昇トレンドの銘柄を探したいので、ここでは「テクニカルで探す」の「買いの候補」の中から、上から2番目にある「移動平均線上昇トレンド銘柄」をクリックしてみましょう。

図1 株探 「銘柄探検」ページ
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 すると、「テクニカル ― 移動平均線上昇トレンド銘柄」のページが表示されます(図1)。このページの説明には「25日、75日、200日の3本の移動平均線が揃って上向いて、株価が上昇トレンドを堅持している銘柄を掲載しています。各移動平均線のカイリ率も掲載」とあります。つまり、短期でも比較的に中長期でも、株価が上昇している銘柄が選ばれていることがわかります。9月12日引け後の時点では全市場の中から506銘柄が抽出されていることがわかります。

 まず、皆さんそれぞれ好みの銘柄があるでしょうから、「市場別」の「全市場」の中から好きな市場を選びましょう。ここでは「プライム」を選択していきます。すると、プライム市場からは243銘柄が抽出されていることがわかります(図2)。


図2 銘柄探検 テクニカル ― 移動平均線上昇トレンド銘柄(プライム市場)
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 デフォルトでは銘柄コード順で並んでいますが、より上昇力の強い銘柄を探したいので、ここで「25日線カイリ率」を使って絞り込みます。「25日線カイリ率」は25日移動平均乖離率を意味しており、株価が25日移動平均線からどれだけ離れているのかを表しています。この数値がマイナス表示(青色)だと、25日移動平均線から下に離れていることを表し、プラス表示(赤色)だと上に離れていることを表しています。つまり、マイナスでもプラスでも数値が小さい場合には、株価が25日移動平均線からそれほど離れず近くにあることを示しているのです。

 では、25日線カイリ率の数値が「+1.4」の「ショーボンド <1414> [東証P]」のミニチャートを表示させてみましょう。表の銘柄名・市場の右横に「本」と「チャート」のアイコンがあります。この「チャート」のアイコンの上にマウスのポインターを移動させると、ミニチャートの埋め込まれたポップアップウィンドウが起ち上がります。ショーボンドのミニチャートを見ると、25日移動平均線のすぐ上に株価が位置している状況であることがわかりますね(図3)。次に「クロスキャト <2307> [東証P]」のミニチャートを表示させてみましょう。クロスキャトの25日線カイリ率の数値は「+17.8」。ミニチャートを見ても、株価は25日移動平均線からかなり上に離れた位置で上昇していることがわかりますね(図4)。

図3 ショーボンド <1414> [東証P] ミニチャート
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図4 クロスキャト <2307> [東証P] ミニチャート
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 25日移動平均線は株価の支持線、抵抗線として機能するケースが多くみられます。つまり、25日線カイリ率の数値がプラスの場合、「0」に近いほど25日移動平均線あたりまで株価が短期的に調整している状況ですので、押し目を形成する可能性が高いと考えることができます。あるいは、数値がマイナスからプラスに転じていた場合、その数値が「0」に近ければ短期トレンドが弱気から強気に転換したばかりの初期段階にあるものとして注目することもできます。一方、数値が大きいほど25日移動平均線から離れている状況となります。この場合、過熱感には警戒が必要なものの、高値更新を狙える、もしくは高値を更新中の銘柄である可能性が高くなります。

 ここでどの銘柄を選ぶかは、その人の投資戦略や投資手法によって好きなものを選べばよいでしょう。たとえば、ガンガン高値を更新する銘柄を、ガンガン買い上げていく投資スタイルならば、25日線カイリ率の数値が大きい方がよいので、表の上部の「25日線カイリ率」の項目名の下にある「↓」の矢印を選択して降順に並べ変えましょう。そして、上から自分の好みの銘柄を選べばよいでしょう。ただ、すべての銘柄がガンガン高値を更新する状況にあるのかと言えば、高値を更新して下がってきたところという銘柄もありますので、さすがにチャートはしっかり確認するようにしてください。

 一方、押してきたところを狙いたいという投資スタイルであれば、できるだけ「0」に近い銘柄から選んだ方がよいですから、項目名の下の矢印は「↑」を選択して昇順に並べ変えましょう。基本的に75日と200日の移動平均線が上向いている銘柄を抽出していますので上昇トレンドではありますが、すでにそのトレンドにも変化の芽が育ちつつある可能性もあります。押し目だと思って買ったのにそのまま下落していった……という状況は避けたいですから、やはり「0」に近い銘柄の場合も忘れずにチャートを確認するようにしましょう。

 市場参加者が注目していた決算発表も一段落したことで、これから次の相場を牽引するスター銘柄が登場してくる可能性も考えられます。どの銘柄が市場で評価されるのかをピンポイントで見つけ出すのは至難の業ですから、機械的に強い銘柄を素早く探していきましょう。さらに、業績からみて割安か割高かを判断していけばより精度が高まりますから、ひと吹きする前に上昇トレンドの強い銘柄に飛び乗りたいですね!

 


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