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【特集】「瞬発力」期待のトレンド銘柄、ある失敗から学んだものとは

第31回 日本株&アメ株で勝つ人
~個人投資家4800人の調査で判明!
(億り人・風林火山さんの場合その2)

登場する銘柄
エアトリ<6191>、アドヴァンG<7463>、コンヴァノ<6574>

編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)

【タイトル】風林火山さん(50代・男性・兼業投資家)のプロフィール:
30年以上にわたり人材紹介系の会社で働く傍ら、1980年代後半から株式投資を行ってきた。仕事柄、顧客企業の経営戦略に密接にかかってきたため、銘柄分析でもファンダメンタルズを重視して成長性を見極めていくのが特徴だ。足元の日本株資産は1億5000万円。累計元本の4倍以上となる。左の画像は「鷲羽岳」。息子が学校の登山部の活動で撮影した。

前回記事「『経営は人なり』、人材戦略で銘柄を選んだら億り人に」を読む
日本株資産1億5000万円を抱える風林火山さん(ハンドルネーム)の成長株投資では、マーケットの時流を軸とした選別パターンもある。足元では、「アフターコロナ」「バリュー株優位」といったトレンドを手がかりに注目度が高まりそうな銘柄を物色する。
特徴は、強固な事業モデルを持ち、成長期待の高い銘柄の選定にこだわることだ。市場の流れを加味したときに、もともと競争力のある企業の魅力がさらにアップする要素が加われば、投資家からの注目を集めやすいと考えるからだ。
前回紹介した人材戦略を軸とする手法は、組織の在り方から「成長の持続力」を見極めるもの。それに対してマーケットの時流を軸とする場合は、「成長の瞬発力」を探るのがポイントになる。
具体的にどう投資するのか。以下、事例と考え方を紹介しよう。
アフターコロナで「オンライン旅行会社」に注目して成功
最近の取引で最も成功した銘柄が、航空券予約サイトなどを手掛けるエアトリ<6191>だ。2019年に買い出動し、22年初めに平均取得単価の4倍近い水準で売却、300万円以上のリターンを得た。
■エアトリの週足チャート(2018年5月~)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


成功のポイントは、2020年3月のコロナショックで暴落後に買い増し、平均取得単価を2000円台→900円と2分の1以下に下げたことだ。買い増したのは、同社の事業モデルの優位性がアフターコロナでさらに高まると考えたからだ。
同社の主力はオンライン旅行事業だ。航空券、ホテル、ツアー、夜間バスなど旅行にかかわる手続きをウェブ上で完結できるサイトを運営し、ユーザーはサービスを比較してその場で予約できる。そこからの関連手数料がエアトリの収入源になる。
風林火山さんが同社株に注目したポイントは、同事業が労働集約型でない点だ。店舗展開する大手旅行代理店に比べて経営が身軽な分、高い成長性を見込める。
この身軽さが、コロナ禍でより力を発揮すると考えた。コロナ感染が拡大して旅行需要は蒸発したものの、需要はそのうち回復する。そう予測したとき、店舗型の旅行代理店が身動きできずにいる間、接触回避の傾向も相まってオンライン型サービスが需要の受け皿になる。そうなれば旅行市場におけるシェアを一気に高められると期待したのだ。
また、事業ポートフォリオの多角化でリスク分散してきた強みも生かされると思った。外出抑制が続いている間、日本企業のシステム開発をベトナムで受託するITオフショア事業、成長企業に出資する投資事業などは、オンライン旅行事業よりは経営へのダメージを抑えられると見た。
22年初めに株価3300円ほどで売却したのは、グロース株の逆風を踏まえたものだ。成長のシナリオは崩れていないが、次の投資対象に資金を移すためにも利確を決断した。
買うときは、前回紹介した手法と同様、過去の業績・チャートは参考程度にとどめる。売るときは、エアトリ株のようにトレンドを捉えて臨機応変に判断するケースが多い。
足元で伸びを期待している保有銘柄は、アドヴァンG
「バリュー株優位」の流れで投資した銘柄で、足元で伸びを期待しているのが、輸入建材商社のアドヴァングループ<7463>だ。
22年7月に株価810円で取得し、足元の価格は9月2日終値時点で817円とわずかにプラスで推移している。風林火山さんが前回高値と見る2020年後半の1400円台から4割ほど低い水準だ。
■アドヴァンGの週足チャート(2020年9月~)
【タイトル】
足元の予想PER(株価収益率)は9.1倍、PBR(株価純資産倍率)は0.72倍だ。同社の上場区分である東証スタンダード市場では、いずれの指標も平均値を下回っている。また配当利回りも4.9%と高く、財務内容も良好であることも、バリュー株として選定されやすい要素と捉えている。
もちろん割安だけで購入したわけではない。同業他社の水準と比べて、高いある指標に注目したからだ。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。


 

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