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【特集】大谷正之氏【日経平均高値圏で推移、米ジャクソンホール会議控え今後の展開は】 <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

―米長期金利を横目に強弱観が対立、下値には押し目買いが流入も―

 週明け22日の東京株式市場は、前週末の米株式市場が下落したことも警戒され軟調に推移した。ただ、朝方に一時340円超安に売り込まれたものの、後場にかけて下げ渋った。3日続落となったが、日経平均株価は2万8000円台後半と高値圏を維持している。今後の相場を左右するのは26日に行われる米ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演だ。果たして、これからの相場をどうみればいいのか。証券ジャパン調査情報部長の大谷正之氏に聞いた。

●「米インフレ抑制維持なら上昇基調継続」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 この日の日経平均株価の下げは前週上げた分を調整する動きだろう。26日に予定されている米ジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演などのイベントもあり、今週いっぱいは様子見姿勢が続くかもしれない。

 パウエル議長の講演に関しては、予想以上にタカ派姿勢を強めなければ、市場は受け入れるのではないか。その後も、来月20~21日の9月米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて来月も米8月雇用統計や同消費者物価指数(CPI)といった注目イベントが続くことになる。

 今後のポイントは、米国経済のインフレ抑制の動きが維持できるか、どうかだろう。9月FOMCでの利上げ幅は0.5%になるか、あるいは今回も0.75%となるかは高い関心を呼んでいるが、インフレピークアウト期待が続いていれば、0.75%利上げでも材料出尽くし感から、相場が上がる展開もあり得ると思う。

 そんななか、今後1ヵ月程度の日経平均株価の予想レンジは下値が2万8200円、上値が1月高値を抜く2万9400円前後を見込んでいる。基本的には下値切り上げの展開を見込んでおり、いったん下がってもジワジワと値を戻すことを予想している。状況次第では3万円に接近する展開も予想される。

 個別銘柄では、EUV(極端紫外線)投資に絡む半導体関連株などに注目している。ニコン <7731> [東証P]や平田機工 <6258> [東証P]、ウシオ電機 <6925> [東証P]、日本マイクロニクス <6871> [東証P]、日本電子 <6951> [東証P]、HOYA <7741> [東証P]など。また、ウィズコロナ政策に伴う業績の回復期待で 鉄道レジャー関連株などの活躍も見込めそうだ。JR東日本 <9020> [東証P]や京成電鉄 <9009> [東証P]、京浜急行電鉄 <9006> [東証P]、南海電気鉄道 <9044> [東証P]など。


(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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