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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─日本株の魅力が改めて評価される!

経済評論家 杉村富生

「日本株の魅力が改めて評価される!」

●日米ともに、個人投資家が参戦の動き!

 急騰してきただけに、日米両市場ともに、目先は“高値しぐれ”商状となろう。ただ、買い気はすこぶる旺盛だ。そう、基本的に個別物色の展開である。日経平均株価は6月20日の2万5520円(ザラバベース)を安値に、8月17日には2万9222円の高値まで買われた。上昇幅は3702円、上昇率は14.5%に達する。

 NYダウの騰落レシオは157.4、S&P500指数は同163.4と警戒ゾーンだ。先月はSQ後、上昇トレンドが継続した。さて、今回はどうなるだろうか。過熱感はある。しかし、物色意欲は強い。ミーム株のベッド・バス&ビヨンド<BBBY>は今月に入って株価が急動兆、一気に5倍になっている。

 このほか、ミーム株ではないが、直近高値→直近安値では10分の1、15分の1に売り込まれていたC3ai<AI>、アブセレラ・バイオロジクス<ABCL>、コインベース・グローバル<COIN>、アファーム・ホールディングス<AFRM>などが直近安値比2~3倍に急伸している。これは個人投資家の参戦を示す格好の事例だろう。

 いや~、ダイナミックと言えばその通りだ。とはいえ、恐ろしい。下降トレンドの銘柄はトコトン売られる。主体はカラ売りだ。それが底打ち→反騰態勢に突入すると、カラ売りの買い戻しに加え、新規資金が介入する。まあ、値動きの荒いマーケットの投資はヘタなナンピンは厳禁、そして早めのロス・カットが重要ということ。

 サイエンスアーツ <4412> [東証G]の昨年12月10日の高値は1万8690円だった。それが何と、6月23日には1880円の安値をつけている。ほぼ10分の1である。経営不安? いや、それはない。第3四半期累計(21年9月-22年5月)は最終黒字に転換した。デスクレスワーカー向けのプラットフォームを運営、将来性は「良」である。

●この局面での狙い目はこれだッ!

 さて、インデックスは高値波乱に陥る、と指摘したが、これはあくまでも短期的な視点にすぎない。中・長期的には日本市場の強さ(魅力)が改めて評価されるだろう。その理由はまず、政治の安定にある。欧米の政権はガタガタじゃないか。

 景気は良好だ。アメリカのGDP成長率は2四半期連続のマイナスだった。ヨーロッパは厳しい。戦時体制のダメージのほか、熱波の影響がある。ライン川の水位が下がり、サプライチェーン(物流)が混乱している。電力不足は深刻だ。中国に続いて、今冬にはドイツ、スペイン、フランスなどが計画停電に追い込まれる可能性が濃厚という。

 これに対し、日本のGDP成長率は3四半期連続のプラスだ。コロナ禍収束のタイミングは近い。外国人は7月に1兆7396億円(うち、先物が1兆5694億円)の買い越しとなったが、前述したような日本の好実態を評価したものだろう。現状のベアマーケットラリーがブルマーケットラリーに変わる日は遠くないと思う。

 物色面では好業績の新光電気工業 <6967> [東証P]、値動き抜群のダブル・スコープ <6619> [東証P]、再生可能エネルギーのレノバ <9519> [東証P]などがメーンとなろう。多彩な切り口の湖北工業 <6524> [東証S]、Jトラスト <8508> [東証S]、三和油化工業 <4125> [東証S]には引き続いて注目できる。

 このほか、青山財産ネットワークス <8929> [東証S]、そーせいグループ <4565> [東証G]、M&A総合研究所 <9552> [東証G]、ANYCOLOR <5032> [東証G]、ゼンショーホールディングス <7550> [東証P]、BuySell Technologies <7685> [東証G]はじっくり狙える。

2022年8月19日 記

株探ニュース

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