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【特集】ボラの大きいAI insideで2度も要領よくリターンをさらったコツ
第29-2回 強い投資家はどんな人~日本株投資家3900人調査で解明!(ケーススタディ編)
登場する銘柄
前回記事「コロナショックを無傷でスルー、ビビり&集中投資で資産6倍の技」を読む
用心に用心を重ねる"ビビり&集中投資戦略"ともいえる手法で、資産を守りながら増やしてきたカバろんさん(ハンドルネーム)の2回目になる。
前回は、全体的なスタンスと銘柄選別手順の一部を紹介した。簡単におさらいすると心配性な性格から、
「買いたい銘柄がない時は買わない」
「危ないものには触れない」
――を基本にしていることで、2018年のVIXショックやクリスマスショック、20年のコロナショックを無傷でやり過ごせた。そして、こうした嵐が過ぎ去り、ビビる必要のない局面では集中投資で大胆にリターンを狙う。
一例として前回取り上げたのが、アフターコロナ相場で話題になったAI inside<4488>だ。20年4月と10月の売買で計200万円のリターンをゲット。保有期間はいずれも1カ月以内だ。
今回は、ボラティリティ(株価の変動率)の大きい同社株で、上昇局面だけを2度も美味しくさらった理由を紹介する。ポイントは、テクニカル分析で買い時・売り時をどう見極めるかにある。
AI insideの決め手は、ある2つのテクニカル指標
前回の最後で触れたようにAI inside<4488>の取引で、買い時と売り時の見極めに主に活用したテクニカル指標は2つある。
買いでは、相場のトレンド転換を示すパラボリック。利益確定では、MACD(移動平均収束発散法)の推移が決め手になった。
パラボリックでは、SAR(ストップアンドリバース)と呼ばれる指標を使う。ローソク足がSARの上にあれば上昇相場、下にあれば下落相場と捉えることができる。
そのSARが、購入直前に上昇相場に転換するサインを見せていた。1回目の買いは5月19日、2回目は10月5日。その他、移動平均線やMACD、RSI(相対力指数)も上向きつつあった点も背中を押した。
利益確定の決め手になったMACDは、移動平均線を使って買いと売りのサインを見極めるもの。通常の移動平均線と異なり、MACDの移動平均線では影響力が高いとされる新しい株価の比重を高めて計算される。その線が単純移動平均線を上抜けたら「買いシグナル」、反対に下抜けたら「売りシグナル」となる。
下のチャートの通り、1回目と2回目の売りでは、紫で囲ったMACD(青)の勢いが一時的に弱まった場面が見られる。MACDとシグナル(単純移動平均線・緑)の幅が狭まってきていることもあり売却を決めたのだ。
■AI insideの日足チャートとMACDの推移(20年4~11月)
しかし、決まったテクニカル指標を機械的に使うだけで、成功を手にできるほど投資は甘くない。カバろさんが指標を上手に使いこなすには、それなりの技を持っているからにほかならない。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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登場する銘柄
AI inside<4488>、プレミアアンチエイジング<4934>、東京エレクトロン<8035>、マルマエ<6264>、アステリア<3853>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ<ZM>、クラウドストライク・ホールディングス<CRWD> |
取材/真弓重孝・高山英聖、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)
カバろんさん(ハンドルネーム・30代・男性・兼業投資家) | ||
---|---|---|
日本株運用資産 | 3000万円 | |
累積投資元本 | 500万円 | |
累積リターン | 不明 | |
投資スタイル | ファンダメンタルズ×テクニカル分析 | |
主な保有期間 | 中短期(1週間~1カ月) | |
保有銘柄数 | 6~10銘柄 | |
投資開始年 | 2016年春 | |
他の投資対象 | 米国株、投資信託、仮想通貨 | |
自身の性格分析 | 慎重 | |
好きな言葉 | 客観的 | |
カバろんさんとは:昼間は事務仕事をする兼業投資家。 2016年春に株式投資を始め、累計元本500万円を6年で3000万円に増やした。 本人は慎重に慎重を重ねる"ビビり戦略"ともいえる手法をとる。 最初はファンダメンタルズ派だったが、ある手痛い失敗から、18年からテクニカル分析を 取り入れた。自分が理解できるテクニカル指標を使うようになってから、 銘柄への盲目的な惚れ込みが徐々になくなり成果も出てきた。 こうしたこともあり本人は「客観的」というワードを好んでいる。 一方、目ぼしい銘柄がないときや調子が良くないときは勝負から撤退することで、 あらゆる暴落を回避してきた。 |
前回記事「コロナショックを無傷でスルー、ビビり&集中投資で資産6倍の技」を読む
用心に用心を重ねる"ビビり&集中投資戦略"ともいえる手法で、資産を守りながら増やしてきたカバろんさん(ハンドルネーム)の2回目になる。
前回は、全体的なスタンスと銘柄選別手順の一部を紹介した。簡単におさらいすると心配性な性格から、
「買いたい銘柄がない時は買わない」
「危ないものには触れない」
――を基本にしていることで、2018年のVIXショックやクリスマスショック、20年のコロナショックを無傷でやり過ごせた。そして、こうした嵐が過ぎ去り、ビビる必要のない局面では集中投資で大胆にリターンを狙う。
一例として前回取り上げたのが、アフターコロナ相場で話題になったAI inside<4488>だ。20年4月と10月の売買で計200万円のリターンをゲット。保有期間はいずれも1カ月以内だ。
今回は、ボラティリティ(株価の変動率)の大きい同社株で、上昇局面だけを2度も美味しくさらった理由を紹介する。ポイントは、テクニカル分析で買い時・売り時をどう見極めるかにある。
AI insideの決め手は、ある2つのテクニカル指標
前回の最後で触れたようにAI inside<4488>の取引で、買い時と売り時の見極めに主に活用したテクニカル指標は2つある。
買いでは、相場のトレンド転換を示すパラボリック。利益確定では、MACD(移動平均収束発散法)の推移が決め手になった。
パラボリックでは、SAR(ストップアンドリバース)と呼ばれる指標を使う。ローソク足がSARの上にあれば上昇相場、下にあれば下落相場と捉えることができる。
そのSARが、購入直前に上昇相場に転換するサインを見せていた。1回目の買いは5月19日、2回目は10月5日。その他、移動平均線やMACD、RSI(相対力指数)も上向きつつあった点も背中を押した。
利益確定の決め手になったMACDは、移動平均線を使って買いと売りのサインを見極めるもの。通常の移動平均線と異なり、MACDの移動平均線では影響力が高いとされる新しい株価の比重を高めて計算される。その線が単純移動平均線を上抜けたら「買いシグナル」、反対に下抜けたら「売りシグナル」となる。
下のチャートの通り、1回目と2回目の売りでは、紫で囲ったMACD(青)の勢いが一時的に弱まった場面が見られる。MACDとシグナル(単純移動平均線・緑)の幅が狭まってきていることもあり売却を決めたのだ。
■AI insideの日足チャートとMACDの推移(20年4~11月)
しかし、決まったテクニカル指標を機械的に使うだけで、成功を手にできるほど投資は甘くない。カバろさんが指標を上手に使いこなすには、それなりの技を持っているからにほかならない。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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