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【特集】コロナショックを無傷でスルー、ビビり&集中投資で資産6倍の技
第29-1回 強い投資家はどんな人~日本株投資家3900人調査で解明!(ケーススタディ編)
登場する銘柄
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相場が不安定になると怖くなってポジションをゼロにする。今も保有しているのは1銘柄のみ――。兼業投資家のカバろんさん(ハンドルネーム・31歳・男性)は、超がつくほどの心配性の性格だ。
旅行の前には「服が汚れるんじゃないか」「落とし物をするんじゃないか」と日程以上の荷物を詰め込み、妻に叱られるのは毎度のこと。これ以外にも体調がちょっとでも悪いと、すぐに病院に行こうとして妻に引き留められることも。
そんな"ビビり"な性格は株式投資にも投影され、自分を過信して失敗するのを何よりも恐れる。業績に魅力の欠ける銘柄は手を出さず、マーケットに変調を感じたら、あっさりと手を引く。
2018年初めのVIXショック、同年末に襲ったクリスマスショック、そして昨年のコロナショックの前には、異変を感じてポジションをほぼゼロにしていた。
しかし、相場が安定した環境で業績やテクニカル面で心配することが少ない銘柄を見つけたら、ここぞとばかり集中投資し、信用取引も活用する。
大胆でいて、細かな注意を払うのを忘れない胆大心小(たんだいしんしょう)。ボール球には絶対手を出さず、打ち頃のチャンス球が来たらフルスイングする。
こんな例えができる投資法によって、カバろんさんは2016年に投資を始めてから累計500万円の元本を3000万円に膨らますことに成功。単純計算で、リターンの年平均成長率は40%を超える。
「ビビりながら大胆勝負に出る」。カバろんの投資法の真髄とはどんなものか。その例を2回にわたり取り上げる。まずは昨年のコロナ暴落前後の取り組みを紹介しよう。
コロナショックの3カ月前に手仕舞いした理由
「どの銘柄も業績に頭打ち感が出ている」
コロナ暴落が起きる数カ月前の2019年末、カバろんさんは買いたい銘柄が見つからないことから、ポジションをゼロにしていた。
通常、投資候補のリストには50~100銘柄をリストアップしているが、この時は「監視対象の銘柄数が明らかに減っていた」と振り返る。
株式相場も19年11月ごろからボックス圏を形成し、強気と弱気が交錯していた時期。18年秋から突入していた景気後退や、米大統領選で激化してきた米中貿易摩擦の影響を懸念する動きが広がってきた可能性がある。
自身の監視銘柄の数が少なくなった異変サインに素直に従ったカバろんさんは、ポジションゼロに落とすと、その数カ月後にコロナショックが襲った。結果、日経平均株価が1カ月で8000円近く暴落するショックも、無傷でやり過ごせた。
ここまでだけだったら、カバろんさんの資産はコロナ前から増えることはない。だが、2020年の年間リターンは700万円。日本株資産は前年より3割多い2700万円に膨らんだ。その原動力はコロナ暴落の嵐が去って、相場の上昇を確認した後から勝負に出たことだ。
再開したのは、20年4月中旬。3月中旬に底打ちした日経平均がいったんの調整を経て、上昇トレンドに乗り始めた局面になる。
投資は消費需要の高いマスク関連銘柄から始め、4月中旬にアイ・アールジャパンホールディングス<6035>(以下、IRジャパン)に、そして5月に入ってからAI inside<4488>で勝負に出た。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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登場する銘柄
取材/真弓重孝・高山英聖、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)
カバろんさん(ハンドルネーム・30代・男性・兼業投資家) | ||
---|---|---|
日本株運用資産 | 3000万円 | |
累積投資元本 | 500万円 | |
累積リターン | 不明 | |
投資スタイル | ファンダメンタルズ×テクニカル分析 | |
主な保有期間 | 中短期(1週間~1カ月) | |
保有銘柄数 | 6~10銘柄 | |
投資開始年 | 2016年春 | |
他の投資対象 | 米国株、投資信託、仮想通貨 | |
自身の性格分析 | 慎重 | |
好きな言葉 | 客観的 | |
カバろんさんとは:昼間は事務仕事をする兼業投資家。 2016年春に株式投資を始め、累計元本500万円を6年で3000万円に増やした。 本人は慎重に慎重を重ねる"ビビり戦略"ともいえる手法をとる。 最初はファンダメンタルズ派だったが、ある手痛い失敗から、18年からテクニカル分析を 取り入れた。自分が理解できるテクニカル指標を使うようになってから、 銘柄への盲目的な惚れ込みが徐々になくなり成果も出てきた。 こうしたこともあり本人は「客観的」というワードを好んでいる。 一方、目ぼしい銘柄がないときや調子が良くないときは勝負から撤退することで、 あらゆる暴落を回避してきた。 |
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相場が不安定になると怖くなってポジションをゼロにする。今も保有しているのは1銘柄のみ――。兼業投資家のカバろんさん(ハンドルネーム・31歳・男性)は、超がつくほどの心配性の性格だ。
旅行の前には「服が汚れるんじゃないか」「落とし物をするんじゃないか」と日程以上の荷物を詰め込み、妻に叱られるのは毎度のこと。これ以外にも体調がちょっとでも悪いと、すぐに病院に行こうとして妻に引き留められることも。
そんな"ビビり"な性格は株式投資にも投影され、自分を過信して失敗するのを何よりも恐れる。業績に魅力の欠ける銘柄は手を出さず、マーケットに変調を感じたら、あっさりと手を引く。
2018年初めのVIXショック、同年末に襲ったクリスマスショック、そして昨年のコロナショックの前には、異変を感じてポジションをほぼゼロにしていた。
しかし、相場が安定した環境で業績やテクニカル面で心配することが少ない銘柄を見つけたら、ここぞとばかり集中投資し、信用取引も活用する。
大胆でいて、細かな注意を払うのを忘れない胆大心小(たんだいしんしょう)。ボール球には絶対手を出さず、打ち頃のチャンス球が来たらフルスイングする。
こんな例えができる投資法によって、カバろんさんは2016年に投資を始めてから累計500万円の元本を3000万円に膨らますことに成功。単純計算で、リターンの年平均成長率は40%を超える。
「ビビりながら大胆勝負に出る」。カバろんの投資法の真髄とはどんなものか。その例を2回にわたり取り上げる。まずは昨年のコロナ暴落前後の取り組みを紹介しよう。
コロナショックの3カ月前に手仕舞いした理由
「どの銘柄も業績に頭打ち感が出ている」
コロナ暴落が起きる数カ月前の2019年末、カバろんさんは買いたい銘柄が見つからないことから、ポジションをゼロにしていた。
通常、投資候補のリストには50~100銘柄をリストアップしているが、この時は「監視対象の銘柄数が明らかに減っていた」と振り返る。
株式相場も19年11月ごろからボックス圏を形成し、強気と弱気が交錯していた時期。18年秋から突入していた景気後退や、米大統領選で激化してきた米中貿易摩擦の影響を懸念する動きが広がってきた可能性がある。
自身の監視銘柄の数が少なくなった異変サインに素直に従ったカバろんさんは、ポジションゼロに落とすと、その数カ月後にコロナショックが襲った。結果、日経平均株価が1カ月で8000円近く暴落するショックも、無傷でやり過ごせた。
ここまでだけだったら、カバろんさんの資産はコロナ前から増えることはない。だが、2020年の年間リターンは700万円。日本株資産は前年より3割多い2700万円に膨らんだ。その原動力はコロナ暴落の嵐が去って、相場の上昇を確認した後から勝負に出たことだ。
再開したのは、20年4月中旬。3月中旬に底打ちした日経平均がいったんの調整を経て、上昇トレンドに乗り始めた局面になる。
投資は消費需要の高いマスク関連銘柄から始め、4月中旬にアイ・アールジャパンホールディングス<6035>(以下、IRジャパン)に、そして5月に入ってからAI inside<4488>で勝負に出た。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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