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【市況】今週の【早わかり株式市況】続落、米株高で買い先行も新型コロナ感染加速で下押す

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週連続で下落、週前半は買い先行もその後は不安定感増す
 2.米国株は強い動きも、国内の新型コロナ感染拡大に対する警戒が売りを誘う
 3.中国政府によるネット企業などへの規制強化を嫌気したアジア株下落も影響
 4.FOMCの結果は現状維持でパウエル議長の記者会見はハト派色強く安心感
 5.週末は500円弱の大幅安、日経平均の「月末安」はついに11ヵ月連続に

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比264円(0.96%)安の2万7283円となり2週連続の下落となった。

 今週は決算発表シーズン本格化を控え、好決算絡みの企業への物色意欲が高まることも予想されたが、国内での新型コロナウイルスの感染者数の増加や中国政府の規制強化の動きなどが嫌気され、週半ば以降は大きくバランスを崩し日経平均は安くなった。

 週明けの26日(月)は日経平均が続伸。日本が4連休中に米国株市場で主要株指数が足並みを揃えて強調展開を続け、最高値街道を走ったことでリスク選好ムードが強まった。寄り付きは400円を超える上昇でスタート。だが、新型コロナのインド型変異株であるデルタ株の感染が広がっていることや、中国や香港などアジア株が大きく下値を探る展開となったことから、その後は上げ幅を縮小している。27日(火)も米株高に追随する形で上昇した。企業の決算発表本格化を前に好業績株を物色する動きも寄与した。しかし28日(水)は急反落を余儀なくされた。新型コロナ感染者数の増勢に歯止めがかからず、経済への影響が懸念された。また、中国政府によるネット企業への規制強化の動きなどが嫌気され、市場心理を悪化させることに。日経平均の下げ幅は一時500円を超える場面もあった。29日(木)は反発に転じた。注目されたFOMCの結果は、金融政策は現状維持でパウエルFRB議長の記者会見もハト派色が強く安心感を与えた。前日の米国株市場でハイテク株に買いが入り、東京市場もこれを引き継ぐ形となった。そして週末30日(金)は再びリスクオフに。前日の米国株市場は堅調な展開だったが、日本国内で新型コロナ感染者の増加に拍車がかかり、緊急事態宣言の対象地域拡大なども懸念視されほぼ500円安。アジア株安も嫌気された。この日の下げで日経平均の「月末安」がついに11ヵ月連続となった。

■来週のポイント
 今週は200日移動平均線を巡る攻防が続いていたものの週末に下抜けが鮮明になったことから、来週も下値を探る展開が余儀なくされそうだ。

 重要イベントとしては、国内では6日に発表される6月景気動向指数が注目される。海外では2日発表の米国7月ISM製造業景況指数や4日発表の米国7月ISM非製造業景況指数、5日発表の米国6月貿易収支、6日発表の米国7月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(7月26日~7月30日)

【↑】   7月26日(月)―― 続伸、米株高でリスク選好もアジア株安で上値は重い
 日経平均 27833.29( +285.29)  売買高 9億6681万株 売買代金 2兆2492億円

【↑】   7月27日(火)―― 3日続伸、米株高に追随しリスク選好の買い継続
 日経平均 27970.22( +136.93)  売買高 9億3897万株 売買代金 1兆9971億円

【↓】   7月28日(水)―― 4日ぶり急反落、新型コロナ感染拡大加速を懸念
 日経平均 27581.66( -388.56)  売買高10億3788万株 売買代金 2兆2055億円

【↑】   7月29日(木)―― 反発、米ハイテク株高やアジア株堅調で買い優勢
 日経平均 27782.42( +200.76)  売買高11億6971万株 売買代金 2兆5790億円

【↓】   7月30日(金)―― 急反落、新型コロナ感染拡大を警戒し売り優勢
 日経平均 27283.59( -498.83)  売買高12億3671万株 売買代金 2兆8469億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、14業種が下落
 (2)その他製品が値下がり率トップ、任天堂 <7974> が急落
 (3)ソフトバンクG <9984> など情報・通信、清水建 <1803> など建設、味の素 <2802> など食品といった内需株が売られた
 (4)HOYA <7741> など精密機器、日産自 <7201> など自動車、コマツ <6301> など機械といった輸出株は堅調
 (5)金融株は第一生命HD <8750> など保険、三井住友トラ <8309> など銀行、マネックスG <8698> など証券が高いも
   イオンFS <8570> などその他金融は軟調
 (6)原油価格持ち直しでINPEX <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油株が反発
 (7)商船三井 <9104> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感株が買われた

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