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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「高値期日が接近」

株式評論家 富田隆弥

◆最高値を更新する米国株。それに比べて日本株は元気なく停滞が続く。日本株が冴えない理由として、新型コロナウイルスの感染拡大や長引く緊急事態宣言、経済回復の遅れ懸念、東京オリンピックの開催強行、内閣支持率の低下、外国人投資家離れなどが指摘されている。どれもみな“ごもっとも”である。

◆ただ、チャート的には少し違った見方もできる。コロナショックで世界の株価は昨年3月に安値をつけたが、そこから今年春先にかけて日本株は世界に先駆けて大きく上げていた。日経平均株価は2021年2月16日に3万0714円の高値をつけたが、昨年3月の安値1万6358円からの上げ幅は1万4356円。コロナショックによる昨年1月17日の高値2万4115円からの下げ幅(7757円)に対して1.85倍になる。最高値を更新するNYダウはコロナショック時の下げ幅は1万1355ドル(昨年2月12日の高値2万9568ドルから同年3月23日の安値1万8213ドルまで)、7月29日の直近高値3万5171ドルまでの上げ幅は1万6958ドルで約1.49倍であるから、日本株が先に大きく上げていたと言える。

◆特に日経平均株価は昨年10月末(2万3000円処)から今年2月16日の高値(3万0714円)までの3カ月半で7700円幅、率にして33%も急上昇。市場関係者が年初に挙げていた21年高値予想(2万9000円~3万円)を早々に達成していた。ならば、2月高値から調整に入るのは必然だったとも言える。

◆そして、2月16日高値からまもなく6カ月、旧盆の8月15日に高値期日を迎える。その頃には夏休みによる人流増加もピークアウト、新型コロナの新規感染者数も減少に転じる可能性がある。そう考えると、日本株はいま調整(停滞)の最終局面、8月半ば頃に調整一巡から出直ることも想定される。それに期待して準備しておきたい。

(7月29日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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