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【特集】ジャストプラ Research Memo(2):外食業界向け店舗管理システムの大手で契約店舗数は4,900店舗超(1)


■事業概要

ジャストプランニング<4287>の事業は、ASP事業、システムソリューション事業、物流ソリューション事業、太陽光発電事業、その他の5つの事業セグメントで区分されている。2021年1月期の事業セグメント別構成比を見ると、売上高はASP事業が39.8%、物流ソリューション事業が49.1%と2つの事業で全体の90%弱を占めるが、セグメント利益(売上総利益)ではASP事業だけで73.6%と過半を占めており、ASP事業が同社の収益柱となっている。各事業の内容については以下のとおり。

1. ASP事業
ASP事業は、インターネットを介して売上、発注/仕入、勤怠管理など店舗を運営していくうえで必要な業務用ソフトを利用できるサービス「まかせてネット」(1999年サービス開始)が主力となっている。主な顧客は、20~50店舗規模でチェーン展開する中小規模の外食企業であり、「まかせてネット」を導入することで店舗の経営状況を迅速かつ低コストで収集・管理・分析することが可能となる。契約店舗からの月額利用料が売上高の大半を占めるストック型ビジネスモデルで収益性も高く、同社の主力事業となっている。

「まかせてネット」の月額利用料金は利用するサービスによって変わるものの、1店舗当たり平均で2万円台前後の水準となっている(フルサービスの提供で約3万円)。競合企業の多くが月額1万円前後の料金水準で提供していることからすれば高めの料金設定となるが、これは他社であれば別途追加料金が発生するようなカスタマイズ対応についても、同社は無償でサービス提供していることが要因となっている(ただし、大幅な仕様変更については別途料金が必要)。

契約店舗数は、2021年1月期末時点で4,950店舗(契約企業数258社、物流管理システム「Logi Logi(ロジロジ)」含む)。国内の外食チェーン店舗数が2020年3月末時点で約5.69万店舗((一社)日本フランチャイズチェーン協会調べ)あることから、業界シェアは9%弱の水準となるが、主要ターゲットである50店舗以下の中小規模の外食チェーン向けに限れば1割強のシェアになっていると推定される。

競合企業としては、アルファクス・フード・システム<3814>、(株)日立システムズ、(株)アスピットなど同規模クラスの企業が5~6社ある。このうち、アルファクス・フード・システムとの比較で見ると、2020年度のASP事業の売上高についてはほぼ同規模となっている。なお、外食企業向けのASPサービスとしては、インフォマート<2492>も受発注サービスを行っており、一部サービスが重複している。ただし、インフォマートは主に売り手側(食品卸会社向け)のサービスをメインとしているため、インフォマートと顧客が重複する場合には互いにシステム連携を行うなど良好な関係を構築している。

同社は外食業界での垂直展開を図るため、「まかせてネット」以外の付加価値サービスの拡充も進めている。このうち「まかせてタッチ」(「POSITEV」の名称で2012年サービス開始、2014年に現在の名称に改称)は、飲食店で来店客からのオーダーを受ける際に使用する専用端末(ハンディターミナル)を、iPadやiPod touchなどの汎用端末に置き換えたサービスである。汎用端末を用いることで初期導入費用を約3分の1と大幅に低減できるほか、一般的に普及している端末を使うため従業員の習熟度も早く、研修のための期間や費用を圧縮できること、メンテナンス費用を低減できることなどがメリットとして挙げられる。契約店舗数は200店舗超とまだ少ないが、「まかせてネット」の導入店舗だけでなく新規顧客からの契約も徐々に増え始めている。

そのほか、ASP事業には新サービスとなる「Putmenu」の事業が含まれる。2018年2月に開発元となるボクシーズ(株)及び(株)タグキャストとの共同出資によりプットメニューを設立し(同社の出資比率は70%)、連結子会社としている。「Putmenu」の開発はボクシーズで担当し、顧客開拓を同社が中心となって外部パートナーも活用しながら進めている。

「Putmenu」は、飲食店等で利用客がスマートフォンアプリを使うことで注文・決済の待ち時間「0分」を実現するモバイル注文・決済システムで、決済手段としては主要クレジットカードのほか、携帯キャリア3社やLINE Pay、Apple Pay、PayPal、Alipay、PayPayなどのオンライン決済システムに対応している。また、アプリは12言語表示に対応しているほか、アレルギー物質の事前登録によるメニュー表示、ハラル、ヴィーガン表示にも対応するなど、外国人の利用も前提にした作りになっていることが特徴だ。

主な導入ターゲットとしては、商業施設のフードコートを中心とした飲食店のほか、イベント会場等の行列のできやすい飲食店や物販店、外国人観光客が多いホテルや観光地などが挙げられる。収益モデルは3通りで、常時営業している飲食店等では月額固定料金で提供し、イベント会場や観光地等では「Putmenu」を経由した流通総額の一定料率をレベニューシェアする料金体系、または月額固定料金と流通総額の一定料率を組み合わせたハイブリッド型の料金体系で提供していく方針となっている。

他にも複数のIT企業が類似サービス※を提供しているが、競合システムとの違いは、近距離無線通信技術(bluetooth)によるビーコン(電波送受信機)や、スマートフォンのGPS機能を使って利用客の位置を認識するIoT技術を組み合わせたシステムになっていることにある。利用者の位置情報がビーコン等によって認識されることで、あらかじめ設定したエリア内からしか注文できない仕組みとなっている。事業者側からは、どの席や場所から注文されたかが把握できるため、これらデータを収集・解析することで効果的なマーケティング施策を打つことも可能となり、類似サービスに対する強みとなる。なお、同仕組みは国際特許としてタグキャストが保有している(日米中韓英独仏など9ヶ国で取得)。

※2019年よりスターバックスやマクドナルドが自社開発したシステムにより、一部店舗でサービスを開始しているほか、(株)Showcase Gigの「O:der Table」など複数のITベンチャーがモバイル注文・決済サービスを提供している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

 提供:フィスコ

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