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【特集】ポート Research Memo(7):独自の戦略やM&Aを強みとして、売上高のCAGR30%以上を目指す(2)


■中長期の成長戦略

3. ビジネスモデルの変更
ポート<7047>は外部環境の影響を少しでも小さくするべく、販促活動のデジタル化に向けたビジネスモデルの変更を推進している。具体的には、4つのリスクから脱却し、強固なプロダクトを創出することを目指す。1つ目はGoogleアルゴリズムリスクだ。Googleが提供している検索エンジンは年に数回程度アップデートされるため、同社のメディアコンテンツのプレゼンスが突発的に低下する可能性がある。そのため、独自のコンテンツ及びサービスを開発することで、ブランド力を高めると同時にチャネルを分散化することで、検索エンジンに依存しない流入を目指す。2つ目は代理店依存である。代理店は営業効率が高い一方、エンドクライアントのデータを社内に蓄積することができない。クロスセル戦略を機能させるためにも、エンドクライアントへのアプローチを積極化し顧客資産を確立していく。3つ目は会員モデルの徹底だ。アフィリエイトリンク型のモデルでは、ASPや検索エンジンに依存してしまう。そのため、自社プラットフォーム内におけるコンバージョンを促進することで、行動データを蓄積していく。4つ目は1プロダクトあたりの規模拡大である。収益性と成長性が低い小規模メディアを多く保有するのではなく、大きな市場を選定したうえで業界におけるシェアを拡大することで、収益拡大を目指す。

4. IFRS適用理由とその影響
同社は2022年3月期よりIFRSの適用を開始している。これにより、資本市場における財務諸表の国際的な比較可能性を向上させ、機関投資家や海外投資家とのコミュニケーションを積極化する方針だ。M&A戦略を重要視している実態を考慮して、M&Aの結果生じたのれん償却額を償却対象外とし、投資家目線での収益性の評価のしやすさを向上させる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)

《NB》

 提供:フィスコ

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