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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

宇部興 <日足> 「株探」多機能チャートより

■宇部興産 <4208>  1,906円 (+74円、+4.0%)

 宇部興産 <4208> が3日続伸。同社は2日、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)内にポリイミド原料モノマー工場を増設すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。工場増設は、液晶テレビ向け回路基板やスマートフォン向け有機ELディスプレー、ハイブリッド車、電気自動車(EV)などの電装品市場拡大に対応するため。稼働は23年度下期を予定し、生産能力は現状の60%アップになるという。

■DyDo <2590>  5,560円 (+200円、+3.7%)

 ダイドーグループホールディングス <2590> が4日ぶり大幅反発。3日10時ごろ、テレビアニメ「鬼滅の刃」とのコラボ商品の販売計画を1500万本上乗せすると発表しており、業績への貢献を期待する買いが向かったようだ。販売計画を上乗せするのは「ダイドーブレンド ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」「ダイドーブレンド 絶品微糖」「ダイドーブレンド 絶品カフェオレ」の3商品。「鬼滅の刃」とのコラボでは、10月5日に計28種類の鬼滅の刃デザインパッケージを発売し、約3週間で累計販売本数5000万本を販売した。今回、販売好調を受けて販売計画の上乗せに踏み切った。

■ABCマート <2670>  5,760円 (+180円、+3.2%)

 エービーシー・マート <2670> が大幅反発。2日の取引終了後に発表した11月度概況で、既存店売上高は前年同月比5.4%減と2ヵ月ぶりに前年実績を下回ったものの、アク抜け感から買われたようだ。前年に比べて日曜日が1日多い曜日並びだったほか、オンラインはブラックフライデーセールの効果もあり好調だったが、新型コロナウイルスの第3波の影響により感染拡大地域で集客が減少した。なお、全店売上高は同4.1%減だった。

■SUMCO <3436>  2,371円 (+68円、+3.0%)

 SUMCO <3436> が異彩の上昇トレンドを形成。株価はついに15連騰となった。しかも11月2日以降3日までの1ヵ月間で、下落した日は何と2日間しかない。シリコンウエハーでは信越化学工業 <4063> と双璧の存在で、半導体関連の出遅れとして一気に水準訂正の動きが進んでいるが、「この背景には海外ファンドのポートフォリオ組み込みによる継続的な実需買いが観測されている」(準大手証券ストラテジスト)という。新値街道を走っているものの2018年1月の高値3345円からみても依然として上値余地が大きい。なお、信越化は2日に上場来高値をつけるなど株価面で大きく先行している。SUMCOの最高値は07年7月につけた6730円。

■日ガス <8174>  5,410円 (+150円、+2.9%)

 日本瓦斯 <8174> が反発。SMBC日興証券が2日付で同社の投資判断「1(強気)」を据え置き、目標株価を前回の5500円から6800円に増額したことが材料視された。リポートでは、LPガスと電力での顧客獲得は新型コロナウイルス下でも順調に推移していると評価。また、プラットフォーム事業では参加、導入の意向を示しているガス事業者が出てきており、21年3月期下期から22年3月期にかけて収益貢献が始まるとみている。

■平和不動産 <8803>  3,575円 (+80円、+2.3%)

 平和不動産 <8803> が続伸。10ヵ月ぶりに年初来高値を更新した。政府・与党は海外からの金融機関や金融分野の専門人材を集める国際金融都市の実現に前向きに取り組む姿勢をみせており、税制上の優遇措置などを設けこれを呼び水とする構えをみせている。そうしたなか、同社は東京都が実施する「金融系外国企業・人材に対する一時的オフィス提供事業」の認定オフィス事業者に選定されている。「国際金融都市・東京」構想実現への急先鋒としてマーケットで注目が集まった。同社株にとどまらず、東京ドーム <9681> のホワイトナイトとして脚光を浴びた三井不動産 <8801> の影響もあって、不動産株には思惑が広がりやすい。

■サカイ引越 <9039>  5,290円 (+100円、+1.9%)

 サカイ引越センター <9039> が反発。3日午前11時に発表した11月度の売上高(速報)は前年同月比3.1%増となり、2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感されたようだ。主力の関東地区が2.1%増となったほか、北海道から沖縄まですべての地域で前年比プラスを達成した。

■ヴィスコ <6698>  1,060円 (+20円、+1.9%)

 ヴィスコ・テクノロジーズ <6698> [東証2]が反発。2日の取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の2.6%にあたる16万5000株または1億7160万円を上限に、3日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表。これを受けて、株主還元の拡充が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められたようだ。なお、取得結果はまだ開示されていない。

■新日本製薬 <4931>  3,065円 (+55円、+1.8%)

 新日本製薬 <4931> [東証M]が反発。2日の取引終了後、12月15日付で東証1部へ市場変更となると発表しており、これが好感された。11月24日に東京証券取引所から同社株式をマザーズ市場から東証1部または2部へ市場変更する承認を受けていたが、市場区分は未定となっていた。発表を受けて、TOPIX連動型ファンドの組み入れ需要を見越した先回り的な買いに加え、知名度の高まりや株式流動性の向上を期待する買いなどが入ったようだ。

■日テレHD <9404>  1,172円 (+18円、+1.6%)

 日本テレビホールディングス <9404> が3日続伸。2日の取引終了後、21年3月期の連結最終利益を従来予想の10億円から120億円へ上方修正すると発表。減益率が96.7%減から60.7%減に縮小する見通しとなり、これを好感する買いが入った。保有するリクルートホールディングス <6098> 株の売却に伴い、投資有価証券売却益142億7800万円を特別利益に計上することに加え、地上波テレビ広告収入のうちスポット収入の回復傾向が想定よりやや上振れしていることなどが上振れの要因となる。

■Uアローズ <7606>  1,596円 (+23円、+1.5%)

 ユナイテッドアローズ <7606> は3日続伸。2日の取引終了後に発表した11月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高は前年同月比27.3%減と9ヵ月連続で前年実績を下回ったが、織り込み済みとの見方が強い。新型コロナウイルス感染再拡大によるマイナス影響が続いたことや、ビジネス需要の動きが鈍かったことなどが響いた。なお、前年9月12日からユナイテッドアローズオンラインストアが休業となったため、同サイトは既存店には含まれていないが、同サイトの休業期間にその他通販モールに在庫を集積して販売したため前年同月のネット通販既存店売り上げの水準は高くなっており、その影響で今年のネット通販既存店売り上げは前年比マイナスとなったという。

■TBSHD <9401>  1,913円 (+25円、+1.3%)

 TBSホールディングス <9401> が続伸。2日の取引終了後、21年3月期の連結最終利益を従来予想の67億円(前期比77.8%減)から261億円(同13.5%減)へ上方修正すると発表しており、これを好感する買いが入った。子会社TBSテレビが保有するリクルートホールディングス <6098> 株式の売却に伴い、売却益約297億3900万を特別利益として計上することが最終利益を押し上げる。11月30日にリクルートが実施する売出しに参加することにより一部売却することを決定したが、売却価格が2日に決定されたことを受けて上方修正に踏み切った。

■博報堂DY <2433>  1,576円 (+18円、+1.2%)

 博報堂DYホールディングス <2433> が3日続伸。2日の取引終了後、21年3月期の連結最終利益を従来予想の130億円から175億円(同61.0%減)へ上方修正すると発表しており、これを材料視する買いが向かった。11月30日に保有するリクルートホールディングス <6098> 株式を売却することを明らかにしていたが、2日に売却価格が決定されたことに伴い、投資有価証券売却益を計上する見込みとなったという。売却するリクルート株式は189万株で、売却益67億円を特別利益に計上する予定としている。

※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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