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【特集】新型コロナ第3波襲来、原則解禁で「オンライン診療関連」リアル株高へ <株探トップ特集>

4月から時限措置で解禁された初診からのオンライン診療が原則恒久化される見通し。オンライン診療関連は今後本格普及期を迎えることになり、株価調整中の銘柄は注目余地が大きい。

―菅政権で進む医療DX化の牽引役、調整局面にある株価には投資妙味も―

 11月以降、新型コロナウイルスの感染拡大が「第3波」の様相を呈し、週を追うごとに感染者数が過去最多を更新するような状況となっている。それに伴い、株式市場でも今年何度目かのコロナ関連銘柄への物色意欲が強まり、医家用衛生材料大手の川本産業 <3604> [東証2]や中京医薬品 <4558> [JQ]など一部の感染対策関連銘柄の人気が再燃。また、不二硝子 <5212> [JQ]、不二精機 <6400> [JQ]、ツインバード工業 <6897> [東証2]などのワクチン関連銘柄への関心も一気に高まった。

 その一方で、春先からのコロナの感染拡大により株価が上昇したものの、上昇一巡後は調整局面にある銘柄も多い。こうした銘柄のなかには、コロナ禍をきっかけにした変容で社会に定着するビジネスを手掛けるものもあり、株価的にも見直し余地は大きいが、その一つにオンライン診療 がある。

●普及進まぬ日本のオンライン診療

 オンライン診療は、パソコンやスマートフォンなどを通じて医師が患者の診察や診断を行うというもので、ビフォアコロナでも、海外の一部の国や地域で普及が進みつつあった。日本でも2018年度の診療報酬改定でオンライン診療料が初めて保険適用されたが、対象疾患が高血圧、糖尿病といった生活習慣病や、てんかん、小児特定疾患などに限定され、しかも事前に同じ医師による6ヵ月以上の対面診療が必要で、緊急時に概ね30分以内で対面による診察が可能な施設に限られていた。

 20年度の診療報酬改定では、通院が必要な慢性頭痛を対象疾患に追加したほか、事前の対面診療の期間が6ヵ月から3ヵ月となり、施設基準から緊急時対応の30分ルールが撤廃されるなど条件が緩和された。ただ、それでも対象疾患が限られていたことや、初診は対面が必須であること、医師サイドの反対などがあり、普及は遅々として進んでいなかった。

●コロナ禍で菅政権が恒久化を推進

 こうした状況のなか、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、医療機関での2次感染を防ぐなどの観点から、厚労省から臨時的・特例的にオンライン診療の対象範囲を拡大する方針が示された。それに伴い、4月の緊急経済対策では受診歴のない初診患者についても、電話やオンラインによる診療と服薬指導を認める方針が時限的な措置として示された。

 現在も時限措置として初診からのオンライン診療が認められているが、菅義偉首相は首相就任後、その恒久化を指示。10月には田村憲久厚生労働大臣、河野太郎行政改革・規制改革担当大臣、平井卓也デジタル改革担当大臣の3大臣が初診も含めたオンライン診療の原則解禁で合意し、コロナ禍収束後も映像によるやりとりができることに限って恒久化すると発表している。現在、対象とする病気の種類や診療報酬のあり方などについて、制度設計が進められている。

●高値から調整中の銘柄に注目

 時限的措置の恒久化の方向が示されたことで、いったん話題性が薄れたかに見えたオンライン診療関連銘柄だが、ここ最近の新型コロナウイルス感染拡大「第3波」襲来で、改めて関心が高まりつつある。株価面でもいったん調整している銘柄が見受けられることから、注目余地は大きいだろう。

 メドレー <4480> [東証M]は、日本最大級のオンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」を展開しており、第3四半期累計(1-9月)連結決算における利用医療機関数は4396件と前年同期比3.7倍に増加した。同社では今年9月から調剤薬局向けのオンライン服薬指導システム「Pharms(ファームス)」の提供を正式に開始しており、これも寄与したようだ。

 MRT <6034> [東証M]は、オプティム <3694> と共同で「オンライン診療ポケットドクター」を展開している。MRTの第3四半期累計(1-9月)連結決算では、医師紹介、医師ライフサポートサービスなどの拡大や「新型コロナウイルス抗体検出キット」の販売、「ポケットドクター」の寄与などで、営業利益2億2200万円を計上しており通期計画に対する進捗率が89%に達したことが注目される。

 エムティーアイ <9438> は、メディパルホールディングス <7459> と協業し、オンライン診療・服薬指導の「CARADA オンライン診療」を運営しており、9月末の契約数は882件に及ぶほか、婦人科向けにオンライン診療システム「ルナルナ オンライン診療」も提供している。これらヘルスケア事業の拡大に向けた先行投資で21年9月期業績予想は減益を見込むが、オンライン診療サービスの有償化スタートで今後の業績への貢献が期待できる。

●システムを手掛ける企業にもメリット

 このほか、国内最大級の医師相談サイト「AskDoctors(アスクドクターズ)」を運営するほか、LINE <3938> と共同出資したLINEヘルスケアでオンライン診療を近々開始する予定のエムスリー <2413> や、テレメディーズ(東京都千代田区)、オムロン ヘルスケア(京都府向日市)などと連携し、高血圧についてのオンライン診療サービスを提供するポート <7047> [東証M]にも注目したい。

 また、オンライン診療サービスそのものではないものの、オンライン診療対応の医療機関向けSaaS「FOREST」が順調に契約数を伸ばすイグニス <3689> [東証M]や、10月27日にオンライン診療プラットフォーム「オンラインドクターバンク」をローンチしたメディカル・データ・ビジョン <3902> なども普及によるメリットが期待できよう。

 更に、看護師との健康相談チャットなどができる「クリンタル」サービスを運営するほか、遠隔画像診断サービスを手掛けるJMDC <4483> [東証M]や、医師による健康相談サービス「first call(ファーストコール)」を運営するメドピア <6095> なども関連銘柄として挙げられる。

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