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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

ショーケース <日足> 「株探」多機能チャートより

■ショーケース <3909>  1,350円 (+300円、+28.6%)

 東証1部の上昇率トップ。ショーケース <3909> が3連騰。AI inside <4488> [東証M]との資本・業務提携が好感され前日2日まで連日ストップ高に買われていたが、3日も大きく買われた。2日の取引終了後、暗号資産交換所「Zaif Exchange」が新規口座開設時にオンライン本人確認/カンタンeKYCツール「ProTech ID Checker」を採用したと発表しており、これが評価材料に加わったようだ。同ツールは、マネー・ロンダリングやテロ資金供与防止を目的とした「犯罪収益移転防止法」に準拠したオンライン本人確認/eKYCツール。ビットコインなどの売買や決済サービスを展開する暗号資産交換所の本人確認をオンライン化することで、1週間程度かかっていた本人確認を最短当日まで短縮することが可能となり、ユーザの負担軽減および利便性向上につながるという。

■DLE <3686>  432円 (+80円、+22.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。ディー・エル・イー <3686> に寄り付きから大量の買い注文でストップ高。同社は著作権などキャラクター開発マーケティング事業を展開している。業績は低迷しているが、朝日放送グループホールディングス <9405> 傘下で再建を図っている。2日取引終了後、エンターテイメント・スポーツエージェンシー大手のCreative Artists Agencyが設立したワールドクラスのD2Cプロダクトの開発スタジオであるCREATIVE LABSに500万ドル出資したことが発表された。これが足もとの株価を強く刺激する格好となった。

■不二精機 <6400>  860円 (+150円、+21.1%) ストップ高

 不二精機 <6400> [JQ]が連日のストップ高。同社の株価は1日に小幅マイナスで引けたものの一時値幅制限いっぱいに買われる場面があり、取引時間中を含めると前週末11月27日から3日まで4営業日連続でストップ高を演じている。ワクチンの実用化が年内にも見込まれる状況にあることが報じられるなか、2日の米国株市場では英国でワクチンの緊急使用が承認された製薬大手ファイザーが株価を大きく上昇させ4連騰と一気に上げ足を強めている。そうしたなか、医療機器用精密金型を手掛ける同社は注射器などでワクチン特需を享受するとの思惑から短期筋の攻勢が加速した。

■IMV <7760>  571円 (+80円、+16.3%) ストップ高

 IMV <7760> [JQ]がストップ高となる80円高は571円まで一気に駆け上がった。振動試験装置で世界屈指の商品競争力を有しており、受託試験でも高い実績を持つ。世界的な電気自動車(EV)シフトの動きが進むなか、リチウムイオン電池の充放電の性能確認なども手掛けていることから、物色テーマの“バイデンシフト”の進む株式市場においてにわかに脚光を浴びている。株価は依然500円台と値ごろ感がありPERなど指標面からも割高感に乏しいほか、信用買い残が低水準にとどまっていることで、株式需給面からも上値が軽い。

■那須鉄 <5922>  7,000円 (+750円、+12.0%) 一時ストップ高

 那須電機鉄工 <5922> [東証2]が急反騰、一時ストップ高まで買われた。同社は2日、三菱化工機 <6331> などと共同で、水素を取り込む性質の合金(水素吸蔵合金)を用いた水素ガス高圧化の実証に成功したと発表。これが材料視されたようだ。この実証で同社は、水素吸蔵合金の開発、製作、特性評価を担当。今回の成功でコスト面に優れた吸蔵合金水素圧縮機の商用化が期待できるようになり、商用化実現の際には水素ステーションで既存機械式圧縮機との組み合わせにより、機械式圧縮機昇圧負荷の軽減を図れる可能性があるという。

■ウエスコHD <6091>  468円 (+44円、+10.4%)

 ウエスコホールディングス <6091> [東証2]が急反騰。株価は前日2日比12.3%高の476円まで上値を伸ばす場面があった。2日の取引終了後、光通信が関東財務局に大量保有報告書を提出。報告書によると、光通信の同社株式保有比率は5.01%となり、新たに5%を超えたことが判明した。これを受けて需給思惑的な買いが向かったようだ。保有目的は長期保有を目的とした純投資としている。報告義務発生日は11月25日となっている。

■KNTCT <9726>  1,036円 (+81円、+8.5%)

 KNT-CTホールディングス <9726> が3連騰するなど旅行関連株の一角が高い。3日朝方、政府が「GoToトラベル」事業について来年6月ごろまで延長する方針を固めたと伝わっており、これが好感されたようだ。KNTCTをはじめ、エイチ・アイ・エス <9603> やオープンドア <3926> 、旅工房 <6548> [東証M]、エアトリ <6191> などが上昇したほか、空運や鉄道株なども総じて堅調な展開となった。

■ザッパラス <3770>  538円 (+25円、+4.9%)

 ザッパラス <3770> が5連騰、連日の年初来高値更新。2日の取引終了後、21年4月期の連結業績予想について、売上高を37億6000万円から43億円(前期比13.5%増)へ、営業損益を1億1000万円の赤字から1億6000万円の黒字(同3.6倍)へ上方修正したことが好感された。上期において、主力の占いコンテンツはメディア露出による占いサービスへの注目度向上やサービス改善への継続的な取り組みに加えて、広告宣伝費の動機的な投下などが奏功し当初計画を上回って推移したことが要因としている。またこれを踏まえて、下期も堅調な進捗となることを想定しているという。なお、同時に発表した第2四半期(5-10月)決算は、売上高20億9700万円(前年同期比18.7%増)、営業損益8600万円の黒字(前年同期3500万円の赤字)だった。

■フェローテク <6890>  1,394円 (+63円、+4.7%)

 フェローテックホールディングス <6890> [JQ]が6連騰、連日の年初来高値更新が続いているが、3日まで6連続陽線となっており、これは後場にファンド系資金の実需買いが入ったとの観測もある。コロナ禍で世界的に企業がテレワーク導入を加速させたことからパソコンやサーバーなど通信関連機器の需要が増大し、これを背景に半導体市場が拡大基調を強めている。つれて半導体製造装置需要も増勢にあり、真空シールなど設備関連の部品で高い商品競争力を持つ同社の収益拡大への期待が高まっている。3日は5%を超える上げで1400円台に乗せた。年初来高値更新とともに19年4月の高値1351円も上回り、18年9月以来約2年3ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。

■大真空 <6962>  2,311円 (+101円、+4.6%)

 大真空 <6962> が9連騰、一時5.0%高の2320円まで買われた。高速通信規格5Gが徐々に普及するなか、水晶デバイス専業大手の同社に商機が高まっている。5G基地局向け水晶発振器ではこれまでのTCXO(温度補償水晶発振器)よりも小型で低消費電力のOCXO(恒温槽付水晶発振器)がニーズを捉える商品として注目されている。同社は超小型のArkh.3G(発信器)をOCXOのコア部に使用した独自構造により、従来よりも小型で高性能なOCXOの開発に成功している。5G基地局は高い周波数帯の関係で通信エリアの整備において膨大な設置数になるとみられており、同社の活躍余地が大きいとの見方が強まった。

■ジンズメイト <7448>  335円 (+14円、+4.4%)

 ジーンズメイト <7448> が大幅反発。2日に発表した11月度の既存店売上高は前年同月比19.0%減と前年割れが続いたが、人気漫画「鬼滅の刃」のコミック最終巻となる23巻の発売を4日に控え、関連株として思惑的な買いが向かったようだ。同社のほか、関連グッズを手掛けるエスケイジャパン <7608> が一時前日2日比16.2%高の573円と急伸したほか、3日コラボ商品の販売計画引き上げを発表したダイドーグループホールディングス <2590> も大幅高に買われた。

■アダストリア <2685>  1,848円 (+74円、+4.2%)

 アダストリア <2685> が3日続伸。2日の取引終了後に発表した11月度の月次売上高は、既存店売上高は前年同月比8.1%減と2ヵ月ぶりに前年実績を下回ったが、想定内との見方が強い。中旬以降の気温が高めに推移したことに加え、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響で客数が減少したことが響き、冬物商品の販売が弱含んだ。なお、全店売上高は同7.6%減だった。

■五洋建設 <1893>  836円 (+33円、+4.1%)

 五洋建設 <1893> が大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が2日付で同社の投資判断「オーバーウエイト(強気)」を据え置き、目標株価を800円から970円に引き上げたことが材料視された。リポートでは、国内建設、海外の売上高拡大による業績拡大の見方に変更はないと強調。また、洋上風力ビジネスも着実に進捗していると評価し、洋上風力案件が業績に寄与することはESG銘柄としての注目度の高まりにつながるとも指摘している。

※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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