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【特集】城南進研 Research Memo(6):固定資産売却により手元キャッシュが増加、財務内容は良好

城南進研 <日足> 「株探」多機能チャートより

■城南進学研究社<4720>の業績の動向

3. 財務状況
2020年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比63百万円増加の6,564百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では固定資産の売却に伴い現金及び預金が1,092百万円増加し、固定資産では有形固定資産が392百万円減少したほか、のれんが174百万円、敷金及び保証金が340百万円、投資有価証券が93百万円それぞれ減少した。

負債合計は前期末比41百万円減少の2,622百万円となった。流動負債では未払金が53百万円、未払法人税等が22百万円、前受金が82百万円それぞれ増加した一方、資産除去債務が152百万円減少した。固定負債では資産除去債務が163百万円減少した一方で、リース債務が52百万円増加したほか長期借入金35百万円を計上した。また、純資産合計は前期末比104百万円増加の3,941百万円となった。主に利益剰余金が55百万円増加したほか、土地再評価差額金の取り崩し等によりその他の包括利益累計額が79百万円増加した。

経営指標を見ると、固定資産を売却し現金及び預金が増加したことによって流動比率が前期末の86.4%から144.4%まで回復した。有利子負債を37百万円計上したが実質的には無借金経営となっており、自己資本比率も60.0%と高水準を維持していることから、財務内容は健全な状態にあると判断される。一方、収益性について見るとROEについては特別利益の計上により7.7%と3期ぶりに回復に転じたものの、ROAや売上高営業利益率については「城南予備校」の全校閉鎖という事業構造改革を遂行したこともあり、それぞれ-10.1%、-10.1%と3期連続で悪化した。ただ、事業構造改革の実施により収益体質はスリム化しており、新型コロナウイルス感染症によるマイナス影響が払拭されれば、収益性も向上するものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NB》

 提供:フィスコ

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