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【市況】今週の【早わかり株式市況】反発、国内外の経済活動再開を好感も米中対立が重し

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週ぶりに上昇、週半ばまで強い動きをみせたが後半利食われる
 2.企業の決算発表一巡し、国内の新型コロナ感染者数の伸び大幅鈍化は好材料
 3.国内外の経済活動再開の動きは好材料ながら、米中対立を警戒するムードに
 4.21日(木)の取引時間中に2万0700円台まで上昇するも、その後に軟化
 5.週末は全人代で「香港版国家安全法」が議論されることへの懸念で売り優勢

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比350円(1.75%)高の2万0388円と2週ぶりに上昇した。

 今週は企業の決算発表が一巡し、国内外で経済活動再開の動きが相次いでいることで下値を試す動きとはなりにくい一方、米中対立への懸念が買い手控え要因として意識された。週半ばまでは予想以上の強さを発揮したが、後半は利益確定売りに押される展開となった。

 18日(月)は前週末の米国株市場が高かったことなどを受けリスクを取る動きが優勢。国内の新型コロナウイルスの感染者数の伸びが大幅に鈍化したことを背景に、一部緊急事態宣言が解除され経済活動再開に向けた期待も反映された。19日(火)は日経平均が約300円の上昇と上値指向を強めた。前日に新型コロナに対するワクチン開発の前進観測から米国株市場でNYダウが900ドル超の急騰をみせ、これを好感した。もっとも後場は米中の関係悪化懸念などで伸び悩んだ。20日(水)は引き続き買い意欲が強く、日経平均は前週末から数えて4営業日続伸となった。米中対立を警戒するムードは拭えないものの、トランプ米政権の貿易交渉第1段階合意を破棄しない姿勢が伝わったことでやや緩和された。21日(木)は日経平均が5営業日ぶりに反落。一時2万0700円台まで上昇する局面もあったが、そこが目先の天井で買いは続かなかった。米中関係に対する不安心理が再び高まるなか、軟調な米株価指数先物を横目に売りに押される展開に。ただ、下値では押し目買いが入り下げ幅は小さかった。22日(金)は続落。後場に下げ足を強める展開。この日開幕した中国の全人代で「香港版国家安全法」が議論されることになり、香港株が急落、アジア株全面安で東京市場もこの影響を受ける格好となった。

■来週のポイント
 来週も経済活動再開と米中対立という好悪材料に揺れる相場が続き、2万0500円を挟んだレンジ相場が想定される。

 重要イベントとしては、国内では29日朝に発表される4月の完全失業率と鉱工業生産が注目される。海外では26日発表の米国5月コンファレンスボード消費者信頼感指数や、29日発表される米国4月の個人所得と個人消費支出に注視が必要だろう。

■日々の動き(5月18日~5月22日)

【↑】   5月18日(月)―― 続伸、米株高や経済活動再開への期待で買い継続
 日経平均 20133.73(  +96.26)  売買高12億1082万株 売買代金 2兆0037億円

【↑】   5月19日(火)―― 3日続伸、アジア株高や円安で景気敏感株に買い
 日経平均 20433.45( +299.72)  売買高15億8951万株 売買代金 2兆5408億円

【↑】   5月20日(水)―― 4日続伸、米株安もリスク選好の買い継続
 日経平均 20595.15( +161.70)  売買高12億1446万株 売買代金 2兆1730億円

【↓】   5月21日(木)―― 5日ぶり反落、米中対立への警戒感で利益確定売り優勢
 日経平均 20552.31(  -42.84)  売買高11億4829万株 売買代金 1兆9230億円

【↓】   5月22日(金)―― 続落、米中対立への警戒感が強まり売り優勢
 日経平均 20388.16( -164.15)  売買高12億2919万株 売買代金 1兆9334億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、32業種が上昇
 (2)日本取引所 <8697> などその他金融が上昇率トップ、野村 <8604> など証券、SOMPO <8630> など保険も堅調
 (3)原油価格回復で国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油株が買われた
 (4)住友電 <5802> など非鉄、郵船 <9101> など海運といった景気敏感株の一角が高い
 (5)経済活動の一部再開でANAHD <9202> など空運、OLC <4661> などサービス、ファストリ <9983> など小売りが上昇
 (6)オリンパス <7733> など精密機器、ホンダ <7267> など自動車といった輸出株も堅調
 (7)唯一、東電HD <9501> 、東ガス <9531> など電力・ガスが下落

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
 1(1) テレワーク
 2(2) 5G
 3(6) 人工知能(AI)
 4(3) コロナウイルス
 5(5) バイオテクノロジー関連 ── 米株急騰の火付け役 
  ※カッコは前週の順位

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