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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:日米企業決算、コロナ新規感染者数、各国PMI

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限21000-下限19000円

来週の日経平均は、不透明感が強いながらも2万円の大台回復を試す場面がありそうだ。トランプ米政権が経済活動の再開に向けた新たな指針を発表し、14日の日経平均は先物主導で上げ幅を拡大。3月25日に付けた戻り高値を上回り、4月のオプション特別清算指数(SQ、19577.48円)水準も回復。チャートは3月19日安値16358.19円を一番底、4月3日安値17646.50円を二番底とする反転トレンドを示している。米国での新型コロナの感染ピークアウトと抗ウイルス薬の治験進展、経済活動の復活を期待する流れが形成されていることが相場の支援材料となっている。しかし、国内では緊急事態宣言の対象地域が全都道府県に拡大されるなど、新型コロナの感染拡大に対する警戒感はなお強く、日経平均も20000円近辺では上値の重さが意識されてこよう。こうしたなか、今週は市場にインパクトを与える目立った経済指標が見当たらないことから、予想される波乱要素は少ない。

むしろ、米国で本格化する企業決算の発表が相場全体の流れを左右してきそうだ。主要な米企業の決算発表スケジュールは、20日にIBM、21日にテキサス・インスツルメンツ、ネットフリックス、23日にアマゾン・ドット・コム、インテルが予定されている。特にテキサス・インスツルメンツやインテルの発表は、アドバンテスト<6857>や東京エレクトロン<8035>など日経平均寄与度が大きい半導体関連株に影響を与えるだけに注目だ。国内企業では、23日のディスコ<6146>やキヤノン<7751>、24日のアドバンテスト<6857>やファナック<6954>の決算が関心を集めるだろう。しかし、翌週からのゴールデンウィークも意識され始め、大型株は週後半になると全般に動きにくくなることが予想される。17日にかけて日経ジャスダック平均が10連騰、マザーズ指数が5日続伸していることが示すように、値動きが軽い新興市場の小型株に物色人気が一層傾く可能性がある。

主な国内経済関連スケジュールは、20日に3月貿易統計、3月コンビニエンスストア売上高、24日に3月全国消費者物価指数、3月企業向けサービス価格指数、2月全産業活動指数が予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールは、20日に米3月シカゴ連銀全米活動指数、21日に米3月中古住宅販売件数、22日に米2月FHFA住宅価格指数、23日に米3月新築住宅販売件数、24日に米3月耐久財受注が予定されている。


■為替市場見通し

来週のドル・円は下げ渋りか。米トランプ政権の経済活動再開に向けた指針が示され、都市封鎖の段階的な解除への期待が広がりそうだ。新型コロナウイルスの米国内での感染拡大への警戒感は消えていないものの、経済・社会情勢のさらなる悪化への懸念は和らいでおり、リスク回避目的のドル売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。

米連邦準備制度理事会(FRB)による資金供給措置を背景としたドル売りは後退し、足元はドル選好地合いが強まっている。米国の3月小売売上高や4月NY連銀製造業景気指数などの経済指標は予想外に悪化し、ウイルスの影響への懸念が再燃した。16日発表の新規失業保険申請件数は500万人を大幅に上回り、4週間で2000万人超が職を失った。

トランプ政権は自国経済へのダメージを和らげるため、経済再開に向け3段階のプロセスで正常化に導く指針を示した。進ちょく状況により1カ月後には完全再開の可能性があることから、米国景気の早期回復への期待は残されることになりそうだ。ただ、新型ウイルスの感染によって毎日多くの人が亡くなっていること、米企業決算の悪化などを意識して米長期金利が上げ渋った場合、リスク選好的なドル買いは縮小する可能性がある。


■来週の注目スケジュール

4月20日(月):日・貿易収支、欧・ユーロ圏経常収支など
4月21日(火):日・工作機械受注、英・失業率、米・中古住宅販売件数など
4月22日(水):英・消費者物価コア指数、トルコ・中央銀行が政策金利発表、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数など
4月23日(木):日・製造業・サービス業PMI、景気先行CI指数、欧・ユーロ圏製造業・サービス業PMI、米・製造業・サービス業PMI、米・新築住宅販売件数など
4月24日(金):日・消費者物価コア指数、全国百貨店売上高、独・IFO企業景況感指数、米・耐久財受注、米・ミシガン大学消費者マインド指数など

《YN》

 提供:フィスコ

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