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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 4月19日版

NYダウ、日経平均とも本年前半の最高値を目指す公算
1.NYダウの本年の読み方
 本年は、人為的に不況を作り出した(コロナによる影響で不況になったわけではなく、人と物の移動を制限したことで不況になっています)ため、株価に影響を与える材料がいつ頃、どのようにあらわれるのかがわかりやすい年です(統治者の責任で人と物の移動を制限したので、統治者が回復へ向かわす義務を負います)。
 また、2月と3月に本年中、超えられない高値、割れることのない安値をつけていることも、今後の展開を読みやすくしています。以下で紹介する通り、現在の上昇は、現時点で上げられる上値の限界を目指す動きへ入っていると考えられます。
 前週までの動きで目先の展開が見えてきたため、本年全体のシナリオも見えてきました。そこで、以下では本年の NYダウ、日経平均株価の想定できる展開について述べていきます。
 トランプ大統領は16日、各州が状況に応じて3段階で封鎖措置の解除を進めるべきとの考えを示しました。経済再開へ向けた道筋をつけたことで、節目となっている2万3500ドル前後でうろうろしていたNYダウは、17日、一気に上げ幅を拡大して、それまでのもみ合いを上方へ抜け出しています。
 経済対策に加えて、経済再開へ光が差し込んできたことで、現時点で想定できる株価上昇の材料のすべてが出尽くしたことになります。したがって、今回の上昇は、この材料で上げられる上値の限界を探る動きだと考えられます。
 今回の上昇が戻り高値をつけた後は、戻り高値からのマイナスの査定になります。経済再開の時期が遅れる、人の移動制限が緩和された後、想定していた以上に消費が回復しないなど、戻り高値を基準にして、悪材料だけに反応して徐々に価格が下がることになります。
 都市封鎖による中小企業対策として、雇用の維持を条件に6月末まで政府が給与支払いの肩代わりをしますが、7月以降、経済がスムーズに回復していかなければ、中小企業で積極的なリストラが始まり、景気を押し下げることになると考えられます。
 NYダウは7月以降、来年を見据えた動きへと変わっていきます。7月以降、大統領選挙が本格化する中で、政府が来年の経済をいかに盛り上げるかを提案するはずです。
 NYダウは、選挙公約の内容が評価されるなら、7月以降、徐々に下値が支えられて、新たな高値を模索する動きへ入る可能性が出てきます。
 7月以降の実体経済の回復が鈍い、各国企業の連鎖的な債務不履行が発生して深刻化するなどのことが起こると、NYダウは9月、10月頃まで下値を掘り下げる展開になる可能性が出てきます。
 図1は、NYダウ日足と前述の内容を考慮した本年のおおまかなシナリオです。
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