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【特集】ノムラシステム Research Memo(3):後継製品にリプレイスする2025年までを飛躍の期間に

ノムラシス <日足> 「株探」多機能チャートより

■当面の事業展開

前述のとおり、ノムラシステムコーポレーション<3940>は全世界130ヶ国以上に支社を持つ、ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社SAPとサービスパートナー契約を結んだことが、飛躍のきっかけとなった。

SAPは、大企業や中堅企業、公的機関など比較的大きな法人向けERP市場において、25業種30万社以上の顧客を擁している。リプレイス需要が生じているため、今後も同社にビジネスチャンスをもたらすことになりそうだ。

現在の主力である「SAP ERP 6.0」は、2025年にメンテナンス終了予定となっており、今後は後継製品「SAP S/4 HANA」へのリプレイス需要増にいかに対応するかが、事業を展開するうえでのポイントになってくる。

このリプレイス需要増は、同社が目指すプライム案件取り込みのチャンスになる。先行き膨らむと想定される「SAP ERP」需要を高収益のプライムで獲得し、中長期的な経営目標として、経常利益率15%以上を確保できるように、プライム案件の受注に力を注ぐ方向だ。

同社では、「SAP S/4HANA」へ完全切替えとなる2025年までを大きく成長する期間として位置付けている。その時点では、「SAP S/4HANA」を土台に、ERPとビッグデータ分析、RPA、AI、IoT、クラウドの組み合わせにより、顧客の競合優位の確立を支援する。そのためには、レベルの高い人材育成、採用が課題となりそうだ。そうした中で、新卒を育てて戦力化させ、着実にビジネスをこなしていく。

一方、同社は2018年6月に念願だった東京証券取引所市場第1部銘柄に指定となった。これによって、社員の士気が高まるほか、顧客の信頼度がよりアップし、プライム案件の受注活動の追い風となる。

さらに、「次世代戦略室」を発足させたことが見逃せない。ここでは、持続的成長と企業価値の向上の実現加速を目指していくが、ここで注目できるのがRPA(Robotic Process Automation)の推進だ。

RPAとは、「ロボットによる業務の自動化」を意味する。業種・職種を問わず、ロボットが、人がパソコン上で行う業務を人に代わって行うようになっているが、同社ではRPAの導入効果を最大限発揮するための、サポートをするパッケージを提供。足元では引き合いが活発化していると言う。今後、ERPに加えて、RPAによるロボット化をサポートすることで付加価値を高め、全体の受注拡大につなげる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)

《SF》

 提供:フィスコ

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