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【特集】利益成長【青天井】銘柄リスト〔総集編〕第4弾 23社選出 <成長株特集>

アバント <日足> 「株探」多機能チャートより
 9月2日から3回にわたって配信した「利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】」では、18年4-6月期の経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄を対象にお届けしました。本特集では、これまでの対象からは外れたものの、18年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益成長が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした(9月13日現在)。

 下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を“5%未満”ながら上回った銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している23社を選び出し、4-6月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

 上振れ率トップとなったのは日本電産 <6594> 。18年4-6月期(第1四半期)は前期に買収した独コンプレッサーメーカーの業績上積みに加え、電動パワーステアリング用の車載モーターや液晶ガラス基板搬送用ロボットなどの販売が大きく伸び、経常利益は469億円と全四半期ベースの過去最高益を3四半期連続で更新した。同社は電気自動車(EV)駆動用モーターや小型ロボット用減速機など成長分野への積極投資を拡大し、21年3月期に売上高2兆円(18年3月期実績は1兆4880億円)、営業利益3000億円(同1676億円)の達成を目指す。

 2位に入ったのは連結会計システムで国内トップシェアを誇るアバント <3836> 。4-6月期(第4四半期)は国際会計基準を採用する企業の増加などを背景にコンサルティングサービスが大きく伸び、経常利益は前年同期比67%増の4.9億円に膨らんだ。注力事業である決算業務アウトソーシングの拡大も増益に貢献した。あわせて発表した19年6月期の経常利益は前期比1.3%増の16.5億円と小幅増益の見込みだが、前期末のコンサルティング業務の受注残高が高水準なうえ、同社は期初予想を保守的に立てる傾向が強く、業績上振れが期待できそうだ。

 3位のバリューコマース <2491> は親会社のヤフー <4689> が運営するYahoo!ショッピングの出店者向けCRM(顧客管理)ツール「ストアーズ・アールエイト」の導入が拡大したうえ、成果報酬型広告やクリック課金型広告も伸び、4-6月期(第2四半期)の経常利益は4四半期連続で過去最高益を達成した。18年12月期の同利益は前期比44%増の32.5億円と2期連続の最高益更新を見込む。同社は「ストアーズ・アールエイト」が軌道に乗った17年12月期から業績高変化を遂げており、株価は今年に入ってから約3倍に跳ね上がっている。

 4位のWDBホールディングス <2475> は人手不足が長期化するなか、主力の理学系研究職派遣や工学系技術職派遣の好調が続き、4-6月期(第1四半期)の売上高は四半期ベースで初の100億円大台乗せを達成した。同社は昨年3月にフィンランドのCRO(医薬品開発支援)大手を買収するなどCRO事業を人材サービスに続く第2の収益源に育てる方針で、21年3月期に売上高1000億円(18年3月期実績は379億円)、経常利益100億円(同42.2億円)の目標を掲げる。

 6位に入ったアルゴグラフィックス <7595> は3次元CADシステムの販売や保守サービスを主力としている。4-6月期(第1四半期)は自動車業界の投資意欲が引き続き旺盛だったことに加え、半導体業界向け生産管理工程システムの販売が伸び、2四半期連続で経常利益ベースの最高益を更新した。第1四半期実績の通期計画に対する進捗率は31.5%に達しており、業績上振れが期待される。株価は好決算が評価され、8月30日に1999年につけた最高値4500円を約19年ぶりに更新、その後も強調展開が続いている。

 7位の手間いらず <2477> [東証M]は訪日外国人客の増加を追い風に、複数宿泊予約サイトを一元管理する宿泊予約サイトコントローラ「TEMAIRAZU」の好調が継続し、4-6月期(第4四半期)は実に5四半期連続となる最高益更新を果たした。同時に発表した19年6月期の同利益は前期比17.1%増の8.1億円と5期連続最高益を計画する。今期は「TEMAIRAZU」の機能を拡充するとともに予約サイトやシステムとの連携を強化し、新規契約とバージョンアップの増加を見込む。

●“青天井”シリーズ ─────
利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 30社選出
利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 33社選出
利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 21社選出
も併せてご覧ください。

           ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名     上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER
<6594> 日電産       4.9  46941  44737   14.0  187500  164460 31.0
<3836> アバント      4.9   496   473    1.3   1654   1632 27.3
<2491> Vコマース     4.8   860   821   44.0   3250   2257 33.2
<2475> WDB       3.3  1262   1222    9.0   4608   4229 25.6
<9022> JR東海      3.3 176293  170626    0.1  584000  583569 11.0
<7595> アルゴグラフ    3.0  1316   1278    3.5   4180   4037 17.8
<2477> 手間いらず     2.9   180   175   17.1   810   692 37.1
<8424> 芙蓉リース     2.8  9912   9639    6.5  37500  35200  8.6
<3687> Fスターズ     2.7   266   259   23.0   1000   813 70.0
<4768> 大塚商会      2.6  15646  15256    5.6  48000  45460 23.6

<6157> 日進工具      2.4   778   760    1.7   2780   2733 18.5
<6465> ホシザキ      2.4  12205  11919    0.3  37200  37086 31.7
<3221> ヨシックス     2.2   521   510   14.4   2240   1958 21.8
<4917> マンダム      2.1  4215   4129    0.4   9300   9264 26.9
<8766> 東京海上      1.8 138056  135587   16.1  450000  387659 11.4
<6448> ブラザー      1.7  22502  22135    0.5  70000  69669 10.2
<5019> 出光興産      1.6  81594  80346   10.5  250000  226316  8.3
<4919> ミルボン      1.3  1538   1518   12.9   5640   4997 37.8
<3401> 帝人        1.1  21194  20962    5.6  72000  68162  8.4
<4549> 栄研化       1.0  1326   1313    2.9   4230   4112 29.1

<4748> 構造計画      0.5  1000   995    0.5   1175   1169 13.4
<6616> TOREX     0.4   923   919   11.6   2230   1998 12.5
<3003> ヒューリック    0.1  21469  21451   10.7  68500  61870 14.7

※ 2017年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

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