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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

オークマ <日足> 「株探」多機能チャートより

■オークマ <6103>  6,640円 (+240円、+3.8%)

 オークマ <6103> が大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で、投資判断「ニュートラル」を継続し、目標株価を7150円から7500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。日本、米州、欧州の受注が自動車向けの需要好調などで、同証券の想定以上に堅調であることや、受注好調の織り込みによる営業利益予想の上方修正などを考慮し、18年3月期営業利益予想を200億円から207億円へ、19年3月期を同225億円から231億円へ、20年3月期を同234億円から240億円へそれぞれ上方修正したことが要因としている。

■住友鉱 <5713>  4,560円 (+164円、+3.7%)

 住友金属鉱山 <5713> が4日ぶり反発、ここ非鉄関連株は調整色をみせていたが、12日は同社株を筆頭に戻り足を強める展開となった。買い戻しの背景にあるのは、前週末にLMEの銅やアルミ、ニッケルなどの価格がいずれも上昇したこと。米国経済は改めて好調が確認され、貿易摩擦問題も過度な不安心理が後退して世界経済減速への警戒感が緩和されている。これに銅市況も反応している格好で、非鉄セクターの銘柄にもプラスに働いた。

■郵船 <9101>  2,248円 (+71円、+3.3%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手をはじめ海運株 が軒並み上昇。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が前週末に小幅ながら上昇し1200台を回復している。前週末の米雇用統計で米経済の強さが改めて確認されたほか、トランプ米大統領の打ち出す輸入制限が世界経済に与える影響が限定的との見方から、世界の物流ニーズを反映する海運市況の先行きに対しても悲観的な見方が後退している。海運株は底値模索の動きにあったが、目先底値感からリバウンド狙いの買いを誘発した。

■シスメックス <6869>  8,920円 (+280円、+3.2%)

 シスメックス <6869> が反発。SMBC日興証券が9日付で、投資判断「2」を継続しつつ、目標株価を6700円から8100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。中国での試薬の値上げや、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ地域)における試薬売り上げの拡大、さらにライフサイエンス事業の収益拡大を反映し、18年3月期営業利益予想を585億円から598億円へ、19年3月期を同657億円から670億円へ、20年3月期を同729億円から752億円へそれぞれ上方修正したことが要因としている。

■出光興産 <5019>  4,185円 (+130円、+3.2%)

 出光興産 <5019> が反発。同社は9日取引終了後、豪州燃料油販売会社のトリニティー社を買収(株式を100%取得)したことを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。買収金額は非開示ながら、トリニティーは豪州で軽油やガソリンなどを年15万キロリットル販売、売上高は約2億豪ドルに達しており、今回の買収に伴う業容拡大効果を材料視する買いを呼び込んだ。

■東エレク <8035>  22,205円 (+675円、+3.1%)

 東京エレクトロン <8035> が3連騰となったほか、ディスコ <6146> 、アドバンテスト <6857> 、SCREENホールディングス <7735> など半導体製造装置株が軒並み上昇。米国株市場ではハイテク株比率の高いナスダック指数の上昇が際立っており、前週末に史上最高値を更新。この背景には半導体需要の拡大を背景とした関連銘柄の上値追いがある。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は前週末に2001年以来の最高値を更新、半導体装置大手のアプライドマテリアルズが3.8%の上昇を示すなど全体を牽引している。この流れが東京市場にも波及した。また、足もとの為替が1ドル=107円近辺まで円安に振れていることもポジティブに働いた。

■アルコニクス <3036>  2,297円 (+65円、+2.9%)

 アルコニックス <3036> が5日続伸。世界的に半導体製造装置関連銘柄への見直し買いに勢いがついてきた。米国ではアプライドマテリアルズが2000年以来の高値を更新中で、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も同様に実質青空圏を走る状況。東京市場でも出遅れ感から関連銘柄に国内外機関投資家の投資資金が流入している。またこれは、半導体製造装置の部品メーカーにも収益機会を与えており、非鉄商社である同社も同装置向け精密加工部品販売を手掛けていることで、物色の矛先が向き始めた。電気自動車(EV)向け2次電池で不可欠となるリチウムやコバルトを扱っていることも思惑材料となっている。

■旭硝子 <5201>  4,415円 (+125円、+2.9%)

 旭硝子 <5201> が3日続伸。9日、同社が発行済み株式数の1.36%にあたる319万9600株の自社株を消却すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は3月30日。

■船井総研HD <9757>  2,068円 (+57円、+2.8%)

 船井総研ホールディングス <9757> が反発。東海東京調査センターが9日付で、目標株価を2733円から2400円へ引き下げたものの、時価水準とのカイ離が大きいことや、投資判断「アウトパフォーム」を継続したことが好材料視された。ソリューション変更などで、17年12月期業績が同センター予想を下回って着地したため、18年12月期以降の同センター予想を前回予想から下方修正し、目標株価も引き下げたが、18年12月期以降は主力事業の拡大と新規事業の伸長により、順調な増収増益を予想。また、総合経営コンサルティンググループ実現などの成長戦略を考慮し、18年12月期営業利益は前年比27%増(会社予想5.8%増)、19年12月期は同17%増を見込んでいる。

■パナソニック <6752>  1,679.5円 (+44.5円、+2.7%)

 パナソニック <6752> が3日続伸。10日付の日本経済新聞で「監視カメラ事業の生産部門を売却する方向で調整に入った。外資系投資ファンドを軸に数百億円規模で売る交渉を進める」と報じられており、これを好材料視した買いが入ったようだ。記事によると、同社は監視カメラ で国内首位だが、海外でのシェアは小さいことから、主力の生産部門を切り離してソフト面の開発に集中するという。また、売却資金は企業向けシステムの買収や自動車用電池など他の重点分野に振り向けるとしていることから、事業の選択により収益力の向上が期待されている。

■SUMCO <3436>  3,050円 (+73円、+2.5%)

 SUMCO <3436> が3日続伸、2月7日以来の3000円大台回復を果たした。ここ米国株市場では半導体関連株の復調が著しい。その背景には世界的に仮想通貨 のマイニング(採掘)需要が高まっていることも影響している。仮想通貨の価格変動リスクが強く意識されるなかも、マイニングマシン市場の拡大はとどまるところを知らず、ASICやメモリーなどの半導体メーカーには強い追い風となっている。シリコンウエハー大手である、同社株にも海外投資家の買い戻しや新規買いが活発化したようだ。

■キッコーマン <2801>  4,325円 (+95円、+2.3%)

 キッコーマン <2801> が6日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で、投資判断「オーバーウエイト」、目標株価5000円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、同社の海外事業は今後、北米の安定成長に加えて、欧州の収益貢献が急速に高まると想定。海外事業のトップライン成長と国内事業の収益性改善による連続最高利益の更新が見込めるとして、20年3月期に営業利益400億円を突破し、22年3月期には500億円に到達すると予想している。

■養命酒製造 <2540>  2,319円 (+45円、+2.0%)

 養命酒製造 <2540> が続伸。前週末9日の取引終了後、18年3月期の単独業績予想について、最終利益を7億円から15億8000万円(前期比15.5%増)へ上方修正したことが好感された。埼玉県鶴ヶ島市の土地を譲渡したことに伴い、固定資産譲渡益14億5500万円を特別利益として計上することが要因という。なお、昨年6月の改正酒税法の施行に伴い店頭における販売価格が上昇したことの影響で、国内「養命酒」の売り上げが減少しているため、売上高は114億6000万円から106億8000万円(同13.0%減)へ、営業利益は7億円から4億6000万円(同72.2%減)へ下方修正している。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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