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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ 曙光がみえた!?

株式評論家 植木靖男

「曙光がみえた!?」

●数多の警戒材料に変化の兆し

 株価がようやく収まりかけてきた。1月高値からすでに30日を超えている。通常の調整であれば、これで十分である。

 昔から悪材料が10指でも間に合わないほど相次いだときは底入れが近い、とされている。

 現状はどうか、海外からはトランプ大統領の保護主義的な通商政策、米金利上昇による米国株下落。一方、国内では円高の進行、経済減速の指標の表面化、来期企業収益への懸念、日銀の金融政策転換への警戒感、株式需給から市場の主導権を握る海外勢の大幅売り越し、3月決算期末を控えた機関投資家の益出しなど、数え挙げれば切りがない。

 なかでも、これ以上の悪い材料はないと思われる世界不況論。リーマン・ショック後の景気拡大局面が終わりつつあるとの予測が出始めたことは底入れとみざるを得ない。

 だからこそ、ここ日々、カラ売り比率は40%後半が続いているのであろう。

 さて、現状、数々の警戒材料は少しずつ変化してきているようだ。

 トランプ大統領の通商政策、なかでも輸入制限は、同盟国は除外はしないが交渉次第と柔軟な態度に変化している。どうやら標的は中国のようだ。17年の米国の貿易赤字(サービス除く)の多くは中国からであり、その赤字幅は3700億ドル。だが、日本やドイツからの赤字は1000億ドルにも足りないのだ。

 また円高トレンドは、ドルインデックスをみても明らかに底入れチャートをみせている。1ドル=105円台はコンクリート状といえそうだ。

●米国株回復ならば海外勢の売り圧力後退

 かくして、株価は目先的には米国株はダウ平均ナスダックともに買い転換したかにみえるし、日本株もやっと週末、曙光がみえた。ただ、衝撃的な下げだっただけに、週明け買い転換を確認する上昇が必要だろう。週明け下げるようであれば、元の木阿弥だ。転換には時間を要しよう。

 ところで、気掛かりなのは需給である。年初からの海外勢の売り越しは先物も含めると7兆円に迫る勢いだ。

 もっとも、米国株が戻りに入れば、日本株を買い戻すとみられる。機関投資家の益出しも、来期のことを考えれば無茶な売りは控えよう。

 さて、当面の物色銘柄はどうか。

 いうまでもないが、業績、時代性つまりテーマ、それに市場人気の3者が揃わないと上昇しないのはもちろんだ。

 だが、当面は、とにかく深押しした銘柄が、まず売り方の買い戻しから騰げることになる。

 注目銘柄は、浜松ホトニクス <6965> 。光の技術で世界トップクラス。光電子増倍管で世界シェア90%。世界各国から研修生がやってくる。医療、カメラなど最先端応用製品を持つ。ミライアル <4238> 、半導体のプラスチック容器が好調だ。また、フジクラ <5803> も面白そうだ。NTTドコモ <9437> と新型燃料電池の実用化に取り組む。

2018年3月9日 記

株探ニュース

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