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【特集】新社名に込めた想い、イメージ一新で飛躍目指す期待の企業は <株探トップ特集>

門出の季節には、企業も社名変更で新たな挑戦に出発する。4月1日に商号を変更する5社の意図を追った。

―4月1日商号変更その理由―

 桜の開花予想も話題となるなど、4月新年度のスタートが間近に迫った。上場企業にとっても新たなスタートの時期に当たり、毎年4月を迎えるのを機に社名(商号)変更に踏み切るケースも多い。持ち株会社制度を採用して社名に「ホールディングス」を加える企業が多いなか、海外市場への対応、新規事業分野への進出、ブランド名と社名との統一など、背景はさまざまだが、各社とも社名変更に一段の飛躍を託している点は共通しているようだ。

●桧家HD、グループのブランド力強化で業容拡大目指す

 桧家ホールディングス <1413> [東証2]は、社名を「ヒノキヤグループ」に変更する。社名変更の理由について同社では「主力の木造注文住宅に加えて、事業領域が硬質ウレタンフォームなどの建築資材、コンクリート住宅、介護保育など広がりをみせるなかで、“桧”という文字から受ける木造限定のイメージとのミスマッチ解消が狙い。これを機に、グループのブランド力を強化し、一層の業容拡大に努め、持続的成長と企業価値の向上に取り組む」(総合企画部)としている。同社は、18年12月期通期の連結業績予想を売上高1180億円(前期比12.4%増)、経常利益68億円(同8.3%増)と見込んでいる。なお、同社の連結子会社で、硬質ウレタンフォームを使った住宅・建築物断熱材の施工販売を手掛ける日本アクア <1429> は、3月1日に従来の東証マザーズ市場から東証1部指定となった。

●富士機械製造、グローバルブランドを強化し定着へ

 富士機械製造 <6134> は、社名を「FUJI」に変更する。社名変更の理由について同社では「当社は、海外売上高が80%を占め、世界に100ヵ所以上の海外拠点を構えてサポート体制を強化している。創業60年目を迎える2018年度を機にグローバルブランドを強化し定着させることと、ロボット技術を深耕・発展させ、事業領域の拡大を目指す」(経営管理部)としている。同社は2月8日、18年3月期通期の連結業績で、売上高を1100億円から1140億円(前期比31.9%増)へ、経常利益を181億円から200億円(同96.1%増)へそれぞれ上方修正した。また、主力の電子部品実装ロボットや工作機械に加え、インターネットなどを利用して注文した商品が、職場の退社時間までに備え付けの専用受取りBOXに届くシステムのロッカー「Quist(クイスト)」を手掛けている。

●大阪工機、ブランド名と社名の統一で海外展開を加速

 大阪工機 <3173> は、社名を「Cominix」に変更する。社名変更の理由について同社では「1990年代以降、海外有力工具メーカーの商品の取り扱いを拡大すると同時に、タイ、中国など海外営業拠点を積極展開している。今後グローバル企業として成長することを目指し、従来から提供している各種サービスに使用していた“Cominix”のブランドを社名として統一する」(管理本部)としている。Cominixには、適切なコミュニケーションを通じて、最小限のコストと最短の期間で、最高の品質と最大の価値を、法令を遵守しながら顧客と協同して実現するという意味が込められているという。同社は、18年3月期通期の連結業績を売上高230億円(前期比10.0%増)、経常利益7億1200万円(同34.6%増)と見込んでいる。

●岡村製作所、19年3月期以降の業績向上に期待

 岡村製作所 <7994> は、社名を「オカムラ」に変更する。社名変更の理由について同社では、2015年に創業70周年を迎え、社名とブランドを統一することで、トータルソリューション企業への変革とグローバル化に向けて企業価値をさらに高めていくとしている。同社は、18年3月期通期の連結業績を売上高2430億円(前期比2.6%増)、経常利益132億円(同3.4%増)を見込んでいる。さらに、19年3月期以降は首都圏を中心に、オフィスビルの竣工ラッシュに伴う床面積の供給増加が追い風となり業績向上が予想される。

●萩原電気、ワンストップ・グローバルサプライヤーを標榜

 電子部品や電子機器商社の萩原電気 <7467> は、社名を「萩原電気ホールディングス」に変更する。同社は、デバイスからエレクトロニクスまでエレクトロニクス分野の“ワンストップソリューション・グローバルサプライヤー”を標榜しており、各事業で環境変化への対応力を高めるとともに、グループ全体の企業価値を最大化する経営体制を構築するために、持ち株会社体制に移行することが最適であると判断したとしている。同社は、18年3月期通期の連結業績を、1070億円(前期比5.2%増)、経常利益34億円(同11.3%増)と予想している。

◆主な18年4月1月に社名変更する銘柄◆

現社名 <コード>        新社名            経常増益率 株価 PER
桧家HD <1413> [東証2]   ヒノキヤグループ           8.3 2840  9.4
大阪工機 <3173>        Cominix           34.6 1106  17.7
スターティア <3393>      スターティアホールディングス    ▼5.3 1016  24.7
モブキャスト <3664> [東証M] モブキャストホールディングス   非開示  690  ―
富士機械製造 <6134>      FUJI              96.1 2132  12.9
三井造船 <7003>        三井E&Sホールディングス    ▼52.9 1936 156.0
萩原電気 <7467>        萩原電気ホールディングス      11.3 3340  12.4
岡村製作所 <7994>       オカムラ               3.4 1456  18.0
朝日放送 <9405>        朝日放送グループホールディングス ▼18.3  899  14.1

※株価は12日終値(単位:%、円、倍)

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