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【特集】ジェネパ Research Memo(1):2017年10月期の減益要因は一時的、主力の国内EC事業は増収増益基調

ジェネパ <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

ジェネレーションパス<3195>は、ネット通販サイト「リコメン堂」を運営するマーケティング支援サービス企業である。小売業の業種に分類されているが、同社の基本的なビジネスモデルは、商材メーカーに寄り添って、独自のWebマーケティング手法(以下「EPO」:EC Platform Optimization(最適化分析システム))を活用して拡販支援サービスを行うものである。

事業セグメントとしては、1)「ECマーケティング事業」(「リコメン堂」及び大手ECモールへの出店による商材の販売)、2)「商品企画関連事業」(EC市場へ出品する商材の企画支援)、3)「アクトグループ事業」(寝具・インテリア製品の企画製造販売)4)その他(システム受託開発やアレルゲン検査など)の4事業領域。

同社は、2017年12月15日に2017年10月期の連結決算業績を発表した。売上高7,632百万円(前期比17.4%増)、営業利益17百万円(同78.9%減)、経常利益42百万円(同36.6%減)、親会社株主に帰属する当期純損失5百万円(前期は45百万円の利益)であった。過去最高の売上高を記録しながらも前期比減益となった要因は、1)中国EC事業において在庫評価減を行ったこと、2)配送会社の総量規制実施による売上のロス、3)商品企画関連事業の納期の期ずれによる売上及び利益の期ずれ、などである。

同社の属するEC市場においては、宅配料金の値上げや宅配総量の規制等の不安もあるなか、国内外ともに個人消費者の購買状況は引き続き上昇傾向にあり、業績は基本的に拡大基調である。マーケットニーズに沿った「ECマーケティング事業」の展開を推進し、既存モールでの「EPO」を推進・強化し、販売サイトのリニューアルや各種集客と売上拡大策を実施しており、基本的に増収増益の傾向に変わりはないとしている。

2018年10月期の通期業績見通しは、売上高10,000百万円(前期比31.0%増)、営業利益150百万円(同852.6%増)、経常利益150百万円(同352.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益80百万円(前期は5百万円の損失)である。日本国内のEC市場は順調に拡大しており、同社のパートナー企業数などの主要管理指標も伸長しているため、2018年10月期通期計画値については、全社的には売上高・利益ともに十分達成可能だろう。

今後の中長期戦略でもある2018年度重点施策では、同社は「『メタECカンパニー』のさらなる進展に向けて、1+3軸(コア事業の国内EC事業に加え、成長戦略としての地理的展開、バーチカル展開、水平展開)で成長」するとしている。目標達成にはM&A投資と人材の確保が重要と考えられるが、EC事業を起点として、関連するインターネット企業ほか、様々な領域に積極投資を図るとしている。

■Key Points
・積極的なM&Aを含めた成長投資と人材確保により、今後の急成長期待
・中国への越境ECは、現地税制変更等による影響が続くが、中長期的には大幅成長期待
・2017年10月期の減益要因は一時的、EC事業の競争激化は同社の追い風に

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)

《HN》

 提供:フィスコ

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