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【特集】窪田朋一郎氏【米株高で真冬の“上昇波”到来、どうなる日本株】(1) <相場観特集>

窪田朋一郎氏(松井証券 シニアマーケットアナリスト)

―米税制改革法案の実現濃厚で東京市場の潮目も変わる―

 米税制改革法案の実現期待が高まるなか、強い米国株市場がさらに“金棒”を得たような強さをみせ、日本株もこれに追随する動きとなっている。週明け18日の東京株式市場では海外投資家のクリスマス休暇前のポジション調整の売りも一巡し、日経平均株価は満を持して急激な切り返しに転じてきた。このリスク選好の流れが年末年始相場で継続するのであれば、個人投資家も参戦しない手はない。先読みに定評のある市場関係者に見通しを聞いた。

●「強調地合い継続し日経平均2万3500円窺う」

窪田朋一郎氏(松井証券 シニアマーケットアナリスト)

 米国の税制改革法案について成立の見通しが強まったことはポジティブ材料で、来年から35%の法人税率が21%まで下がることは米国企業にとって力強い追い風となるが、目先的にこの件について相場的見地からは材料出尽くしとなった。しかし、米金融規制の緩和など、現在俎上に載っている材料はまだ残されており、米株市場は依然として上値の伸びしろがある。

 東京市場も外国人投資家のクリスマス休暇で全体商いは細りそうだが、日経平均は頑強な展開を続ける公算が大きい。水準としては2万3500円前後が当面の上値目標として意識され、年内は残すところあとわずかで達成は微妙だが、年明け1月相場ではその水準に達する可能性が高い。また、仮に調整色が強まる場面があったとしても、年末年始相場の下値リスクについては限定的であろう。

 今週は20~21日に日銀の金融政策決定会合が予定されている。黒田日銀総裁の記者会見を含め無風通過の見方が強かったが、ここにきて一部で一段の金融緩和に対する思惑も浮上しており、スケジュール的には年内最後のイベントとしてマーケットの注目を集めそうだ。

 物色対象は、米国での金融規制緩和の動向に投資家の視線が向けられるなか、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> を筆頭とするメガバンクを中心に、保険や証券など金融関連株に優位性があろう。また、テーマ株物色の流れも続きそうで、足もとはビットコインのシカゴ先物上場などで話題性を強めている仮想通貨関連株などに投資資金が流入しやすいとみられる。GMOインターネット <9449> やSBIホールディングス <8473> などは値動きの荒さはあるが、上昇余地が改めて意識されそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(くぼた・ともいちろう)
松井証券へ入社後、マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウオッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。

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