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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─小型仕手株で師走相場を取る!

株式評論家 植木靖男

「小型仕手株で師走相場を取る!」

●目先反転後が「勝負所」に

 買い方にとって悪戦苦闘の連続である。とにかく儲からない、との不満の声が充満している。だが、市場関係者の多くは誰しも強気である。すなわち、世界景気は拡大局面にある。国内景気も改善中だ。企業収益は今期のみならず来期も増益、結果として予想PERは低下。先進国の中で日本株は出遅れ、株価は買いだ、との見立てだ。

 そうした声が大きければ大きいほど相場は重くなっていく。確かにマクロ、ミクロ論は正しい。だが、相場はまた別物である。相場の神様のいたずらか。

 12月11日、日経平均株価は終値ベースで11月7日の高値を上抜いた。だが、翌日には早くも反落。さらに翌々日も下落、これで方向性が定まったようだ。

 振り返れば、15年6月23日に先の高値2万0569円を17日ぶりに上抜く。だが、翌日には天井をつける。まだある。本年3月10日に先の高値1万9594円を46日ぶりに上抜いたが、これまた翌日には天井を打ってしまった。

 今回は11月7日終値2万2937円を23日間かけて上抜いた。だが、上抜いたその日が高値となっている。

 さて、今後はどうなるのか。相場の神様のいたずらとばかり言っていられない。上げれば好材料が、下げれば悪材料が浮上するのは相場の常だ。

 常識的には4日連続安しただけに、今週はとりあえずは売り方の買い戻しで反転するとみられる。問題はその後だ。再び下げるのか、そのまま反転上昇し、高値奪回を目指すのか、勝負所である。

●幕間つなぎの餅つき相場、狙うは連騰銘柄

 今週も下げ続けるとすれば、自律調整ではなく本格的な下げ相場になる可能性も大きいだろう。

 いずれにしても、15年6月、17年1月のケースも戻り高値から4~6%下げて止まっている。今回にあてはめてみると、2万1500~2万2000円前後で下げ止まるのではないか。年末最後の週がどう動くのか、それが正月相場を占うカギとなりそうだ。

 ところで、年末にかけての物色銘柄をどうみるのか。

 いうまでもなく師走相場は昔から餅つき相場といわれ慌ただしい展開となる。餅代稼ぎから手っ取り早く稼げる仕手株が乱舞するのが特徴だ。

 しかも、今年は円高傾向にあり、優良株に手が出し難いだけになおさらだ。小型仕手株で幕間つなぎとならざるを得ないだろう。

 大事な点は、自らが旗振り役でない以上、とにかく連騰する銘柄についていくことが肝要。間違っても押し目を買おう、などという姑息な手は使わない方がいい。“押し目待ちに押し目なし”だ。

 モリテック スチール <5986> 、日水 <1332> 、それに一段高をみせるならば東京都競馬 <9672> もおもしろいかもしれない。

2017年12月15日 記

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